膝:変形性膝関節症など

【30代:男性】常にジンジンと膝の奥が痛い・・ランニング中の打撲後5年間続いた膝蓋下脂肪体炎(外傷後遺症、膝蓋下脂肪体炎)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

5年前にランニング中に転倒し、コンクリートの地面に直接左膝を打撲してしまいました。
膝蓋骨およびその下あたりを打ったように記憶していました。打撲の痛みが改善しましたが、それ以来、外から押しても全く痛くないものの、常にジンジンと奥に痛みを感じるようになりました。ずっと曲げていると痛み、伸ばすと楽になる、捻っても痛くないが、走ると痛むといった具合でした。入浴では痛みは変わりませんでした。多くの医療機関を受診し、CT、MRI検査も繰り返し受けましたが異常はありませんでした。再生医療を検討していましたが、当院の治療のことを知り受診されました。

診察時の所見

左膝に圧痛はありませんでした。レントゲンでは異常なく、エコー検査でも明らかな異常所見は認められませんでしたが、膝蓋下脂肪体のエコー輝度が低く慢性炎症を反映している可能性が考えられました。決定的な所見は認められなかったものの、症状の成因および性状からは外傷後遺症としての膝蓋下脂肪体炎が疑われました。外傷後遺症の多くにモヤモヤ血管は関わっています。ご相談の結果、微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)を受けていただきました。

治療の所見

膝蓋下脂肪体に分布する主要な血管である外側下膝動脈の血管造影において、モヤモヤ血管(病的新生血管)が濃染像として描出されました。まさに、膝蓋下脂肪体に一致して認められました。治療後は画像上速やかに消失しました。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

治療後3日くらいから改善し、2週後の再診時点では9割方の痛みが改善していました。こんなに良くなるとは思わなかったと驚かれました。今後ランニングも再開していく予定です。

膝蓋下脂肪体炎の詳しい病状説明はこちら

 
 

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