変形性肩関節症とは

変形性肩関節症とは、肩関節の軟骨がすり減り、関節の表面が変形することで痛みや動かしにくさが生じる病気です。

変形性膝関節症はよく知られていますが、実は肩関節にも同様の変化が起こることがあります。
肩関節は腕を大きく動かすための関節であり、

  • 洋服を着る
  • 髪を洗う
  • 洗濯物を干す
  • 高い場所の物を取る

といった日常動作に欠かせません。

そのため、変形性肩関節症が進行すると日常生活へ大きな支障をきたします。

肩関節の構造

肩関節は、

  • 上腕骨頭
  • 関節窩(肩甲骨)
  • 関節軟骨
  • 腱板

などで構成されています。

正常な肩関節では軟骨がクッションの役割を果たし、滑らかに動いています。
しかし軟骨がすり減ると、骨同士が直接こすれ合い、

  • 炎症
  • 痛み
  • 可動域制限

が生じるようになります。

変形性肩関節症の症状

肩の痛み

最も多い症状です。
初期には肩を使った後だけ痛みを感じますが、
進行すると

  • 安静時
  • 夜間
  • 睡眠中

にも痛みが出現することがあります。

腕が上がらない

肩関節の動きが制限されるため、

  • 洗濯物を干せない
  • 髪を結べない
  • 背中に手が回らない

などの症状が現れます。

肩がゴリゴリ鳴る

肩を動かした際に、

  • ゴリゴリ
  • ジャリジャリ
  • コキコキ

といった音がすることがあります。

肩のこわばり

朝起きた時や長時間動かしていない時に肩が固く感じることがあります。

筋力低下

痛みにより肩を使わなくなることで筋力が低下します。

変形性肩関節症の原因

加齢

最も多い原因です。
年齢とともに軟骨は徐々に摩耗していきます。

肩の使いすぎ

長年にわたり肩へ負担がかかることで発症することがあります。
特に、

  • 野球
  • テニス
  • 水泳
  • 重労働

などを続けている方に多くみられます。

外傷

過去の

  • 骨折
  • 脱臼
  • 靱帯損傷

などが原因となることがあります。

腱板断裂

肩のインナーマッスルである腱板が断裂すると、肩関節に異常な負荷がかかり変形性肩関節症につながることがあります。

関節リウマチ

関節リウマチによる慢性炎症が肩関節の変形を引き起こすことがあります。

変形性肩関節症になりやすい人

以下のような方は発症リスクが高くなります。

  • 50歳以上
  • 肩を酷使する仕事をしている
  • スポーツ歴が長い
  • 肩のケガをしたことがある
  • 腱板断裂の既往がある
  • 関節リウマチがある

五十肩との違い

変形性肩関節症と五十肩はよく混同されます。

五十肩

  • 肩関節周囲の炎症
  • 自然改善することが多い
  • 比較的レントゲン異常が少ない

変形性肩関節症

  • 軟骨がすり減る
  • 骨の変形が起こる
  • レントゲンで変形が確認できる

という違いがあります。

変形性肩関節症を放置するとどうなる?

進行すると、

  • 夜も眠れないほどの痛み
  • 肩がほとんど動かない
  • 日常生活が困難になる

などの状態になることがあります。
さらに筋力低下が進み、肩以外にも

  • 背中

へ負担がかかることがあります。

変形性肩関節症の検査

問診

症状や生活状況を確認します。

レントゲン検査

最も基本となる検査です。
軟骨の摩耗や骨の変形を確認できます。

MRI検査

腱板断裂や軟部組織の状態を詳しく確認できます。

CT検査

手術を検討する際に行われることがあります。

変形性肩関節症の一般的な治療法

薬物療法

消炎鎮痛薬や湿布を使用します。

注射療法

  • ヒアルロン酸注射
  • ステロイド注射

などが行われます。

リハビリテーション

肩関節の可動域維持や筋力強化を行います。

物理療法

温熱療法や電気治療などが行われます。

人工肩関節手術

保存療法で改善しない重症例では人工肩関節置換術が検討されます。

変形性肩関節症は自然に治る?

残念ながら、すり減った軟骨が自然に元へ戻ることはありません。
しかし、

  • 炎症を抑える
  • 肩の動きを改善する
  • 痛みを軽減する

ことで日常生活の質を改善することは可能です。

なぜ肩の痛みが長引くのか

変形性肩関節症の患者さんの中には、

  • 注射を繰り返している
  • リハビリを続けている
  • 手術はまだ必要ないと言われた

にもかかわらず、
何年も痛みに悩んでいる方が少なくありません。

その背景には、

  • 慢性炎症
  • 滑膜炎
  • 血流異常
  • 神経の過敏化

などが関係していると考えられています。
また、レントゲン上の変形の程度と痛みの強さが必ずしも一致しないことも知られています。

長引く肩の痛みとモヤモヤ血管

近年、慢性的な痛みの原因として病的新生血管が注目されています。
なごやEVTクリニックでは、この病的新生血管を「モヤモヤ血管」と呼んでいます。

本来、新生血管は傷ついた組織を修復するために一時的に作られます。しかし炎症が長引くことで、本来消えるはずの血管が残存し、さらに周囲には異常な神経が増殖することがあります。
その結果、

  • 痛みを発生させる
  • 炎症を持続させる
  • 肩の回復を妨げる

可能性があります。

変形性肩関節症による慢性的な肩の痛みにも、このモヤモヤ血管が関与していることがあります。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

運動器カテーテル治療という選択肢

なごやEVTクリニックでは、慢性的な痛みの原因となるモヤモヤ血管に対して運動器カテーテル治療を行っています。

運動器カテーテル治療は、手首や足の付け根の血管から直径約0.6mmの極細カテーテルを挿入し、病的新生血管へ直接アプローチする治療法です。

変形した肩関節を元に戻す治療ではありません。
しかし、

  • 肩の痛みが3か月以上続いている
  • ヒアルロン酸注射を繰り返している
  • リハビリを続けても改善しない
  • 夜間痛が続いている
  • 手術は避けたい

という患者さんでは、新たな治療選択肢となる可能性があります。

このような方はご相談ください

  • 肩の痛みが長期間続いている
  • 腕が上がらない
  • 夜間痛で眠れない
  • ヒアルロン酸注射が効かなくなった
  • リハビリでも改善しない
  • 手術以外の治療法を探している
  • 慢性的な肩の痛みに悩んでいる

よくある質問

変形性肩関節症は治りますか?

変形した軟骨を元に戻すことは困難ですが、適切な治療により痛みの軽減や機能改善は期待できます。

五十肩との違いは何ですか?

五十肩は炎症が主体ですが、変形性肩関節症は軟骨の摩耗や骨の変形が主体です。

肩がゴリゴリ鳴るのは変形性肩関節症ですか?

必ずしもそうではありませんが、変形性肩関節症でみられることがあります。

手術しないと治りませんか?

多くの患者さんは保存療法で経過をみます。重症例では人工肩関節手術が検討されます。

運動器カテーテル治療はどんな人が対象ですか?

一般的な保存療法で改善しない慢性的な肩の痛みがある方が対象となる可能性があります。

肩の痛みや腕が上がらない症状でお悩みの方へ

変形性肩関節症は加齢や肩の使いすぎによって発症することが多く、進行すると日常生活へ大きな支障をきたします。
また、長期間続く肩の痛みにはモヤモヤ血管が関与している可能性もあります。

なごやEVTクリニックでは、慢性疼痛の原因となるモヤモヤ血管に着目した診療を行っています。
肩の痛みがなかなか改善しない方、手術以外の選択肢を探している方は、お気軽になごやEVTクリニックへご相談ください。

変形性肩関節症の実例紹介

モヤモヤ血管

 

顔・首

 
 
 

肩・腕・肘・手

 

 

腰臀部股関節

 

 
 

 
 

その他