捻挫とは

捻挫(ねんざ)とは、関節に強い力が加わることで関節を支える靱帯や関節包などの軟部組織が損傷するケガです。最も多いのは足首の捻挫で、スポーツ中だけでなく、階段を踏み外したり、段差につまずいたりした際にも起こります。

「捻挫だからそのうち治るだろう」
と思われがちですが、適切な治療を受けなかった場合には痛みや不安定感が長期間残ることがあります。

実際に足関節捻挫はスポーツ外傷の中でも頻度が高く、一見軽症に見えても後遺症が残ることがあるため注意が必要です。

捻挫の主な症状

捻挫の症状は損傷の程度によって異なります。

足首の痛み

最も代表的な症状です。
足首をひねった直後から痛みが出現し、歩行時や体重をかけた際に強くなる傾向があります。

腫れ

靱帯が損傷すると炎症が起こり、足首周囲が腫れます。
受傷後数時間で腫れが強くなることもあります。

内出血

損傷した血管から出血することで皮膚が青紫色になることがあります。

関節の不安定感

重度の捻挫では、

  • 足首がぐらつく
  • 力が入りにくい
  • 再び捻りそうになる

といった症状がみられます。

捻挫の原因

捻挫の多くは足首を内側にひねることで発生します。
特に足首の外側にある前距腓靱帯や踵腓靱帯が損傷しやすいことが知られています。
以下のような場面で起こりやすくなります。

  • ジャンプの着地
  • ランニング中の方向転換
  • バスケットボールやサッカーなどの競技
  • 階段の踏み外し
  • 凹凸のある路面での歩行

捻挫の重症度

軽度(Ⅰ度)

靱帯が伸びた状態です。
腫れや痛みは比較的軽く、歩行可能なことが多いです。

中等度(Ⅱ度)

靱帯の一部が断裂した状態です。
腫れや痛みが強く、歩行が困難になることがあります。

重度(Ⅲ度)

靱帯が完全に断裂した状態です。
著しい腫れと不安定性を伴い、手術が検討される場合もあります。

捻挫したらまず何をするべき?

受傷直後は応急処置が重要です。

安静(Rest)

無理に動かさず患部を保護します。

冷却(Ice)

氷などで冷やし炎症を抑えます。

圧迫(Compression)

弾性包帯などで圧迫します。

挙上(Elevation)

足を心臓より高い位置に上げて腫れを抑えます。
近年はPEACE & LOVEという考え方も広まりつつありますが、いずれにしても早期の適切な対応が重要です。

捻挫は自然に治る?

軽度の捻挫であれば自然に改善することもあります。
しかし、

  • 痛みが長期間続く
  • 何度も捻挫を繰り返す
  • 足首が不安定

という場合は注意が必要です。

「治ったと思っていたが違和感だけ残っている」
というケースも少なくありません。

捻挫を放置するとどうなる?

適切な治療を受けないまま放置すると、

慢性足関節不安定症

足首がぐらつきやすくなります。

軟骨損傷

関節内の軟骨が傷つくことがあります。

関節炎

長期的には変形性足関節症につながることもあります。

慢性疼痛

数か月から数年にわたり痛みが続くことがあります。

捻挫の検査

医療機関では以下のような検査を行います。

  • 問診
  • 触診
  • レントゲン検査
  • 超音波検査
  • MRI検査

特に痛みが長期間続いている場合は、靱帯損傷以外の原因が隠れていないか確認することが重要です。

捻挫の一般的な治療法

保存療法

  • 安静
  • 装具療法
  • テーピング
  • 消炎鎮痛薬

などを行います。

リハビリテーション

足関節周囲の筋力やバランス機能を改善し、再発予防を目指します。

手術

重度の靱帯損傷や慢性不安定症では手術が検討されることがあります。

捻挫が治らない理由とは?

通常の捻挫は数週間から数か月で改善することが多いですが、中には痛みが長期間続く方もいます。

その理由として、

  • 靱帯の損傷が残っている
  • 関節の不安定性
  • 軟骨損傷
  • 神経障害
  • 慢性炎症

などが考えられます。

特に受傷から3か月以上経過しても痛みが続いている場合は、慢性炎症が関与している可能性があります。

慢性化した捻挫とモヤモヤ血管

近年、長引く痛みの原因のひとつとして病的新生血管が注目されています。
なごやEVTクリニックでは、この病的新生血管を「モヤモヤ血管」と呼んでいます。

本来、新生血管は組織修復のために一時的に増えます。しかし何らかの原因で消えずに残ってしまうと、

  • 炎症物質を放出する
  • 異常な神経が増殖する
  • 痛みを長引かせる

と考えられています。

捻挫後に痛みが慢性化しているケースでは、このモヤモヤ血管が関与している可能性があります。

運動器カテーテル治療という選択肢

なごやEVTクリニックでは、慢性的な痛みの原因となるモヤモヤ血管に対して運動器カテーテル治療を行っています。

手首や足の付け根から直径約0.6mmの極細カテーテルを挿入し、モヤモヤ血管へ直接アプローチします。この治療は捻挫そのものを治す治療ではありません。

しかし、

  • 捻挫から3か月以上経過している
  • リハビリを続けても痛みが残る
  • スポーツ復帰後も違和感がある
  • 痛み止めが手放せない

という慢性的な痛みに対して、新たな治療選択肢となる可能性があります。

捻挫に関するよくある質問

捻挫はどれくらいで治りますか?

軽症であれば数週間、中等度以上では数か月かかることがあります。

捻挫を繰り返すのはなぜですか?

靱帯の緩みや筋力低下、バランス機能の低下などが原因として考えられます。

捻挫後に痛みが数か月続いています。受診した方がいいですか?

3か月以上痛みが続く場合は、慢性炎症や他の病態が隠れている可能性があるため専門医への相談をおすすめします。

長引く捻挫の痛みでお悩みの方へ

多くの捻挫は時間の経過とともに改善します。しかし、適切な治療を受けても痛みが続くケースもあります。

なごやEVTクリニックでは、長引く痛みの背景にあるモヤモヤ血管に着目した診療を行っています。
捻挫から数か月経過しても改善しない足首の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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