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美容師の指に生じたCRPSに対して著効した手の動注治療の一例 - なごやEVTクリニック

その他:帯状疱疹後など

【60代:女性】美容師の指に生じたCRPSに対して著効した手の動注治療の一例(CRPS、動脈注射治療、シェーグレン症候群)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

美容師の方です。元々、ヘバーデン結節の痛みは両手指にありましたが、左手の薬指(4指)の第2関節(PIP関節)が腫れたため、整形外科を受診して針で抜き取ってもらいました。(何を抜き取ったのか詳細は不明です。本人申告。)その際に激痛が走り10分ほど気を失ってしまいました。その後、曲げられるようにはなったものの、触るだけでも強い痛みがあり、指先にも違和感がありました。バンドエイドを巻くと楽になっていました。酷くなる前に積極的に治療を受けたいと希望し、当院を受診されました。
*シェーグレン症候群(20年前から。1錠のみの服薬で安定している。)

診察時の所見

左4指の患部は暗紫色をしており、強い圧痛がありました。アロディニアおよび、一定の感覚障害および可動域制限を認めました。エコー検査では異常血流信号は目立ちませんでした。失神するほどの穿刺による激痛を契機とした一連の障害から、CRPS(複雑性局所疼痛症候群)の早期の状態であることが疑われました。少なくとも、一般的な外傷後の経過と異なることは明らかでした。発症から1ヶ月以内であり月単位の自然経過で改善することも期待できる一方で、既にCRPSの徴候が見られており悪化する懸念があることから、無効である可能性もご理解いただいたうえで微細動脈塞栓術(モヤモヤ血管治療)を受けていただくこととしました。

治療の所見

左手首の親指側の血管である橈骨動脈より、慎重に薬液を投与しました。これは、手の動脈注射治療と言われる治療方法です。微細粒子からなる一時塞栓物質による安全な治療ですが、CRPSを対象として治療する場合は極めて慎重に投与する必要があります。幸い、治療に伴う一時的な強い痛みなども生じることなく、無事に治療を終えることができました。

治療後の経過

治療後1週間くらいで改善し、治療後6週間で以前のような痛みは消失していました。ピリピリする感覚や、一定のしびれはまだ薬指に残っていました。十分な有効性を確認したうえで、残存症状に対して2回目の動脈注射治療を行いました。治療後1週間ほどは『ごにょごにょしている感じ』がありましたが、その後改善し、しびれを含めて症状は完全に消失しました。美容師の仕事でシャンプーなどする際に指をよく使いますが、通常のように使っても大丈夫になりました。3ヶ月以上の経過で特に再発しておらず、終診となりました。CRPSは医療行為が原因となることがあります。勿論、ほとんどの場合で問題となることはないのですが、針を刺す行為、例えば採血や点滴の際の穿刺でも起こることがあります。本症例では発症から長期間経過しておらず、CRPSとの診断には至りませんが、創治癒後にもかかわらず強い痛みや感覚障害、易刺激性(アロディニアあり)、関節可動域障害がみられるなど一定の診断基準を満たしており、CRPSの初期状態であった可能性が考えられます。安定しているとはいえ、シェーグレン症候群という持病があったことも無関係ではないかもしれません。通常の穿刺行為では失神するほどの痛みが生じるとは考えにくく、神経損傷を生じた可能性も否定できません。いずれにしても、月単位だとしても時間経過で治ればよいのですが、本格的なCRPSに移行していった場合、あらゆる治療が効かなくなってくることがあります。本職が美容師であることからも積極的な治療を希望されました。当院としては、一定の炎症や過剰な反応が内在していることが明らかであり、これまでCRPSの方に対して微細動脈塞栓術を行ってきた経験から有効性が期待できると判断しました。難しい状態であることは明らかですので、無効である可能性を十分ご理解いただいたうえで治療を受けていただきました。結果的に全く後遺症を残すことなく快復されて本当に良かったです。CRPSと診断されるような全ての方に有効なわけではありませんが、有効である1例としてご参考にしていただければと思います。尚、手の動脈注射治療は、ヘバーデン結節やばね指、リウマチによる痛みなどを対象に行われることが多いですが、運動器カテーテル治療を応用した手法であり、外来で5分以内に治療が可能な簡易の微細動脈塞栓術です。運動器カテーテル治療と同様にオクノクリニックの奥野医師が考案した治療方法であり、近年徐々に広まっていますが、CRPSについては治療経験のある施設にてご相談されることをおすすめします。

CRPSの詳しい病状説明はこちら

 
 

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