改善しない片頭痛に動脈注射治療という新しい選択肢があります
「市販薬を飲んでも頭痛を繰り返してしまう」「トリプタンや予防薬を使っているのに十分改善しない」「頭痛のたびに仕事や家事を休まなければならない」――そのようなお悩みはありませんか。片頭痛は、日本では約840万人が悩んでいるとされる身近な病気です。しかし、薬物療法だけでは十分な効果が得られず、頭痛によって日常生活の質(QOL)が大きく低下している方も少なくありません。なごやEVTクリニックでは、血管内治療(EVT)の技術を応用した「動脈注射治療」を行っています。これは、浅側頭動脈(STA:Superficial Temporal Artery)や後頭動脈(OCA:Occipital Artery)から薬液を投与し、炎症性血管新生(モヤモヤ血管)を標的とする微細動脈塞栓術の一種です。片頭痛では、頭皮の血管やその周囲の神経に炎症や異常な血管反応が生じることで痛みが起こると考えられています。STA動注は、その原因となる部位へ直接アプローチし、血管周囲の炎症を抑えることで症状の改善を目指す新しい治療法です。
動脈注射治療はこのような方におすすめです
- 市販薬が効かなくなってきた
- トリプタン製剤を使っても改善しない
- CGRP関連薬を使用しても十分な効果が得られない
- 頭痛で仕事や学校を休むことが多い
- 吐き気や光・音に敏感になる症状もつらい
- 薬を増やしたくない
- 新しい治療法について相談したい
薬物療法を続けながら受けられる場合もあり、患者さん一人ひとりの症状に合わせて治療をご提案します。
血管内治療を専門とする医師だからできる治療
動脈注射治療は、単なる注射ではありません。浅側頭動脈の走行を正確に把握し、適切な部位へ薬剤を届けるためには、血管の構造を熟知した専門的な知識と技術が必要です。なごやEVTクリニックでは、血管内治療を専門とする医師が診察から治療まで一貫して担当し、安全性に十分配慮しながら治療を行っています。
治療時間は約1~2分。外来で受けられます
動脈注射治療は、極細の針を使用して浅側頭動脈へ薬剤を投与する外来治療です。治療時間は約1~2分程度で、入院の必要はありません。頭痛の部位に応じて、左右どちらか一方、または両側へ治療を行います。また、後頭部の症状が強い場合には、後頭動脈(OA)への治療を組み合わせることもあります。
まずはお気軽にご相談ください
片頭痛にはさまざまなタイプがあり、すべての患者さんが動脈注射治療の適応となるわけではありません。そのため、なごやEVTクリニックでは、まず現在の症状やこれまでの治療歴を詳しく伺い、動脈注射治療が適しているかどうかを丁寧に診察したうえで治療をご提案しています。
「薬だけでは改善しない片頭痛に悩んでいる」
「新しい治療法について詳しく知りたい」
そのような方は、ぜひ一度なごやEVTクリニックまでご相談ください。
片頭痛とは
片頭痛とは、頭の片側または両側にズキズキと脈打つような痛みが繰り返し起こる病気です。頭痛だけでなく、吐き気や嘔吐、光や音に敏感になるなどの症状を伴うことが多く、日常生活や仕事、学業に大きな影響を及ぼすことがあります。
以前は「脳の血管が拡張することで起こる頭痛」と考えられていましたが、現在では三叉神経や脳内の神経伝達物質が関与する神経学的な病気であることが分かっています。特にCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が発作に深く関係しており、この物質を標的とした新しい治療薬も登場しています。
片頭痛は一度発症すると繰り返し起こることが多く、発作のない時期は普段どおり生活できる一方で、発作が起こると数時間から72時間程度続くことがあります。痛みの程度には個人差がありますが、家事や仕事ができなくなるほど強い痛みとなる方も少なくありません。
また、頭痛が始まる前に「前兆(オーラ)」と呼ばれる症状が現れる方もいます。ギザギザした光が見える、視野の一部が欠ける、手足がしびれる、言葉が出にくくなるなどの症状が数分から60分程度続き、その後に頭痛が始まることがあります。
片頭痛は決して珍しい病気ではなく、日本でも多くの方が悩まされています。特に20〜40歳代の働き盛りの世代に多く、女性では男性よりも発症しやすいことが知られています。これは女性ホルモン(エストロゲン)の変動が影響しているためと考えられており、月経や更年期、妊娠などによって症状が変化することもあります。
「頭痛くらい」と我慢してしまう方も少なくありませんが、適切な診断と治療を受けることで頭痛の回数や重症度を軽減できる可能性があります。現在では急性期治療薬だけでなく予防薬やCGRP関連薬など治療の選択肢も増えており、多くの患者さんで生活の質(QOL)の改善が期待できます。
片頭痛の症状
片頭痛の症状は人によって異なりますが、ズキズキと脈打つような頭痛に加え、さまざまな症状を伴うことが特徴です。
ズキズキと脈打つ頭痛
片頭痛では、脈拍に合わせるようなズキズキした痛みが特徴です。頭の片側だけに起こることが多いものの、両側に痛みを感じる方もいます。歩行や階段の昇り降りなど、体を動かすことで痛みが強くなることも少なくありません。
吐き気・嘔吐
頭痛とともに吐き気や嘔吐を伴うことがあります。食事ができなくなるほど症状が強くなる場合もあり、脱水を引き起こすこともあります。
光や音に敏感になる
片頭痛発作中は、普段は気にならない光や音が強い刺激として感じられることがあります。
- 太陽光や蛍光灯がまぶしい
- テレビやスマートフォンの画面を見るのがつらい
- 会話や生活音が苦痛に感じる
このため、多くの方は暗く静かな部屋で横になることで症状が和らぎます。
前兆(オーラ)
患者さんの一部では、頭痛が始まる前に前兆が現れます。代表的な症状には、
- ギザギザした光が見える
- 視野の一部が欠ける
- 手足のしびれ
- 言葉が出にくい
などがあります。前兆は通常60分以内に改善し、その後に頭痛が始まることがほとんどです。
頭痛はどれくらい続く?
片頭痛は4〜72時間程度続くことが一般的です。短時間で改善する方もいれば、数日間続く方もいます。また、発作の頻度も個人差が大きく、年に数回しか起こらない方もいれば、月に何度も発作を繰り返す方もいます。
日常生活への影響
片頭痛は単なる頭痛ではなく、仕事や家事、学業など日常生活に大きな影響を与える病気です。
- 仕事や学校を休まなければならない
- 集中力が低下する
- 家事や育児が難しくなる
- 趣味や外出を楽しめなくなる
など、生活の質(QOL)を低下させる原因となります。
片頭痛の原因
現在では、片頭痛は脳の神経が過敏になることで起こる神経学的な病気と考えられています。発症には遺伝的な体質に加え、さまざまな誘因が重なることが関係しています。
三叉神経とCGRP
片頭痛では、三叉神経が刺激されることでCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が放出されます。CGRPは痛みを伝える働きを強め、炎症反応を引き起こすことで片頭痛発作に深く関与しています。近年では、このCGRPやその受容体を標的とした新しい治療薬が登場し、多くの患者さんで頭痛日数の減少が期待されています。
遺伝的な体質
片頭痛には遺伝的な要因があることが知られています。家族に片頭痛の方がいる場合は発症しやすい傾向がありますが、遺伝だけで決まる病気ではありません。生活習慣やストレスなどの環境要因も大きく影響します。
女性ホルモンの変化
女性では月経や更年期、妊娠など女性ホルモン(エストロゲン)の変動によって片頭痛が起こりやすくなることがあります。特に月経前後に毎月頭痛が起こる「月経関連片頭痛」は比較的多くみられます。
ストレス
精神的・身体的ストレスは代表的な誘因の一つです。また、強いストレスだけではなく、仕事が終わった後や休日など、緊張から解放されたタイミングで発作が起こる「週末片頭痛」がみられることもあります。
天気・気圧の変化
低気圧や台風、季節の変わり目などで片頭痛が起こりやすくなる方も少なくありません。影響には個人差がありますが、頭痛日記をつけることで自分の誘因を把握しやすくなります。
睡眠不足・寝過ぎ
睡眠不足だけでなく、寝過ぎや生活リズムの乱れも片頭痛の誘因になります。平日と休日で起床時間が大きく異なる生活を続けると、発作が起こりやすくなることがあります。
食事・脱水
次のような生活習慣も片頭痛を誘発することがあります。
- 朝食を抜く
- 長時間空腹で過ごす
- 水分不足
- アルコールの摂取
- カフェインの摂り過ぎや急な中止
誘因は患者さんごとに異なるため、頭痛日記を活用しながら自分のパターンを把握することが大切です。
スマートフォンやパソコンの長時間使用
長時間の画面作業は眼精疲労や首・肩の筋緊張、睡眠不足などを引き起こし、片頭痛発作の誘因となることがあります。デジタル機器を完全に避けることは現実的ではありませんが、適度な休憩や姿勢の改善、画面の明るさ調整などを心掛けることで負担を軽減できる場合があります。
片頭痛の検査
片頭痛は、MRIやCTだけで診断できる病気ではありません。最も重要なのは、頭痛の特徴や症状の経過を詳しく確認する問診と神経学的診察です。頭痛には片頭痛以外にも、緊張型頭痛や群発頭痛、くも膜下出血、脳腫瘍、脳卒中、髄膜炎などさまざまな原因があります。そのため、まずは危険な病気が隠れていないかを確認したうえで、片頭痛であるかを総合的に判断します。
問診・神経学的診察
診察では、次のような内容を詳しく確認します。
- 頭痛が始まった時期
- 痛みが起こる頻度
- 痛みが続く時間
- 痛みの部位や性質
- 吐き気や光・音への過敏の有無
- 前兆(オーラ)の有無
- 月経や睡眠、ストレスなどとの関係
- 市販薬や処方薬の使用状況
- 家族に片頭痛の方がいるか
また、手足の麻痺や感覚障害、視野障害など神経学的異常がないかも確認します。
MRI・CT検査
典型的な片頭痛では、MRIやCTで異常が認められないことがほとんどです。画像検査は片頭痛そのものを診断するためではなく、くも膜下出血や脳卒中、脳腫瘍など命に関わる病気を除外するために行います。次のような場合にはMRIやCTなどの画像検査を検討します。
- 初めて経験する激しい頭痛
- これまでとは異なる頭痛
- 徐々に悪化する頭痛
- 手足の麻痺やしびれが続く
- ろれつが回らない
- 意識障害やけいれんを伴う
- 50歳以降に初めて起こった頭痛
- 発熱や項部硬直を伴う頭痛
このような症状がある場合は、片頭痛ではなく緊急性の高い病気の可能性もあるため、速やかな受診が必要です。
頭痛日記も診断に役立ちます
頭痛日記をつけることで、頭痛の頻度や持続時間、誘因、薬の使用状況などを把握しやすくなります。特に、
- 月経との関係
- 気圧や天候
- 睡眠時間
- ストレス
- 食事
- 飲酒
- カフェイン摂取
なども記録すると、ご自身の片頭痛の特徴が分かりやすくなり、治療方針を決めるうえでも役立ちます。
片頭痛の治療
片頭痛の治療では、「今起こっている頭痛を改善する治療」と「頭痛を起こりにくくする予防治療」の2つを組み合わせて行います。患者さんによって頭痛の頻度や生活への影響は異なるため、一人ひとりに合わせた治療を選択することが重要です。
急性期治療
片頭痛発作が始まったら、できるだけ早い段階で治療薬を使用することが大切です。痛みを我慢して強くなってから服用すると、十分な効果が得られないことがあります。急性期治療では、
- アセトアミノフェン
- NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
- トリプタン製剤
- ラスミジタン
などが使用されます。発作中は暗く静かな場所で安静にし、水分補給を行うことも症状の改善につながります。
予防療法
頭痛が月に何度も起こる方や、仕事や学校、家事に支障が出ている方では予防療法を行います。従来から使用されている予防薬には、
- β遮断薬
- 抗てんかん薬
- カルシウム拮抗薬
- 抗うつ薬
などがあります。さらに近年では、片頭痛の発症に深く関わるCGRPを標的とした新しい治療薬(CGRP関連薬)が登場し、頭痛日数の減少や生活の質の改善が期待できるようになりました。また、患者さんによっては漢方薬が有効な場合もあります。
生活習慣の改善
薬物療法だけでなく、生活習慣を整えることも片頭痛治療では重要です。
- 規則正しい睡眠
- 朝食を抜かない
- 十分な水分補給
- 適度な有酸素運動
- ストレスの軽減
- 飲酒やカフェインの摂り過ぎを避ける
これらを心掛けることで、片頭痛の発作を減らせる可能性があります。
頭痛を我慢し続けないことが大切です
「頭痛くらい」と我慢を続けたり、市販薬だけに頼り続けたりすると、慢性片頭痛や薬剤使用過多による頭痛(MOH)へ移行することがあります。頭痛の頻度が増えてきた場合や、市販薬を飲む回数が増えてきた場合には、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。
Q&A
Q1. 片頭痛とはどのような病気ですか?
片頭痛とは、頭の片側または両側にズキズキと脈打つような痛みが繰り返し起こる病気です。頭痛だけでなく、吐き気や嘔吐、光や音に敏感になるなどの症状を伴うことが多く、日常生活に大きな影響を及ぼします。以前は血管の拡張が原因と考えられていましたが、現在では三叉神経やCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)などが関与する神経学的な病気であることが分かっています。適切な治療を行うことで、頭痛の回数や重症度を軽減し、生活の質(QOL)の改善が期待できます。
Q2. 片頭痛の原因は何ですか?
片頭痛は一つの原因だけで起こる病気ではありません。遺伝的な体質に加え、
- ストレス
- 睡眠不足や寝過ぎ
- 月経など女性ホルモンの変化
- 気圧や天候の変化
- 空腹や脱水
- アルコール
- カフェインの摂り過ぎや急な中止
など、さまざまな誘因が重なることで発作が起こると考えられています。また、三叉神経から放出されるCGRPという物質が痛みを引き起こす重要な役割を担っており、現在ではCGRPを標的とした新しい治療薬も使用されています。
Q3. 片頭痛にはどのような症状がありますか?
片頭痛では、ズキズキと脈打つような頭痛が代表的な症状です。これに加えて、
- 吐き気・嘔吐
- 光がまぶしく感じる
- 音がうるさく感じる
- においに敏感になる
- 体を動かすと痛みが強くなる
などの症状を伴うことがあります。頭痛は4~72時間程度続くことが多く、仕事や家事、学業に支障をきたすことも少なくありません。
Q4. 前兆(オーラ)とは何ですか?
片頭痛患者さんの一部では、頭痛が始まる前に「前兆(オーラ)」が現れます。代表的な症状には、
- ギザギザした光が見える
- 視野の一部が欠ける
- 手足がしびれる
- 言葉が出にくくなる
などがあります。前兆は通常5~60分程度で改善し、その後に頭痛が始まることが一般的です。前兆があるからといって必ず重症というわけではありませんが、初めて経験する症状や長時間続く症状では、脳卒中など他の病気との区別が必要になることがあります。
Q5. 片頭痛と緊張型頭痛の違いは何ですか?
片頭痛と緊張型頭痛は原因も症状も異なります。片頭痛では、
- ズキズキと脈打つ痛み
- 吐き気
- 光や音への過敏
- 動くと悪化する
ことが特徴です。一方、緊張型頭痛では、
- 頭全体が締め付けられるような痛み
- 首や肩のこり
- 体を動かしても悪化しにくい
という特徴があります。両方の頭痛を併せ持つ方も少なくなく、それぞれに適した治療を行うことが重要です。
Q6. 片頭痛はどのくらい続きますか?
一般的な片頭痛発作は4~72時間程度続きます。数時間で改善する方もいれば、2~3日続く方もいます。また、頭痛が起こる頻度にも個人差があり、年に数回の方もいれば、月に何度も発作を繰り返す方もいます。頭痛が月に何度も起こる場合や、市販薬を頻繁に使用している場合は、予防療法を検討した方がよいことがあります。
Q7. 片頭痛はどのような人に多いですか?
片頭痛は20~40歳代の働き盛りの世代に多くみられます。また、女性は男性より発症しやすいことが知られており、これは女性ホルモン(エストロゲン)の変動が関係していると考えられています。月経前後や更年期などで症状が変化する方も少なくありません。一方で、小児でも発症することがあり、高齢になっても症状が続く場合があります。
Q8. 片頭痛は遺伝しますか?
片頭痛には遺伝的な体質が関係していることが分かっています。ご家族に片頭痛の方がいる場合は発症しやすい傾向がありますが、必ず遺伝するわけではありません。睡眠不足やストレス、月経、気圧の変化など、さまざまな誘因が重なることで発作が起こると考えられています。遺伝的な体質は変えられませんが、適切な治療や生活習慣の改善によって発作を減らせる可能性があります。
Q9. 片頭痛はストレスが原因になりますか?
ストレスは片頭痛の代表的な誘因の一つです。精神的・身体的ストレスによって脳の痛みを調節する仕組みが影響を受け、片頭痛発作が起こりやすくなります。また、仕事が終わった後や休日など、緊張から解放されたタイミングで発作が起こる「週末片頭痛」もよくみられます。十分な睡眠、適度な運動、規則正しい生活、ストレスとの上手な付き合い方が、片頭痛予防につながることがあります。
Q10. 天気や気圧の変化で片頭痛は悪化しますか?
はい。天気や気圧の変化によって片頭痛が起こりやすくなる方は少なくありません。特に、
- 台風の接近
- 低気圧
- 季節の変わり目
などで頭痛が悪化することがあります。詳しい仕組みは完全には解明されていませんが、気圧変化が自律神経や三叉神経に影響すると考えられています。頭痛日記をつけることで、ご自身の誘因を把握しやすくなります。また、十分な睡眠や水分補給、規則正しい生活を心掛けることも予防につながります。
Q11. 月経(生理)と片頭痛には関係がありますか?
はい。月経(生理)は片頭痛の代表的な誘因の一つです。女性ホルモン(エストロゲン)は月経前後に大きく変動します。このホルモンの変化が三叉神経やCGRPに影響し、片頭痛発作を引き起こすと考えられています。月経開始前後の一定期間に繰り返し起こる片頭痛は「月経関連片頭痛」と呼ばれ、通常の片頭痛より痛みが強く、長引くこともあります。治療では通常の急性期治療薬に加え、月経周期に合わせた短期予防療法や予防薬を使用することがあります。頭痛日記をつけて月経との関係を記録すると、より適切な治療につながります。
Q12. 更年期になると片頭痛はどうなりますか?
更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)の変動によって片頭痛が一時的に悪化する方がいます。一方で、閉経後はホルモンの変動が少なくなるため、発作が軽くなる方も少なくありません。ただし、変化には個人差があり、閉経後も治療が必要な方もいます。更年期症状に対してホルモン補充療法(HRT)を行う場合は、片頭痛への影響も考慮する必要があります。婦人科と連携しながら、一人ひとりに適した治療を選択することが大切です。
Q13. 片頭痛は子どもにも起こりますか?
はい。片頭痛は大人だけでなく、小児にもみられる病気です。子どもの片頭痛では、大人より頭痛の持続時間が短いことや、両側に痛みを感じることが多いなど、少し異なる特徴があります。また、
- 顔色が悪くなる
- 吐き気や嘔吐
- お腹の痛み
- 光や音を嫌がる
といった症状が目立つこともあります。繰り返す頭痛がある場合は「成長痛だから」と自己判断せず、医療機関へ相談することをおすすめします。
Q14. MRIやCTで片頭痛は診断できますか?
MRIやCTだけで片頭痛を診断することはできません。片頭痛の診断で最も重要なのは、頭痛の特徴や経過を詳しく確認する問診と神経学的診察です。MRIやCTは、くも膜下出血や脳卒中、脳腫瘍など危険な病気を除外するために行われます。典型的な片頭痛では画像検査に異常がみられないことがほとんどであり、MRIやCTが正常でも片頭痛と診断されることは珍しくありません。
Q15. 片頭痛は脳卒中や脳腫瘍と関係がありますか?
一般的な片頭痛が脳腫瘍を引き起こすことはありません。また、片頭痛があるからといって必ず脳卒中になるわけではありませんが、一部の片頭痛(前兆を伴う片頭痛)では脳梗塞のリスクがわずかに高くなることが報告されています。ただし、多くの患者さんでは過度に心配する必要はありません。一方で、
- 突然経験したことのない激しい頭痛
- 麻痺
- ろれつが回らない
- 意識障害
- けいれん
などがある場合は、片頭痛ではなく脳卒中など緊急性の高い病気の可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。
Q16. 片頭痛は認知症や脳萎縮の原因になりますか?
現在の医学では、一般的な片頭痛が認知症や脳萎縮を直接引き起こすことを示す明確な証拠はありません。MRIで小さな白質病変(白い点)が見つかることがありますが、多くは認知症や脳萎縮と直接関係するものではありません。発作中は集中力や判断力が低下することがありますが、多くは頭痛が改善すると元に戻ります。十分な睡眠や適度な運動、生活習慣病の予防は、脳の健康だけでなく片頭痛のコントロールにも役立ちます。
Q17. 片頭痛は自然に治りますか?完治しますか?
片頭痛は現在の医学では「完全に治る」と断言できる病気ではありません。しかし、適切な治療や生活習慣の改善により、頭痛の回数や重症度を大きく減らし、日常生活にほとんど支障がない状態を目指すことは十分可能です。女性では閉経後に軽快する方も多く、加齢とともに発作が減る方もいますが、個人差があります。「完治しないなら治療しても意味がない」ということはありません。現在は治療法が大きく進歩しており、多くの患者さんで生活の質(QOL)が改善しています。
Q18. 片頭痛を放置するとどうなりますか?
片頭痛を我慢し続けると、発作の回数が増えたり、慢性片頭痛へ移行したりすることがあります。また、市販薬や鎮痛薬を頻繁に使用すると、「薬剤使用過多による頭痛(MOH)」を起こし、さらに頭痛が悪化する悪循環に陥ることがあります。頭痛が生活に支障をきたしている場合や、市販薬を飲む回数が増えてきた場合は、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。
Q19. 片頭痛は何科を受診すればよいですか?
片頭痛が疑われる場合は、脳神経内科、脳神経外科、頭痛外来など頭痛診療を行っている医療機関の受診がおすすめです。問診や神経学的診察を行い、必要に応じてMRIやCTなどの画像検査を実施し、危険な病気ではないことを確認します。また、副鼻腔炎が疑われる場合は耳鼻咽喉科、眼の病気が疑われる場合は眼科、月経や更年期との関連が強い場合は婦人科と連携しながら診療を行うこともあります。
Q20. どのような頭痛なら早めに受診した方がよいですか?
次のような場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
- 月に何度も頭痛が起こる
- 市販薬だけでは改善しない
- 市販薬を飲む回数が増えてきた
- 仕事や学校、家事に支障が出ている
- 以前より頭痛が悪化している
また、
- 突然経験したことのない激しい頭痛
- 手足の麻痺
- ろれつが回らない
- 意識障害
- けいれん
- 高熱や首の硬直を伴う頭痛
などがある場合は、くも膜下出血や脳卒中、髄膜炎など緊急性の高い病気の可能性があるため、直ちに救急受診してください。片頭痛は「我慢する病気」ではありません。適切な診断と治療によって、多くの患者さんで症状の改善が期待できます。
Q21. 予防薬はどのような人に必要ですか?
片頭痛の予防薬は、頭痛の回数が多い方や日常生活に大きな支障がある方に検討されます。一般的には、
- 月に何度も片頭痛発作が起こる
- 頭痛のために仕事や学校、家事に支障が出ている
- 急性期治療薬を頻繁に使用している
- 市販薬や鎮痛薬を飲む回数が増えている
- 発作が重く、生活への影響が大きい
このような場合に予防療法が勧められます。予防薬は頭痛を完全になくすことを目的とするのではなく、頭痛の回数や重症度を減らし、生活の質(QOL)を向上させることを目的として使用します。
Q22. 最新の片頭痛治療にはどのようなものがありますか?
近年、片頭痛治療は大きく進歩しています。従来から使用されている鎮痛薬やトリプタン製剤に加え、
- CGRP関連薬
- ラスミジタン
- ゲパント系薬剤
など、新しい治療薬が登場し、治療の選択肢が広がっています。特にCGRP関連薬は、片頭痛発作に深く関わるCGRPという物質やその受容体を標的とした予防薬で、従来の治療では十分な効果が得られなかった患者さんにも改善が期待されています。どの治療が適しているかは、頭痛の頻度や重症度、持病、ライフスタイルなどを考慮して決定します。
Q23. 漢方薬は片頭痛に効果がありますか?
はい。患者さんによっては漢方薬が症状の改善に役立つことがあります。片頭痛では、
- 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)
- 五苓散(ごれいさん)
- 桂枝人参湯
などが使用されることがあります。漢方薬は体質や症状に合わせて処方されることが特徴ですが、すべての方に有効というわけではありません。また、漢方薬にも副作用や飲み合わせがありますので、市販薬を自己判断で服用するのではなく、医師や薬剤師へ相談することが大切です。
Q24. サプリメントは片頭痛に効果がありますか?
一部のサプリメントには、片頭痛予防への有効性が示唆されています。代表的なものには、
- マグネシウム
- ビタミンB2(リボフラビン)
- コエンザイムQ10
などがあります。ただし、サプリメントは薬の代わりになるものではなく、効果には個人差があります。また、副作用や他の薬との相互作用が起こることもあるため、使用する際は医師や薬剤師へ相談することをおすすめします。
Q25. 市販薬だけで片頭痛は治療できますか?
軽い片頭痛では、市販薬で症状が改善することもあります。しかし、市販薬を頻繁に使用している場合や十分な効果が得られない場合には、片頭痛に適した治療薬や予防薬が必要になることがあります。また、市販薬を飲み続けることで薬剤使用過多による頭痛(MOH)を引き起こすこともあります。市販薬を月に何度も使用している方は、一度医療機関で相談することをおすすめします。
Q26. 頭痛薬を飲み過ぎるとどうなりますか?
鎮痛薬やトリプタン製剤を頻繁に使用すると、「薬剤使用過多による頭痛(MOH)」を起こすことがあります。これは薬を飲み過ぎることで、かえって頭痛が起こりやすくなってしまう状態です。頭痛が増えてきた場合には薬を追加するのではなく、予防療法への切り替えを検討することが重要です。自己判断で薬を飲み続けるのではなく、医師と相談しながら適切な治療を受けましょう。
Q27. 手術で片頭痛は治りますか?
一般的な片頭痛では、手術が治療として行われることはありません。現在の標準治療は、
- 急性期治療薬
- 予防薬
- CGRP関連薬
- 生活習慣の改善
などを組み合わせた保存的治療です。一方で、頭痛の原因が片頭痛ではなく脳腫瘍や脳血管疾患などであった場合には、それぞれの病気に対する治療が必要になります。
Q28. 生活習慣で気を付けることはありますか?
片頭痛では生活習慣の改善も重要な治療の一つです。日頃から、
- 規則正しい睡眠
- 朝食を抜かない
- 十分な水分補給
- 適度な運動
- ストレスをためない
- 頭痛日記をつける
ことが予防につながります。また、睡眠不足だけでなく寝過ぎも片頭痛の誘因になることがあります。ご自身の生活パターンや誘因を把握することが、頭痛をコントロールする第一歩です。
Q29. 片頭痛の人はコーヒーやカフェインを飲んでもよいですか?
はい。片頭痛がある方でも、コーヒーやお茶などに含まれるカフェインを完全に避ける必要はありません。少量のカフェインは頭痛を和らげることがありますが、飲み過ぎや急に中止することで片頭痛の誘因になることもあります。毎日ほぼ同じ量を摂ることを心掛け、過剰摂取やエナジードリンクの飲み過ぎには注意しましょう。
Q30. 片頭痛の人はお酒(アルコール)を飲んでもよいですか?
片頭痛がある方でも、少量の飲酒が必ず禁止されるわけではありません。しかし、アルコールは片頭痛の誘因として知られており、特に赤ワインなどで発作が起こる方もいます。また、飲酒による脱水や睡眠の質の低下も頭痛を悪化させる原因になります。空腹で飲酒しないこと、水分を十分に補給すること、飲酒量を控えめにすることが大切です。ご自身の体質を理解し、頭痛との関係を頭痛日記で確認しながら無理のない範囲で付き合うようにしましょう。
Q31. 片頭痛はスマートフォンやパソコンの使い過ぎで悪化しますか?
はい。スマートフォンやパソコンの長時間使用は、片頭痛を悪化させる誘因となることがあります。画面を見ること自体が原因というよりも、
- 眼精疲労
- 首や肩の筋肉の緊張
- ブルーライトによる刺激
- 睡眠不足
- 精神的なストレス
などが重なることで片頭痛発作が起こりやすくなると考えられています。仕事などでパソコンを使用する場合は、1時間に1回程度休憩を取り、ストレッチや水分補給を心掛けることが大切です。発作中はできるだけ画面を見る時間を減らし、暗く静かな場所で安静にしましょう。
Q32. 片頭痛でも飛行機に乗って大丈夫ですか?
多くの片頭痛患者さんは飛行機を利用できます。ただし、飛行機では気圧の変化や乾燥、睡眠不足、疲労、脱水などが重なり、片頭痛発作が起こりやすくなることがあります。搭乗前には十分な睡眠をとり、水分補給を心掛けましょう。また、片頭痛が起こりやすい方は、急性期治療薬を携帯しておくと安心です。これまで経験したことのない激しい頭痛や麻痺、意識障害などを伴う場合は、片頭痛以外の病気の可能性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。
Q33. 片頭痛があっても車を運転して大丈夫ですか?
普段は運転できる方がほとんどですが、発作中や前兆(オーラ)があるときは運転を控えることが重要です。特に、
- 視野が欠ける
- ギザギザした光が見える
- 強い吐き気
- 激しい頭痛
などがある場合は、安全な場所へ停車し、症状が落ち着くまで運転を再開しないようにしましょう。また、片頭痛治療薬の中には眠気を起こすものもありますので、服用後は医師や薬剤師の指示に従ってください。
Q34. 片頭痛があってもワクチン接種は受けられますか?
はい。片頭痛があることを理由に、新型コロナワクチンやインフルエンザワクチンを受けられないことは通常ありません。ワクチン接種後は発熱や免疫反応によって一時的に頭痛が起こることがありますが、多くは数日以内に改善します。接種後に、
- 数日以上頭痛が続く
- 急激に悪化する
- 麻痺や意識障害を伴う
などの症状がある場合は、片頭痛以外の病気も考えられるため、早めに医療機関を受診してください。
Q35. 片頭痛と眼精疲労による頭痛はどう違いますか?
片頭痛と眼精疲労による頭痛は似ていますが、原因や治療法が異なります。片頭痛では、
- ズキズキと脈打つ痛み
- 吐き気
- 光や音への過敏
- 動くと悪化する
といった症状が特徴です。一方、眼精疲労では、
- 長時間のパソコンやスマートフォン使用後に起こる
- 目の奥の重だるさ
- 首や肩のこり
- 休息すると改善しやすい
といった特徴があります。両方を併せ持つこともあるため、繰り返す頭痛がある場合は医療機関で診断を受けることをおすすめします。
Q36. 片頭痛と副鼻腔炎(蓄膿症)による頭痛はどう違いますか?
片頭痛と副鼻腔炎による頭痛は混同されることがありますが、原因や症状は異なります。片頭痛では、
- ズキズキする痛み
- 吐き気
- 光や音への過敏
などが特徴です。一方、副鼻腔炎では、
- 鼻づまり
- 黄色や緑色の鼻水
- 額や頬の圧迫感
- 発熱
などの鼻症状を伴うことが多く、前かがみになると痛みが強くなることがあります。鼻症状が目立つ場合は耳鼻咽喉科、繰り返す頭痛がある場合は頭痛診療を行う医療機関への受診がおすすめです。
Q37. 片頭痛の治療にはどれくらい費用がかかりますか?保険は使えますか?
片頭痛治療の多くは健康保険が適用されます。診察やMRI・CTなどの必要な検査、急性期治療薬や予防薬の多くは保険診療で受けられます。一方で、CGRP関連薬など新しい治療薬は比較的高額になる場合があります。医療費が高額になった場合には、高額療養費制度を利用できることもありますので、詳しくは医療機関や加入している健康保険へご相談ください。
Q38. 頭痛日記とは何ですか?なぜつけた方がよいのでしょうか?
頭痛日記とは、頭痛が起こった日時や症状、薬の使用状況などを記録するものです。例えば、
- 頭痛が起こった日
- 痛みの強さ
- 頭痛が続いた時間
- 使用した薬
- 月経との関係
- 睡眠時間
- ストレス
- 天候や気圧
などを記録することで、ご自身の片頭痛の特徴や誘因を把握しやすくなります。また、医療機関を受診した際にも診断や治療方針を決める重要な資料となるため、片頭痛でお悩みの方には頭痛日記をつけることをおすすめしています。
Q39. 片頭痛で悩んだら、いつ医療機関を受診すればよいですか?
次のような場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
- 月に何度も頭痛が起こる
- 市販薬だけでは改善しない
- 市販薬を飲む回数が増えている
- 仕事や学校、家事に支障が出ている
- 頭痛が以前より悪化している
また、
- 突然経験したことのない激しい頭痛
- 手足の麻痺
- ろれつが回らない
- 意識障害
- けいれん
- 高熱や首の硬直を伴う頭痛
などがある場合は、くも膜下出血や脳卒中、髄膜炎など命に関わる病気の可能性もあるため、救急受診が必要です。片頭痛は「我慢する病気」ではありません。適切な診断と治療を受けることで、多くの患者さんで頭痛の回数や生活への影響を軽減できる可能性があります。気になる症状がある場合は、一人で悩まず、頭痛診療を行っている医療機関へご相談ください。
















































































