アキレス腱炎でお悩みの方へ

アキレス腱炎は、アキレス腱が炎症を起こし、痛みや腫れを引き起こす状態です。特に運動選手や中高年の方に多く見られ、日常生活やスポーツ活動に大きな影響を及ぼします。

アキレス腱炎とは?

アキレス腱炎は、足首の後ろにあるアキレス腱が炎症を起こすことで生じる状態です。アキレス腱はふくらはぎの筋肉をかかとにつなぐ重要な腱であり、歩行やランニングなどの動作に欠かせません。炎症が進行すると、腱が損傷しやすくなり、痛みや運動制限が生じます。

原因と症状

主な原因は以下の通りです

  • 過度の使用:ランニングやジャンプなど、アキレス腱に過度の負担がかかる運動が原因となります。
  • 不適切な運動フォーム:運動時の不適切なフォームがアキレス腱に負担をかけることがあります。
  • 硬い地面での運動:硬い地面での運動やトレーニングが、アキレス腱に大きな衝撃を与えることがあります。
  • 不適切な靴の使用:サポートのない靴や古い靴を履いて運動することで、アキレス腱に過度の負担がかかります。
  • 年齢:年齢とともにアキレス腱の弾力性が低下し、炎症を起こしやすくなります。

主な症状は以下の通りです

  • アキレス腱の痛み:特に運動中や運動後に痛みが強くなります。
  • 腫れと炎症:アキレス腱が腫れ、炎症を起こすことがあります。
  • アキレス腱の圧痛:アキレス腱を押すと痛みを感じることがあります。
  • 可動域の制限:アキレス腱が硬くなり、動かすのが難しくなることがあります。
  • 歩行困難:痛みや硬直により、正常な歩行が難しくなることがあります。

モヤモヤ血管と運動器カテーテル治療

近年注目されている治療法として、運動器カテーテル治療があります。この方法は、痛みを長引かせている微細な病的新生血管、通称「モヤモヤ血管」に直接アプローチすることで症状を改善します。モヤモヤ血管が発生するとなぜ痛みが生じるのかについてご説明します。損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより炎症が起きている部位には、その修復の過程で血管が増えます。痛みの原因部位にできてしまう異常な血管が、血管造影画像では、かすんでぼやけて見えるため、この新生血管をわかりやすいように“モヤモヤ血管”と呼んでいます。モヤモヤ血管は通常、出来ては消え、出来ては消え、ということを繰り返していますが、何らかの原因で消えなくなった病的新生血管のそばには病的な神経も増殖していることが分かっています。これらが痛み信号を発するほか、病的血流が増えることで局所の組織圧が高まることなどにより、五十肩や腰痛、膝の痛みなどの長引く痛みが引き起こされると考えられています。一般に、40歳以上になるとモヤモヤ血管を自然に減らす力が衰えてくるため、長引く痛みが生じやすくなります。微細な血管は通常の治療ではアクセスが難しい部位に存在します。運動器カテーテル治療では、これらの血管にカテーテルを用いて薬剤を直接注入し、炎症を抑えます。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は、この治療法を検討されるとよいでしょう。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

運動器カテーテル治療のメリット

  • 有効性:薬剤を内側から直接患部に届けるため、高い有効性が期待できます。
  • 即効性:夜間痛・強い安静時痛については早期から改善します。
  • 安全性:ステロイドのような副作用がなく、長期的な使用が可能です。血管から作用させるのみであり、組織を傷つける心配がありません。
  • 低侵襲:負担の少ない治療であり、当日から治療後の特別な制限は不要です(日帰り手術)。小児~高齢者まで幅広く気軽に受けていただけます。
  • 効果の持続:治療効果が長期間持続するため、再発のリスクが低減されます。

予防とセルフケア

アキレス腱炎を予防するためには、日常生活での注意が必要です。以下のポイントを参考にしてください

    • 適切なウォームアップ:運動前にしっかりとウォームアップを行い、筋肉や関節を柔軟に保ちましょう。
    • 正しいフォーム:運動や日常生活で正しいフォームを維持することが重要です。
    • 筋力トレーニング:ふくらはぎや足の筋力をバランスよく鍛えましょう。
    • 適切な装備:サポートのある靴やインソールを使用し、足を保護しましょう。
    • 休息:アキレス腱に違和感を感じたら、適度に休息を取ることが大切です。

Q&A

Q: アキレス腱炎はどのように予防できますか?
A: アキレス腱炎を予防するためには、適切なウォーミングアップやストレッチを行い、過度な負荷や急激な運動量の増加を避けることが重要です。

Q: アキレス腱炎はどのように診断されますか?
A: アキレス腱炎の診断には、医師が症状や身体的な評価を基に行います。さらに、画像検査(MRIなど)を使用することもあります。

Q: アキレス腱炎が治った後でも再発する可能性はありますか?
A: はい、アキレス腱炎は適切な治療やリハビリ後でも再発する可能性があります。予防策や適切なケアを継続することが重要です。

Q: アキレス腱炎とランナーの関係はありますか?
A: アキレス腱炎はランナーの間で比較的一般的な障害です。ランニングやジャンプのようなスポーツ活動でアキレス腱への負担がかかるため、発症しやすいです。

Q: アキレス腱炎は自然治癒することはありますか?
A: 軽度のアキレス腱炎の場合、適切な自己管理と休息によって症状が改善することがあります。ただし、症状が悪化する場合は専門医の診察が必要です。

Q: アキレス腱炎の痛みを軽減するためにできることはありますか?
A: アキレス腱炎の痛みを軽減するためには、安静や氷による冷却、適切なストレッチ、テーピングなどが効果的です。ただし、個別の症状に合わせたアプローチが必要です。

Q: アキレス腱炎の治療において手術は必要ですか?
A: アキレス腱炎のほとんどのケースでは手術は必要ありません。保守的な治療法(リハビリ、装具、薬物療法など)で改善することが期待されます。

Q: アキレス腱炎の治療期間はどのくらいですか?
A: アキレス腱炎の治療期間は個人差がありますが、軽度の場合であれば数週間から数ヶ月程度が一般的です。重度の場合や合併症がある場合は長期間の治療が必要となることもあります。

Q: アキレス腱炎の痛みを我慢して運動を続けても大丈夫ですか?
A: アキレス腱炎の痛みを我慢して運動を続けることは推奨されません。運動を続けることで症状が悪化し、治療や回復に時間がかかる可能性があります。

Q: アキレス腱炎のリハビリにどのような演習が含まれますか?
A: アキレス腱炎のリハビリには、筋力トレーニング、柔軟性向上のためのストレッチ、バランスや姿勢の改善などが含まれる場合があります。リハビリプログラムは個別にカスタマイズされることが一般的です。

アキレス腱炎にはモヤモヤ血管は関係していますか?

関係しています。古くは、エコーで確認できる異常血流信号に対して血管硬化療法を行うことで症状が改善したことなどが報告されてきました。最近はカテーテルを用いて血管の中から病的新生血管(モヤモヤ血管)に対して直接一時塞栓物質を投与することでより強力な症状改善がえられることがわかってきました。

アキレス腱付着部症も運動器カテーテル治療の適応になりますか?

適応となります。部位にかかわらず、血管の分布に沿って広く治療できるのが運動器カテーテル治療の強みです。

アキレス腱炎の実例紹介

 
 

モヤモヤ血管

 

 
 
 

肩・腕・肘・手

 

 

腰臀部股関節

 

 
 

 
 

その他