石灰沈着性腱板炎

石灰沈着性腱板炎は、肩の痛みを引き起こす一つの原因となる疾患です。この疾患は、肩関節周囲の腱板に、石灰化した沈着物が蓄積することによって発生します。この石灰化した沈着物は、肩関節周囲の腱板の組織に対して炎症を引き起こし、痛みや機能障害を引き起こすことがあります。

糖尿病、甲状腺疾患、関節リウマチ、高血圧などの持病がある場合にも、発症する可能性が高くなるとされています。また、運動不足や肩の過度な使用なども、石灰沈着性腱板炎の発症に関与していると考えられています。

石灰沈着性腱板炎の症状は、肩の痛み、可動域制限、肩関節の強い圧痛などが挙げられます。また、痛みの発生には、肩を動かすことが関与しており、肩を動かすたびに痛みが増すことがあります。症状が進行すると、痛みや可動域制限が重度になる場合があります。

石灰沈着性腱板炎の診断には、レントゲン検査や超音波検査が用いられます。これらの検査により、石灰化した沈着物が腱板に存在することが確認されます。また、炎症の程度や、石灰化した沈着物の量なども評価されます。

石灰沈着性腱板炎の治療には、まずは痛みの軽減が行われます。このために、痛み止めや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が用いられます。また、炎症が強い場合には、ステロイド注射が行われることもあります。これらの治療により、症状の改善が期待できます。

一方、石灰沈着物が大きく、症状が重度である場合には、手術が必要となる場合があります。手術には、石灰沈着物を摘出する手術や、腱板の修復を行う手術などがあります。手術により、痛みの軽減や機能の回復が期待できますが、手術後のリハビリテーションが必要となる場合があります。

石灰沈着性腱板炎の予防には、運動やストレッチなどの筋力トレーニングが有効とされています。特に、肩周りの筋肉を強化することで、肩関節の負担を軽減することができます。また、肩を使う作業を行う場合や肩の疲れや痛みを感じた場合には、休憩を取ることが重要です。

石灰沈着性腱板炎は、肩の痛みを引き起こす原因の一つです。症状の軽減や機能の回復には、適切な治療が必要です。また、予防には、筋肉を強化することや、肩の負担を軽減することが有効です。症状が続く場合には、専門の医師に相談することをおすすめします。

Q&A

Q.石灰沈着性腱板炎は運動しない人にも起こりますか?
運動しない人でも石灰沈着性腱板炎になることがあります。石灰沈着は、腱板の老化や損傷が原因で発生することがあります。

Q.石灰沈着性腱板炎と五十肩は関係がありますか?
はい、石灰沈着性腱板炎は五十肩と関係があります。五十肩は肩の痛みと運動制限を引き起こす疾患で、石灰沈着性腱板炎はその原因の1つとされています。

Q.石灰沈着性腱板炎はどのような治療が効果的ですか?
石灰沈着性腱板炎の治療には、痛みの軽減と石灰沈着の吸収を促すためのリハビリ、炎症を抑えるための非ステロイド性抗炎症薬、石灰沈着を除去するための手術などがあります。

Q.石灰沈着性腱板炎は再発することがありますか?
はい、石灰沈着性腱板炎は再発することがあります。再発を防ぐためには、予防的なリハビリや運動療法、炎症を抑えるための対処などが必要です。

Q.石灰沈着性腱板炎はストレスや心理的要因によって引き起こされることがありますか?
石灰沈着性腱板炎は、ストレスや心理的要因によって引き起こされることはありません。しかし、ストレスや心理的な負荷があると、治療の効果に影響する可能性があります。

Q.石灰沈着性腱板炎を放置するとどうなりますか?
石灰沈着性腱板炎を放置すると、痛みや運動制限が悪化することがあります。また、石灰沈着が進行すると、手術が必要になる場合があります。

Q.石灰沈着性腱板炎は年齢によって発症しやすいですか?
石灰沈着性腱板炎は、年齢に関係なく発症する可能性があります。ただし、年齢が上がると発症しやすくなる傾向があります。

Q.石灰沈着性腱板炎は他の病気と関連していますか?
石灰沈着性腱板炎は他の病気と直接的に関連しているわけではありませんが、糖尿病や甲状腺疾患など、いくつかの病気と関連があることが報告されています。

Q.石灰沈着性腱板炎の診断にはどのような検査が行われますか?
石灰沈着性腱板炎の診断には、症状や身体診察の結果に基づいて行われることが一般的です。必要に応じて、レントゲン、超音波検査、MRIなどの画像検査が行われる場合もあります。

Q.石灰沈着性腱板炎の予防方法はありますか?
石灰沈着性腱板炎の予防には、適切な運動やストレッチ、適度な負荷などを考慮したトレーニングが重要です。また、急激な運動の変化や過度な負荷を避けることも予防に役立ちます。

石灰沈着性腱板炎を早く治すにはどうしたらいいですか?

上記とは別に、近年注目されている運動器カテーテル治療という方法があります。痛みを長引かせている微細な病的新生血管(いわゆるモヤモヤ血管)に直接アプローチする方法です。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は検討されるとよいでしょう。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

石灰沈着性腱板炎の実例紹介

モヤモヤ血管

 

顔・首

 
 
 

肩・腕・肘・手

 

 

腰臀部股関節

 

 
 

 
 

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