膝のお皿の下が痛い…それは膝蓋下脂肪体炎かもしれません

「膝のお皿の下が痛い」
「階段の昇り降りで膝が痛む」
「膝を伸ばしきると痛い」
「スポーツ後に膝の前側が痛くなる」
「レントゲンでは異常がないと言われた」

このような症状がある場合、膝蓋下脂肪体炎(しつがいかしぼうたいえん)の可能性があります。

膝蓋下脂肪体炎は、膝のお皿(膝蓋骨)の下に存在する「膝蓋下脂肪体(Hoffa脂肪体)」に炎症が起こる疾患です。

スポーツ選手だけでなく、変形性膝関節症や加齢による膝の変化がある方にもみられます。レントゲンでは異常が映らないことも多く、見逃されやすい膝の痛みの原因の一つです。

膝蓋下脂肪体とは?

膝蓋下脂肪体は、膝蓋骨の下方から膝蓋腱の奥に存在する柔らかい脂肪組織です。
主な役割は、

  • 膝への衝撃吸収
  • 関節の潤滑作用
  • 膝蓋骨の安定化
  • 血管や神経の保護

などです。
膝の曲げ伸ばしに合わせて形を変化させながら、膝関節の正常な動きを支えています。

膝蓋下脂肪体炎とは?

膝蓋下脂肪体炎とは、この脂肪体に繰り返し負荷が加わることで炎症や腫れが起こり、痛みを生じる状態です。別名「Hoffa病」「Hoffa症候群」と呼ばれることもあります。

炎症が長引くと脂肪体が硬くなり(線維化)、膝の曲げ伸ばしのたびに挟み込まれてさらに痛みが強くなることがあります。

膝蓋下脂肪体炎の症状

膝のお皿の下が痛い

最も特徴的な症状です。
特に膝蓋腱の両側や奥に痛みを感じます。

膝を伸ばすと痛い

膝を完全に伸ばしたときに脂肪体が圧迫されるため、

  • 立ちっぱなし
  • 歩行
  • ランニング

などで痛みが強くなることがあります。

階段の昇り降りで痛い

特に階段の下りで症状が悪化しやすくなります。

しゃがむと痛い

深く膝を曲げる動作でも痛みが出ることがあります。

膝の腫れや違和感

脂肪体の炎症によって膝前面の腫れや張り感を感じることがあります。

膝が伸びきらない

慢性化すると脂肪体の線維化によって膝の伸展制限が生じることがあります。

膝蓋下脂肪体炎の原因

スポーツによる繰り返しの負荷

最も多い原因です。

  • ランニング
  • ジャンプ
  • ダッシュ
  • 切り返し動作

などを繰り返すことで発症します。

膝の使い過ぎ(オーバーユース)

練習量の増加や運動のし過ぎによって脂肪体に炎症が起こります。

外傷

  • 転倒
  • 打撲
  • 膝の捻挫

などがきっかけになることがあります。

反張膝(膝の伸びすぎ)

膝が過度に伸びる方では脂肪体が繰り返し圧迫されやすくなります。

変形性膝関節症

加齢や膝の変形によって脂肪体への負担が増加し、炎症を起こすことがあります。

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)との違い

膝のお皿の下が痛いため、ジャンパー膝と間違われることがあります。

膝蓋下脂肪体炎

  • 膝蓋腱の奥が痛い
  • 膝を伸ばすと痛い
  • 圧迫されると痛い

ジャンパー膝

  • 膝蓋腱そのものが痛い
  • ジャンプや着地で痛い
  • 腱の変性が主体

正確な診断には超音波検査やMRI検査が重要です。

膝蓋下脂肪体炎を放置するとどうなる?

初期であれば比較的改善しやすい疾患です。
しかし無理に運動を続けることで、

  • 慢性膝痛
  • 脂肪体の線維化
  • 膝伸展制限
  • スポーツパフォーマンス低下

につながる可能性があります。

膝蓋下脂肪体炎の検査

問診・診察

痛みの場所やスポーツ歴を確認します。

レントゲン検査

初期では異常がみられないことが多いですが、他の疾患との鑑別に有用です。

超音波検査(エコー)

脂肪体の腫れや血流増加を評価できます。動きながら確認できることも特徴です。

MRI検査

最も有用な検査です。

  • 脂肪体の浮腫
  • 炎症
  • 線維化

などを詳しく確認できます。

膝蓋下脂肪体炎の治療

スポーツ活動の調整

まずは膝への負担を減らすことが重要です。

リハビリテーション

  • ストレッチ
  • 股関節機能改善
  • 大腿四頭筋トレーニング
  • 動作改善

などを行います。

薬物療法

  • 消炎鎮痛薬
  • 湿布
  • 外用薬

などを使用します。

テーピング・装具療法

膝への負担を軽減する目的で行われます。

手術

保存療法で改善しない場合に検討されることがあります。

長引く膝の痛みとモヤモヤ血管の関係

膝蓋下脂肪体は神経や血管が非常に豊富な組織です。
近年の研究では、炎症が長引くことで脂肪体内に血管新生や神経新生が起こり、慢性的な痛みの原因になることがわかってきました。

これが、なごやEVTクリニックで説明している「モヤモヤ血管」の考え方です。

本来は組織修復のために作られる血管ですが、炎症が続くことで必要以上に増殖し、その周囲には痛みを感じる神経も増えていきます。
その結果、

  • リハビリを続けても痛い
  • スポーツ復帰で再発する
  • 数か月以上症状が続く

といった慢性痛につながることがあります。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

運動器カテーテル治療という新しい選択肢

近年、慢性的な膝の痛みに対する治療として「運動器カテーテル治療」が注目されています。

運動器カテーテル治療は、痛みの原因となるモヤモヤ血管に対してカテーテルを用いて治療を行う方法です。足の付け根や手首などの血管から細いカテーテルを挿入し、膝蓋下脂肪体周囲の異常血管へアプローチします。

身体への負担が少なく、

  • 膝蓋下脂肪体炎が長引いている
  • リハビリで改善しない
  • スポーツ復帰を目指している
  • 手術は避けたい

という方にとって、新たな治療選択肢となる可能性があります。

このような症状があればご相談ください

  • 膝のお皿の下が痛い
  • 階段の昇り降りで痛い
  • 膝を伸ばすと痛い
  • ランニングで痛い
  • 膝蓋下脂肪体炎と診断された
  • リハビリを続けても改善しない
  • スポーツ復帰を目指している
  • 手術以外の治療法を探している

膝蓋下脂肪体炎は、見逃されやすい膝前面痛の原因の一つです。

なごやEVTクリニックでは、慢性的な膝の痛みに対する運動器カテーテル治療を行っています。
膝の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

膝蓋下脂肪体炎の実例紹介

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