歩き始めや運動時にアキレス腱が痛い…それはアキレス腱炎かもしれません

「朝起きて最初の一歩が痛い」
「ランニング中にアキレス腱が痛くなる」
「かかとの少し上を押すと痛い」
「運動後もアキレス腱の痛みが残る」
このような症状がある場合、アキレス腱炎の可能性があります。

アキレス腱炎は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐアキレス腱に炎症や変性が生じる疾患です。
ランナーやスポーツ選手に多くみられますが、最近では運動不足の方が急に運動を始めたことをきっかけに発症するケースも少なくありません。

初期の段階で適切な治療を行えば改善が期待できますが、痛みを我慢して運動を続けることで慢性化し、アキレス腱断裂のリスクが高まることもあります。

アキレス腱とは?

アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉である

  • 腓腹筋(ひふくきん)
  • ヒラメ筋

とかかとの骨(踵骨)をつなぐ人体最大かつ最も強い腱です。

歩く、走る、ジャンプする、つま先立ちをするといった動作の際に大きな力を伝える役割を担っています。
そのため、繰り返し負荷が加わることで炎症や変性が起こりやすい部位でもあります。

アキレス腱炎とは?

アキレス腱炎とは、アキレス腱やその周囲組織に炎症が起こり、痛みや腫れが生じる状態です。

実際には、

  • アキレス腱炎
  • アキレス腱周囲炎
  • アキレス腱症
  • アキレス腱付着部炎

などが含まれることがあります。

初期は炎症が中心ですが、長期間続くと腱そのものが変性し、治りにくい慢性痛へ移行することがあります。

アキレス腱炎の症状

朝の一歩目が痛い

アキレス腱炎で非常によくみられる症状です。
朝起きて歩き始めたときや、長時間座った後の歩き始めで強い痛みが出ることがあります。

運動中や運動後に痛い

  • ランニング
  • ジョギング
  • サッカー
  • テニス
  • バスケットボール

などで痛みが強くなります。

アキレス腱を押すと痛い

アキレス腱をつまんだり押したりすると強い痛みを感じます。

腫れや熱感がある

炎症が強い場合、

  • 腫れ
  • 熱感
  • 肥厚

がみられることがあります。

つま先立ちで痛い

アキレス腱に負荷がかかるため、つま先立ちやジャンプで痛みが強くなることがあります。

アキレス腱炎の原因

オーバーユース(使い過ぎ)

最も多い原因です。
運動量や走行距離が急激に増えた際に発症しやすくなります。

ランニングやジャンプの繰り返し

アキレス腱には歩行時でも体重の数倍、スポーツ時にはさらに大きな負荷がかかります。

ふくらはぎの柔軟性低下

筋肉が硬くなることでアキレス腱へのストレスが増加します。

扁平足や足のアライメント異常

足の形状によってアキレス腱への負担が増加することがあります。

シューズの問題

  • サイズが合わない
  • クッション性が低い
  • 靴底が摩耗している

といったシューズも発症要因となります。

アキレス腱炎になりやすいスポーツ

  • マラソン
  • 陸上競技
  • サッカー
  • バスケットボール
  • テニス
  • バレーボール
  • バドミントン

など、走る・跳ぶ動作を繰り返す競技で多くみられます。

アキレス腱断裂との違い

アキレス腱炎とアキレス腱断裂は全く異なる病態です。

アキレス腱炎

  • 徐々に痛くなる
  • 運動時痛が中心
  • 歩行できることが多い

アキレス腱断裂

  • 突然発症する
  • 「後ろから蹴られたような痛み」
  • つま先立ちができない

という特徴があります。

アキレス腱炎を放置するとどうなる?

痛みを我慢して運動を続けると、

  • 慢性化
  • 腱の変性
  • パフォーマンス低下
  • アキレス腱断裂

につながる可能性があります。
特に慢性化すると治療期間が長引く傾向があります。

アキレス腱炎の検査

問診・診察

痛みの場所や運動歴を確認します。

圧痛の確認

アキレス腱の圧痛や肥厚の有無を確認します。

超音波検査(エコー)

アキレス腱の炎症や肥厚を評価できます。

MRI検査

腱の損傷や変性の程度を詳しく確認できます。

アキレス腱炎の治療

スポーツ活動の調整

まずはアキレス腱への負担を減らすことが重要です。

ストレッチ

ふくらはぎの柔軟性改善を行います。

リハビリテーション

筋力強化やフォーム改善を行います。

薬物療法

  • 消炎鎮痛薬
  • 湿布
  • 痛み止め

などを使用します。

注射治療

症状によって検討されますが、アキレス腱周囲へのステロイド注射は腱断裂リスクの観点から慎重な判断が必要です。

手術

保存療法で改善しない場合には手術が検討されることがあります。

長引くアキレス腱の痛みとモヤモヤ血管の関係

アキレス腱炎の患者さんの中には、十分な休養やリハビリを行っても痛みが長期間続く方がいます。
近年、そのような慢性的な痛みの背景に「モヤモヤ血管」と呼ばれる異常な毛細血管が関与していることがわかってきました。

本来、血管は傷ついた組織を修復するために作られます。
しかしアキレス腱への微細な損傷が繰り返されることで、必要以上に新しい血管が増殖してしまいます。

さらに、その周囲には痛みを感じる神経も増えるため、

  • 休んでも痛い
  • リハビリを続けても改善しない
  • ランニング再開で再発する
  • 数か月以上痛みが続く

といった慢性的な症状につながることがあります。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

運動器カテーテル治療という新しい選択肢

近年、慢性的なアキレス腱炎に対する治療として「運動器カテーテル治療」が注目されています。

運動器カテーテル治療は、痛みの原因となるモヤモヤ血管に対してカテーテルを用いて治療を行う方法です。
足の血管から細いカテーテルを挿入し、アキレス腱周囲の異常血管へアプローチすることで、慢性的な炎症や痛みの改善を目指します。

特に、

  • アキレス腱炎がなかなか治らない
  • リハビリで改善しない
  • スポーツ復帰を目指している
  • 手術は避けたい

という方にとって、新たな治療選択肢となる可能性があります。

このような症状があればご相談ください

  • 朝の一歩目が痛い
  • ランニングでアキレス腱が痛い
  • アキレス腱を押すと痛い
  • 運動後も痛みが残る
  • アキレス腱炎と診断された
  • リハビリで改善しない
  • スポーツ復帰を目指している
  • 手術以外の治療法を探している

アキレス腱炎は早期の適切な治療が重要です。

なごやEVTクリニックでは、慢性的なアキレス腱炎に対する運動器カテーテル治療を行っています。
アキレス腱の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

Q&A

Q1. アキレス腱炎とは何ですか?

アキレス腱炎は、アキレス腱に炎症が生じることで痛みや腫れが発生する状態です。ランニングやジャンプなどの運動が原因で、過度な使用によって引き起こされることが多いです。

Q2. 主な症状は何ですか?

主な症状には、アキレス腱周辺の痛みや腫れ、歩行時や運動時に感じる不快感、腱の硬直感があります。特に朝起きたときや運動後に痛みが強くなることがよくあります。

Q3. どのように診断されますか?

医師による問診や触診、場合によっては超音波やMRIなどの画像検査を用いて診断されます。アキレス腱の状態や炎症の程度を確認します。

Q4. 治療にはどのような方法がありますか?

治療には、まず安静にし、炎症を抑えるためにアイシングや消炎鎮痛薬の使用が推奨されます。さらに、ストレッチや理学療法でアキレス腱の柔軟性を改善することも重要です。

Q5. 痛みを和らげるためのセルフケア方法はありますか?

セルフケアとしては、アキレス腱を冷やすアイシングや、無理な運動を避けることが有効です。また、柔軟性を高めるための軽いストレッチも効果的です。

Q6. 予防するためにはどのようなエクササイズが効果的ですか?

予防には、ふくらはぎやアキレス腱の筋肉を強化するエクササイズが効果的です。特にストレッチやヒールドロップエクササイズが、腱の柔軟性を高めて負担を軽減します。

Q7. 悪化する前に医師に相談すべき症状は何ですか?

痛みが続く、腫れがひどくなる、アキレス腱に強い圧痛がある場合は、早めに医師に相談することが重要です。早期診断と治療が回復を促進します。

Q8. 治療には手術が必要ですか?

軽度のアキレス腱炎では手術は必要ありませんが、重度の場合や保存的治療が効果を示さない場合には、手術が検討されることがあります。

Q9. 再発を防ぐためにはどのようなトレーニングが有効ですか?

アキレス腱の柔軟性を高めるストレッチや、ふくらはぎの筋力を強化するエクササイズが再発防止に効果的です。適切なウォームアップとクールダウンも重要です。

Q10. リハビリにはどのようなプログラムが効果的ですか?

リハビリには、アキレス腱とふくらはぎの柔軟性を改善するストレッチや、筋力を強化するエクササイズが含まれます。

アキレス腱炎にはモヤモヤ血管は関係していますか?

関係しています。古くは、エコーで確認できる異常血流信号に対して血管硬化療法を行うことで症状が改善したことなどが報告されてきました。最近はカテーテルを用いて血管の中から病的新生血管(モヤモヤ血管)に対して直接一時塞栓物質を投与することでより強力な症状改善がえられることがわかってきました。

アキレス腱付着部症も運動器カテーテル治療の適応になりますか?

適応となります。部位にかかわらず、血管の分布に沿って広く治療できるのが運動器カテーテル治療の強みです。

アキレス腱炎の実例紹介

モヤモヤ血管

 

 
 
 

肩・腕・肘・手

 

 

腰臀部股関節

 

 
 

 
 

その他