ケガは治ったはずなのに痛みだけが続く…それはCRPSかもしれません

「骨折は治ったと言われたのに痛みが続いている」
「軽く触れただけでも激痛が走る」
「手や足が腫れている」
「皮膚の色や温度がおかしい」
「痛みが強くて手足を動かせない」
このような症状がある場合、CRPS(複合性局所疼痛症候群)の可能性があります。
CRPS(Complex Regional Pain Syndrome)は、骨折や捻挫、手術などの後に発症する慢性的な痛みの病態です。
痛みの強さがケガの程度と釣り合わないことが特徴で、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。

CRPS(複合性局所疼痛症候群)とは?

CRPSとは、外傷や手術後に発症する慢性疼痛症候群です。
かつては、
• 反射性交感神経性ジストロフィー(RSD)
• カウザルギー
などと呼ばれていましたが、現在はCRPSという名称に統一されています。
CRPSは単一の病気ではなく、
• 神経障害
• 慢性炎症
• 血流異常
• 自律神経異常
• 中枢神経の過敏化
など複数の要因が関与する複雑な病態と考えられています。

CRPSの症状

強い痛み

最も特徴的な症状です。
痛みの程度が外傷の大きさと一致せず、
• 焼けるような痛み
• 電気が走るような痛み
• 針で刺されるような痛み
として感じられることがあります。

触れるだけで痛い(アロディニア)

通常であれば痛みを感じない刺激でも強い痛みを感じます。
例えば、
• 衣服が触れる
• 風が当たる
• 軽くなでる
だけで激痛が生じることがあります。

腫れ(浮腫)

手足が腫れたり、むくんだりすることがあります。

皮膚の色や温度の変化

患部に
• 赤み
• 青紫色
• 蒼白
などの変化が現れることがあります。
また、
• 熱く感じる
• 冷たく感じる
など左右差がみられることもあります。

発汗異常

患部だけ異常に汗をかいたり、逆に汗が出なくなったりすることがあります。

関節が動かしにくい

痛みや腫れの影響で、
• 指が曲がらない
• 手首が動かない
• 足首が硬くなる
といった可動域制限が生じます。

筋力低下や萎縮

長期間患部を使わないことで筋力低下や筋萎縮が起こることがあります。

CRPSの原因

骨折

最も多いきっかけの一つです。
特に手首や足首の骨折後に発症することがあります。

捻挫や打撲

比較的軽いケガでも発症することがあります。

手術

術後の痛みが長引き、CRPSへ移行する場合があります。

神経損傷

神経損傷が関与するCRPSを「CRPSⅡ型」と呼びます。

自律神経や免疫反応の異常

近年では、
• 自律神経異常
• 慢性炎症
• 免疫反応異常
などが複雑に関与すると考えられています。

CRPSの診断

CRPSには特定の検査だけで診断できるものはありません。
症状や診察所見を総合的に評価して診断します。

問診・診察

• 痛みの性質
• 発症のきっかけ
• 皮膚変化
• 発汗異常
• 可動域制限
などを確認します。

レントゲン検査

骨の状態を確認します。

MRI検査

炎症や他疾患との鑑別に用いられます。

骨シンチグラフィ

症例によって行われることがあります。

CRPSの治療

CRPSは早期治療が非常に重要です。
発症から時間が経過するほど慢性化しやすくなることが知られています。

薬物療法

• 消炎鎮痛薬
• プレガバリン
• 神経障害性疼痛治療薬
• 抗うつ薬
などが使用されます。

リハビリテーション

CRPS治療の中心となる重要な治療です。
関節可動域の維持や機能回復を目指します。

脱感作療法

皮膚刺激に対する過敏性を改善する治療です。

神経ブロック

症状によって交感神経ブロックなどが行われることがあります。

脊髄刺激療法

難治例では脊髄刺激療法が検討される場合があります。

CRPSを放置するとどうなる?

症状が進行すると、
• 関節拘縮
• 筋萎縮
• 慢性疼痛
• 活動量低下
• QOL(生活の質)の低下
につながる可能性があります。
そのため早期の診断と治療が重要です。

長引く痛みとモヤモヤ血管の関係

CRPSでは神経障害だけでなく、慢性的な炎症や血流異常が関与していると考えられています。
近年、慢性的な痛みの背景に「モヤモヤ血管」と呼ばれる異常な毛細血管が存在することがわかってきました。
本来、血管は組織修復のために作られます。
しかし炎症が長期間続くことで必要以上に血管が増殖し、その周囲には痛みを感じる神経も増えていきます。
その結果、
• ケガは治ったのに痛い
• 痛みが何年も続く
• 薬だけでは改善しない
といった慢性疼痛につながる可能性があります。

運動器カテーテル治療という新しい選択肢

  • 近年、慢性的な運動器の痛みに対する治療として「運動器カテーテル治療」が注目されています。
    運動器カテーテル治療は、痛みの原因となるモヤモヤ血管へカテーテルを用いてアプローチする治療法です。
    足の付け根や手首などの血管から細いカテーテルを挿入し、異常血管を治療することで慢性的な炎症や痛みの改善を目指します。
    特に、
    • ケガや手術後の痛みが長く続く
    • リハビリや薬で改善しない
    • 日常生活に支障が出ている
    • 他の治療法を探している
    という方にとって、新たな治療選択肢となる可能性があります。

このような症状があればご相談ください

  • • 骨折後も痛みが続いている
    • 手術後の痛みが改善しない
    • 触れるだけで激痛がある
    • 手足が腫れている
    • 皮膚の色や温度が変わる
    • リハビリを続けても改善しない
    • 慢性的な痛みに悩んでいる
    CRPS(複合性局所疼痛症候群)は、早期治療が重要な慢性疼痛疾患です。
    なごやEVTクリニックでは、慢性的な痛みに対する運動器カテーテル治療を行っています。
    長引く痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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