シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)

シンスプリントは、運動による反復的な負荷によって引き起こされる脛骨の骨膜炎です。ランニング、ジャンプ、跳び箱、ダンスなど、繰り返し同じ運動をするスポーツやアクティビティを行う人々によく見られます。この状態は、筋肉や腱の疲労や過負荷によって、脛骨の骨膜に炎症を引き起こすことで発生します。

シンスプリントは、軽度の痛みから、慢性的な痛み、そして骨折に至るまで、様々な症状を引き起こすことがあります。痛みは運動を始めた直後に感じられ、継続している場合は休息中でも続くことがあります。痛みは脛骨の内側に沿って感じられ、強くなるにつれて痛みの範囲も広がることがあります。炎症が進行すると、痛みが継続することがあります。

シンスプリントは、ランニングやその他のスポーツに参加する人々の間で非常に一般的な状態であり、運動量の急激な増加、硬い地面や不適切な靴を履いて運動すること、不適切なフォームなどが原因で発生することが多いです。

シンスプリントを予防するには、以下のような対策を講じることができます。
1.適切な靴を着用すること:スポーツシューズは、運動時に必要なサポートを提供するために設計されています。靴の選び方を間違えると、シンスプリントなどの運動障害を引き起こすことがあります。
2.運動前の十分なウォーミングアップ:運動前に十分なウォーミングアップを行うことで、筋肉や腱を準備することができます。これは、急激な運動への適応を容易にすることができます。
3.運動量の増加に徐々に適応すること:運動量を急激に増やすことは、シンスプリントなどの運動障害を引き起こす可能性があります。徐々に運動量を増やし、身体に十分な休息を与えることが重要です。
4.運動フォームの改善:運動フォームを改善することで、筋肉や腱にかかる負荷を減らすことができます。例えば、ランニング時に脚を適切に曲げることで、脛骨にかかる負荷を減らすことができます。
5.ストレッチやマッサージ:ストレッチやマッサージを行うことで、筋肉や腱を緩め、シンスプリントなどの痛みを緩和することができます。

シンスプリントの治療には、以下のような方法があります。
1.休息と氷:運動を休止し、炎症を緩和するために、脛骨に氷を当てることができます。
2.炎症を抑える薬:痛みや炎症を軽減するために、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を処方することがあります。
3.物理療法:物理療法には、電気刺激、超音波、マッサージ、ストレッチ、筋力トレーニングなどが含まれます。
4.適切な靴の使用:運動に適した靴を履くことで、足の形に合わせてサポートを提供し、シンスプリントのリスクを軽減することができます。
5.手術:痛みが慢性化し、他の治療法に効果がなかった場合、手術が必要な場合があります。

シンスプリントは、運動障害の一種であり、運動前の準備や適切な靴の着用、運動フォームの改善などの予防策を講じることが重要です。治療には、休息や氷、炎症を抑える薬、物理療法、適切な靴の使用などが含まれます。症状が慢性化している場合は、手術が必要になることがあります。最善の治療法は、医師に相談し、診断を受けることです。

Q&A

Q.シンスプリントは他の足の疾患とどのように区別できますか?
シンスプリントは脛骨周囲の炎症を特徴とする症状ですが、他の足の疾患とは異なる特徴があります。例えば、骨折や腫瘍とは異なり、シンスプリントは運動時に痛みが現れ、安静時には痛みが軽減する傾向があります。また、シンスプリントは通常、両側の脚に同時に現れることがあります。

Q.シンスプリントの主なリスク要因は何ですか?
シンスプリントの主なリスク要因には、過度の運動やトレーニング、身体的な活動の急激な増加、不適切な靴装備、硬い地面での運動などが含まれます。また、足のアーチの異常や筋力の不均衡もリスクを高める要因とされています。

Q.シンスプリントは予防できますか?
シンスプリントの予防にはいくつかの方法があります。適切な靴装備の選択、適切なストレッチやウォームアップの実施、運動の強度や頻度の適度な制御、適切な休息やリカバリーの確保などが重要です。また、足の筋力トレーニングやランニングフォームの改善も予防に役立つことがあります。

Q.シンスプリントは一度治ったら再発する可能性がありますか?
シンスプリントが完全に治癒した場合でも、再発する可能性があります。再発を予防するためには、適切なトレーニングや運動プログラムの継続的な管理、筋力のバランスを保つためのトレーニング、十分な休息やリカバリーの確保が重要です。

Q.シンスプリントの治療期間はどれくらいですか?
シンスプリントの治療期間は個人差がありますが、通常は数週間から数ヶ月かかることがあります。適切な治療法の遵守、休息、炎症の軽減、運動制限などが早期の回復を促すことができます。

Q.シンスプリントのために安静にする必要がありますか?
シンスプリントの治療では、症状の軽減と回復を促すために一時的な安静が必要な場合があります。特に痛みや炎症が強い場合には、運動や活動を制限することが推奨されます。しかし、完全な安静は必要なく、非負荷の運動やリハビリが行われることもあります。

Q.シンスプリントは年齢や性別によって影響を受けるのでしょうか?
シンスプリントは年齢や性別によって影響を受けることはありません。しかし、特定のスポーツを行う人や、成長期の若者により一般的に見られることがあります。個人の活動レベルやリスク要因の存在がシンスプリントの発症に影響を与える要素となります。

Q.シンスプリントの痛みを軽減するために自宅でできることはありますか?
シンスプリントの痛みを軽減するためには、アイシングや冷却パックの使用、軽いストレッチやマッサージ、痛みのある活動の制限などが役立つことがあります。ただし、専門医の指導のもとで適切な自己処置を行うことが重要です。

Q.シンスプリントを無視した場合、どのような合併症が起こる可能性がありますか?
シンスプリントを無視し続けると、症状が悪化し、炎症や痛みが慢性化する可能性があります。長期間にわたって無理な運動を続けることで、骨折や他の足の障害のリスクも高まることがあります。早期の診断と適切な治療は合併症のリスクを軽減するのに役立ちます。

Q.シンスプリントが完全に治った後、運動やスポーツに戻るタイミングはどのように決めるべきですか?
シンスプリントが完全に治癒した後、運動やスポーツに戻るタイミングは個人の状態や治療の結果によって異なります。専門医の指示に従い、無理なく徐々に活動を再開することが重要です。適切なリハビリテーションや筋力トレーニングの実施も、再発を予防するために役立つことがあります。

 

シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)を早く治すにはどうしたらいいですか?

上記とは別に、近年注目されている運動器カテーテル治療という方法があります。痛みを長引かせている微細な病的新生血管(いわゆるモヤモヤ血管)に直接アプローチする方法です。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は検討されるとよいでしょう。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)の実例紹介

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