改善しない群発頭痛に動脈注射治療という新しい選択肢があります

「目の奥をえぐられるような激しい痛みが毎日続く」「酸素療法や薬を使っても十分に改善しない」「群発期になるたびに仕事や日常生活に大きな支障が出る」――そのようなお悩みはありませんか。
群発頭痛は、数ある頭痛の中でも最も強い痛みを伴う病気の一つです。発作は15分~3時間程度続き、片側の目の奥の激しい痛みに加え、涙や鼻水、目の充血などの自律神経症状を伴うことが特徴です。
一般的な治療では、高流量酸素吸入療法やトリプタン製剤、ベラパミルなどの予防薬が中心となります。しかし、それでも十分な改善が得られず、群発期を不安に過ごしている患者さんも少なくありません。
なごやEVTクリニックでは、血管内治療(EVT)の技術を応用した「動脈注射治療」を行っています。これは、浅側頭動脈(STA:Superficial Temporal Artery)や後頭動脈(OCA:Occipital Artery)から薬液を投与し、炎症性血管新生(モヤモヤ血管)を標的とする微細動脈塞栓術の一種です。
当院では、この血管周囲で生じる炎症や異常な血管反応が頭痛の発症に関与している可能性に着目し、薬剤を直接投与することで症状の改善を目指しています。

動脈注射治療はこのような方におすすめです

  • 群発頭痛と診断されている
  • 群発期のたびに激しい頭痛を繰り返している
  • 酸素療法だけでは十分な効果を感じられない
  • トリプタン製剤を使用しても症状が残る
  • 群発期になると仕事や日常生活に支障が出る
  • 薬の量を増やしたくない
  • 新しい治療法について相談したい

患者さんの症状や頭痛の部位、これまでの治療歴を詳しく確認したうえで、動脈注射治療が適しているかを判断します。

血管内治療を専門とする医師だからできる治療

動脈注射治療は、単に頭皮へ注射をする治療ではありません。浅側頭動脈の走行を正確に把握し、適切な部位へ薬剤を届けるためには、血管の構造や血流を熟知した専門的な知識と技術が必要です。なごやEVTクリニックでは、血管内治療を専門とする医師が診察から治療まで一貫して担当し、安全性に十分配慮しながら治療を行っています。

治療時間は約1~2分。外来で受けられます

動脈注射治療は、極細の針を使用して浅側頭動脈へ薬剤を投与する外来治療です。治療時間は約1~2分程度と短く、入院の必要はありません。群発頭痛は片側に症状が現れることが多いため、痛みのある側のみ治療を行うことが一般的です。また、後頭部へ痛みが広がる場合には、症状に応じて後頭動脈(OA:Occipital Artery)への治療を組み合わせることもあります。

一般的な群発頭痛治療との違い

群発頭痛の標準治療は、

  • 高流量酸素吸入療法
  • トリプタン製剤
  • ベラパミルなどの予防薬

が中心です。一方、動脈注射治療は、頭皮の血管周囲へ直接アプローチする新しい治療法です。標準治療とは作用機序が異なるため、薬物療法を継続しながら治療を検討することも可能です。なお、動脈注射治療は比較的新しい治療法であり、現時点では一般的な群発頭痛診療ガイドラインにおける標準治療ではありません。当院では患者さんへ十分な説明を行い、ご理解いただいたうえで治療をご提案しています。

まずはお気軽にご相談ください

群発頭痛にはさまざまなタイプがあり、すべての患者さんが動脈注射治療の適応となるわけではありません。そのため、なごやEVTクリニックでは、まず現在の症状やこれまでの治療歴を詳しく伺い、動脈注射治療が適しているかどうかを丁寧に診察したうえで治療をご提案しています。

「薬だけでは群発頭痛が改善しない」
「群発期を少しでも楽に過ごしたい」
「新しい治療法について詳しく知りたい」

そのような方は、ぜひ一度なごやEVTクリニックまでご相談ください。

群発頭痛とは

群発頭痛とは、片側の目の奥やこめかみに「目をえぐられるような」「焼けるような」と表現される非常に激しい痛みが起こる病気です。頭痛の中でも特に痛みが強い疾患として知られており、「自殺頭痛」と表現されることがあるほど激烈な痛みを伴います。群発頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛と同じ「一次性頭痛」に分類されますが、その中でも三叉神経・自律神経性頭痛(TACs:Trigeminal Autonomic Cephalalgias)という特殊なグループに属しています。発作は突然始まり、1回あたり15分から3時間程度続きます。比較的短時間で自然に軽快することが多いものの、群発期と呼ばれる一定期間には、毎日のように発作を繰り返すことが特徴です。

また、頭痛だけではなく、

  • 涙が出る
  • 鼻水・鼻づまり
  • 目の充血
  • まぶたの腫れ

など、痛みと同じ側に自律神経症状が現れることも群発頭痛の大きな特徴です。群発頭痛では、片頭痛のように暗い部屋で横になりたくなる方は少なく、激しい痛みに耐えられず歩き回ったり、体を揺らしたりするなど、落ち着いてじっとしていられないことが多くみられます。さらに、発作は毎日ほぼ同じ時間帯に起こることがあり、夜間から早朝にかけて痛みで目が覚める患者さんも少なくありません。群発頭痛は比較的まれな病気ですが、適切な診断と治療によって発作をコントロールできる可能性があります。強い頭痛を繰り返している場合には、「ただの頭痛」と自己判断せず、早めに医療機関へ相談することが大切です。

群発頭痛の症状

群発頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛とは異なる特徴的な症状を示します。最も特徴的なのは、片側の目の奥に突然起こる非常に強い痛みです。

目の奥をえぐられるような激しい痛み
群発頭痛では、片側の目の奥やこめかみに耐え難いほどの激しい痛みが起こります。患者さんからは、

  • 「目をえぐられるような痛み」
  • 「焼けるような痛み」
  • 「頭痛の中で最も強い痛みだった」

などと表現されることもあります。痛みは数分でピークに達し、日常生活を続けることが困難になるほど強くなることがあります。

発作は15分〜3時間程度
群発頭痛は非常に強い痛みですが、1回の発作は15分から3時間程度で自然に軽快することが一般的です。しかし、群発期には1日に1回から数回、多い場合には8回程度まで繰り返し発作が起こることがあります。

涙や鼻水などの自律神経症状
群発頭痛では、痛みと同じ側に次のような症状が現れることがあります。

  • 涙が出る
  • 鼻水が出る
  • 鼻づまり
  • 目が充血する
  • まぶたが腫れる

これらは三叉神経と自律神経が同時に活性化することで起こると考えられています。

夜間・早朝に起こりやすい
群発頭痛は毎日ほぼ同じ時間帯に起こることが多く、特に夜間から早朝にかけて発作が起こることが特徴です。睡眠中に突然激しい痛みで目が覚める患者さんも少なくありません。

じっとしていられない
片頭痛では暗い部屋で横になって安静にする方が多い一方で、群発頭痛では痛みがあまりにも強いため、歩き回ったり体を揺らしたりするなど、落ち着きなく動き続けることが特徴です。この行動の違いは、片頭痛との重要な鑑別ポイントになります。

群発期と寛解期を繰り返す
群発頭痛では、数週間から数か月にわたり毎日のように発作を繰り返す「群発期」と、症状が完全になくなる「寛解期」を繰り返します。寛解期は数か月から数年続くこともありますが、その後再び群発期が始まることも少なくありません。

群発頭痛の原因

群発頭痛の原因は現在でも完全には解明されていません。しかし近年の研究では、視床下部・三叉神経・自律神経が深く関与していることが分かってきています。

視床下部の異常
群発頭痛では、体内時計(概日リズム)を調節している視床下部が関与していると考えられています。毎日ほぼ同じ時間帯に発作が起こったり、春や秋など季節の変わり目に群発期が始まったりする特徴も、この視床下部の働きと関係している可能性があります。

三叉神経の過剰な興奮
顔や頭部の痛みを伝える三叉神経が過剰に興奮することで、目の奥をえぐられるような激しい痛みが起こると考えられています。同時に、自律神経も刺激されるため、涙や鼻水、眼の充血などの特徴的な症状が現れます。

自律神経との関係
群発頭痛では副交感神経が過剰に働くことで、

  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 眼充血
  • まぶたの腫れ

などの自律神経症状が痛みと同時に出現します。これらの症状は群発頭痛を診断する重要な手がかりになります。

発作の誘因(トリガー)
群発頭痛には発作を誘発しやすい要因があります。代表的なものは、

  • アルコール
  • 喫煙
  • 睡眠不足
  • 睡眠リズムの乱れ
  • 強い光刺激
  • ストレス

などです。特に群発期のアルコールは少量でも高い確率で発作を引き起こすことが知られているため、群発期には禁酒が推奨されます。

遺伝との関係
群発頭痛は片頭痛ほど強い遺伝性は認められていませんが、家族内で発症する例も報告されており、遺伝的な体質が一部関与している可能性があります。ただし、生活習慣や環境要因の影響も大きいと考えられており、遺伝だけで発症する病気ではありません。

男性に多い病気ですが女性にも起こります
群発頭痛は男性に多いことで知られていますが、女性にも発症します。近年では診断技術の向上により女性患者も増えており、「男性だけの病気」ではありません。女性では片頭痛と誤診されることもあるため、目の奥の激しい片側性頭痛や涙・鼻水などの特徴的な症状がある場合には、群発頭痛の可能性も考慮することが重要です。

群発頭痛の検査

群発頭痛は、MRIやCTだけで診断できる病気ではありません。診断で最も重要なのは、頭痛の特徴や発作のパターンを詳しく確認する問診と神経学的診察です。群発頭痛は片頭痛や緊張型頭痛、副鼻腔炎、三叉神経痛、眼科疾患などと症状が似ていることがあり、誤診されるケースも少なくありません。そのため、特徴的な症状を正しく評価し、危険な病気ではないことを確認したうえで診断を行います。

問診・神経学的診察
診察では、次のような内容を詳しく確認します。

  • 頭痛が始まった時期
  • 発作が起こる時間帯
  • 発作の持続時間
  • 頭痛の部位
  • 痛みの性質
  • 涙・鼻水・眼充血などの有無
  • 発作の頻度
  • 群発期・寛解期の有無
  • アルコールや睡眠との関係
  • 生活への影響

群発頭痛では、

  • 片側の目の奥の激痛
  • 発作は15分~3時間
  • 群発期に毎日同じ時間帯に起こる
  • 涙や鼻水などを伴う

といった特徴が診断の重要な手掛かりになります。

MRI・CT検査
群発頭痛そのものはMRIやCTには写りません。画像検査は、

  • 脳出血
  • 脳腫瘍
  • 脳動脈瘤
  • 血管障害

など、命に関わる病気を除外するために行います。初めて経験する激しい頭痛や、いつもと異なる症状がある場合には、安全に診断するため画像検査が重要になります。

血液検査
群発頭痛そのものを診断する血液検査はありません。しかし、

  • 感染症
  • 炎症性疾患
  • 全身疾患

などが疑われる場合には、他の病気を除外する目的で血液検査を行うことがあります。

群発頭痛は誤診されることがあります
群発頭痛は比較的まれな病気であるため、

  • 片頭痛
  • 副鼻腔炎
  • 三叉神経痛
  • 緑内障などの眼科疾患
  • 歯の病気
  • 耳の病気

などと誤診されることがあります。「歯を治療しても痛みが治らない」「眼科では異常がないと言われた」「副鼻腔炎として治療したが改善しない」という場合には、群発頭痛が隠れている可能性もあります。

群発頭痛の治療

群発頭痛では、「発作をすぐ止める治療」と「発作を起こりにくくする治療」の両方が重要になります。頭痛が始まってから短時間でピークに達するため、一般的な鎮痛薬では十分な効果が期待できないことが多く、群発頭痛に特化した治療が必要になります。

急性期治療
発作時には、できるだけ早く痛みを抑えることが重要です。代表的な治療には、

  • 高流量酸素吸入療法
  • スマトリプタン皮下注
  • トリプタン点鼻薬

があります。特に高流量酸素吸入療法は群発頭痛の第一選択治療の一つであり、多くの患者さんで5~15分程度で痛みの軽減が期待できます。また、スマトリプタン皮下注も比較的速やかに効果が現れるため、発作時の重要な治療法となります。

予防治療
群発期には毎日のように発作が起こるため、発作を起こりにくくする予防治療も重要です。第一選択薬として使用されることが多いのがベラパミルです。ベラパミルは本来、高血圧や不整脈の治療薬ですが、群発頭痛では発作の頻度や重症度を減らす効果が期待されています。必要に応じて、

  • ステロイド療法
  • 神経ブロック療法

などを組み合わせることもあります。

治療薬の副作用
ベラパミルでは、

  • 徐脈
  • 低血圧
  • 便秘
  • むくみ

などが起こることがあります。そのため、使用中は心電図検査などを行いながら、安全に治療を進めることが重要です。

生活習慣の見直しも重要です
群発頭痛では薬だけではなく生活管理も重要です。特に群発期には、

  • 禁酒
  • 禁煙
  • 規則正しい睡眠
  • 睡眠不足を避ける
  • ストレスをため過ぎない

ことが発作の予防につながります。現在の治療では完全に再発を防ぐことは難しいものの、急性期治療・予防治療・生活習慣の改善を組み合わせることで、多くの患者さんで症状をコントロールできるようになっています。

Q&A

Q1. 群発頭痛とはどのような病気ですか?

群発頭痛とは、片側の目の奥やこめかみに「えぐられるような」「焼けるような」と表現される非常に激しい痛みが繰り返し起こる一次性頭痛の一つです。頭痛の中でも特に痛みが強い病気として知られ、三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)に分類されます。発作は15分~3時間程度で治まることが多いものの、群発期と呼ばれる一定期間には毎日のように繰り返し起こることが特徴です。また、頭痛だけではなく、

  • 涙が出る
  • 鼻水・鼻づまり
  • 目の充血
  • まぶたの腫れ

など、痛みと同じ側に自律神経症状を伴うことも群発頭痛の特徴です。適切な治療を受けることで発作をコントロールできる可能性がありますので、特徴的な頭痛を繰り返す場合は早めに医療機関を受診しましょう。

Q2. 群発頭痛の原因は何ですか?

群発頭痛の原因は現在でも完全には解明されていません。

しかし近年では、脳の視床下部と呼ばれる体内時計を調節する部位や、痛みを伝える三叉神経、そして自律神経が深く関与していると考えられています。

発作が毎日ほぼ同じ時間帯に起こることや、春や秋など季節の変わり目に群発期が始まりやすいことも、視床下部との関連が示唆されています。

また、

  • アルコール
  • 喫煙
  • 睡眠不足
  • 睡眠リズムの乱れ
  • 強い光刺激

などが発作の誘因になることがあります。

特に群発期のアルコールは少量でも発作を誘発することが多く、群発期には禁酒が推奨されています。

Q3. 群発頭痛にはどのような症状がありますか?

群発頭痛の最大の特徴は、片側の目の奥に突然起こる非常に強い痛みです。患者さんからは、

  • 「目をえぐられるような痛み」
  • 「焼けるような痛み」
  • 「人生で経験した中で最も強い痛み」

などと表現されることがあります。さらに、

  • 涙が出る
  • 鼻水・鼻づまり
  • 目の充血
  • まぶたが腫れる

といった自律神経症状を伴うことが多くみられます。また、片頭痛とは異なり、痛みがあまりにも強いため、横になって安静にするよりも歩き回ったり体を揺らしたりしてしまう患者さんが多いことも特徴です。

Q4. 群発頭痛の痛みはどのくらい強いですか?

群発頭痛は、頭痛の中でも最も強い痛みの一つとされています。その激しさから「自殺頭痛」と表現されることもあり、耐え難い苦痛を伴います。痛みは数分でピークに達し、

  • 仕事や家事が全くできない
  • じっとしていられない
  • 歩き回るしかない

ほど強くなることがあります。片頭痛も強い頭痛ですが、多くの患者さんが「群発頭痛の方がさらに強い」と感じています。このような激しい痛みだからこそ、発作時には速やかに酸素療法やトリプタンなどの急性期治療を開始することが重要です。

Q5. 群発頭痛の発作はどのくらい続きますか?

群発頭痛の発作は1回あたり15分~3時間程度続くことが一般的です。比較的短時間で自然に軽快しますが、群発期には1日に1回から数回、多い場合には8回程度まで発作を繰り返すことがあります。また、多くの患者さんでは夜間から早朝にかけて、ほぼ毎日同じ時間帯に発作が起こることが特徴です。群発期は数週間から数か月続き、その後は数か月から数年にわたり症状が全く出ない「寛解期」に入ることがあります。

Q6. 群発期とは何ですか?

群発期とは、群発頭痛の発作が一定期間に集中して繰り返し起こる期間のことです。この期間中は、

  • 毎日のように頭痛が起こる
  • 1日に複数回発作を繰り返す
  • 夜間や早朝に同じ時間帯で起こる

といった特徴があります。群発期は数週間から数か月続くことが多く、その後は症状が完全になくなる寛解期へ移行します。寛解期は数か月から数年続くことがありますが、その後再び群発期が始まることも少なくありません。群発期をできるだけ短くし、発作を軽減するためにも、早めに予防治療を開始することが重要です。

Q7. 群発頭痛は毎日同じ時間に起こりますか?

はい。群発頭痛では、毎日ほぼ同じ時間帯に発作が起こることが多くあります。特に夜間から早朝に発作が起こりやすく、睡眠中に激しい痛みで目が覚める患者さんも少なくありません。これは体内時計を調節している視床下部の働きが関係していると考えられています。すべての患者さんが完全に同じ時間というわけではありませんが、比較的規則正しい時間帯に発作を繰り返すことは、群発頭痛の重要な特徴の一つです。

Q8. 群発頭痛はどのくらいの頻度で起こりますか?

群発頭痛の発作頻度には個人差がありますが、群発期には1日に1回から数回、多い場合には8回程度まで発作が起こることがあります。発作は数週間から数か月続く群発期に集中して起こり、その後は数か月から数年にわたる寛解期に入ることが一般的です。再発のタイミングには個人差があり、

  • 毎年群発期がある方
  • 数年に一度だけ発症する方
  • 長期間再発しない方

などさまざまです。発作の頻度や群発期の長さを把握することは、治療方針を決めるうえでも重要になります。

Q9. 群発頭痛は片側だけに起こりますか?

はい。群発頭痛は、ほとんどの場合で片側だけに起こることが特徴です。痛みは右または左どちらか一方の目の奥やこめかみに集中し、多くの患者さんでは発作のたびに同じ側に症状が現れます。一方で、ごくまれに発作ごとに左右が入れ替わることもありますが、両側同時に強い痛みが起こることはほとんどありません。また、痛みと同じ側に、

  • 涙が出る
  • 鼻水・鼻づまり
  • 目の充血
  • まぶたの腫れ

などの自律神経症状が現れることも群発頭痛の特徴です。常に両側の頭痛が続く場合には、片頭痛や緊張型頭痛など他の病気の可能性も考えられるため、詳しい診察を受けることをおすすめします。

Q10. 群発頭痛の初期症状はありますか?

群発頭痛では、激しい頭痛が始まる前に軽い違和感を覚える方もいます。例えば、

  • 目の奥の違和感
  • まぶたの重だるさ
  • 涙が出そうな感じ
  • 鼻の違和感
  • 落ち着かない感覚

などが前触れとして現れることがあります。ただし、すべての患者さんに初期症状があるわけではなく、突然激しい頭痛が始まることも少なくありません。ご自身の発作のパターンを把握しておくことで、酸素療法やトリプタンなどの急性期治療をより早く開始できる可能性があります。

Q11. 群発頭痛はなぜ男性に多いのですか?女性にも起こりますか?

群発頭痛は男性に多い病気として知られていますが、その理由は現在でも完全には解明されていません。男性ホルモンや女性ホルモンの違い、生活習慣、遺伝的要因などが複雑に関与していると考えられています。一方で、近年は女性患者さんも以前より多く診断されるようになっており、「男性だけの病気」ではありません。女性でも、

  • 片側の目の奥の激痛
  • 涙や鼻水
  • 夜間に繰り返す発作

といった典型的な症状が現れます。女性では片頭痛と誤診されることもあるため、特徴的な症状がある場合には群発頭痛の可能性も考慮することが大切です。

Q12. 群発頭痛は遺伝しますか?

群発頭痛は、片頭痛ほど明確な遺伝性は認められていません。しかし、親子や兄弟など家族内で発症するケースも報告されており、遺伝的な体質が一部関与している可能性があると考えられています。一方で、

  • 喫煙
  • 飲酒
  • 睡眠リズム
  • 生活習慣

などの環境要因も発症に大きく関係しています。そのため、「家族に群発頭痛の人がいるから必ず発症する」という病気ではありません。

Q13. 群発頭痛は脳の病気ですか?

群発頭痛は脳腫瘍や脳出血のような「脳そのものの病気」ではありません。一方で、視床下部や三叉神経、自律神経など脳の神経ネットワークの働きが深く関与しているため、脳の機能異常によって起こる神経疾患と考えられています。そのため、MRIやCTでは異常が見つからないことがほとんどです。画像検査で異常がなくても群発頭痛は十分に起こり得るため、「検査で異常がないから気のせい」ということではありません。適切な診断と治療によって、発作をコントロールすることが重要です。

Q14. 群発頭痛はどのように診断しますか?

群発頭痛では、問診が最も重要です。診察では、

  • 頭痛が起こる時間帯
  • 発作の持続時間
  • 痛みの場所
  • 涙や鼻水の有無
  • 発作の頻度
  • 群発期・寛解期の有無

などを詳しく確認します。群発頭痛は国際頭痛分類(ICHD-3)の診断基準に基づいて総合的に診断されます。必要に応じてMRIやCTなどの画像検査を行い、脳腫瘍や脳出血など他の病気ではないことを確認したうえで診断します。

Q15. MRIやCT・血液検査で群発頭痛はわかりますか?

群発頭痛そのものはMRIやCT、血液検査で診断できる病気ではありません。MRIやCTは、

  • 脳腫瘍
  • 脳出血
  • 血管障害

など危険な病気を除外するために行われます。また、血液検査も群発頭痛に特有の異常を調べるものではなく、感染症や炎症性疾患など他の病気が隠れていないかを確認する目的で実施されます。群発頭痛では、画像検査や血液検査が正常であっても、問診や症状から診断されることが一般的です。

Q16. 群発頭痛は何科を受診すればよいですか?

群発頭痛が疑われる場合は、

  • 脳神経内科
  • 脳神経外科
  • 頭痛外来

など、頭痛診療を行っている医療機関の受診がおすすめです。一方で、

  • 眼科では異常がない
  • 歯科治療をしても改善しない
  • 副鼻腔炎として治療しても治らない

このような場合にも、実際には群発頭痛であることがあります。片側の目の奥の激しい痛みが15分~3時間程度続き、涙や鼻水などを伴う発作を繰り返している場合は、自己判断で我慢せず、早めに専門医へ相談することが大切です。

Q17. 群発頭痛と片頭痛の違いは何ですか?

群発頭痛と片頭痛はどちらも強い頭痛ですが、症状や治療法は大きく異なります。群発頭痛では、

  • 片側の目の奥をえぐられるような激しい痛み
  • 発作は15分~3時間程度
  • 涙・鼻水・目の充血などの自律神経症状
  • 発作中は歩き回るほど落ち着かない

ことが特徴です。一方、片頭痛では、

  • ズキズキと脈打つ痛み
  • 数時間~72時間程度続く
  • 吐き気
  • 光や音に敏感になる
  • 暗い部屋で安静にしたくなる

ことが多くみられます。また、群発頭痛では群発期と呼ばれる一定期間に発作が集中する点も大きな違いです。一人の患者さんに群発頭痛と片頭痛の両方がみられることもあるため、正確な診断を受けることが重要です。

Q18. 群発頭痛と三叉神経痛の違いは何ですか?

群発頭痛と三叉神経痛はどちらも顔面や目の周囲に強い痛みを起こしますが、原因や痛みの特徴が異なります。群発頭痛では、

  • 目の奥の激しい痛み
  • 発作は15分~3時間続く
  • 涙や鼻水を伴う

ことが特徴です。一方、三叉神経痛では、

  • 電気が走るような鋭い痛み
  • 数秒~数十秒で治まる
  • 洗顔や歯磨き、会話などの刺激で誘発される

ことが多くあります。治療法も異なるため、自己判断せず専門医による診断を受けることが大切です。

Q19. 群発頭痛と副鼻腔炎・眼科疾患・歯や耳の痛みとの違いは何ですか?

群発頭痛は目の奥や顔面に強い痛みが起こるため、副鼻腔炎や眼科疾患、歯や耳の病気と間違われることがあります。

副鼻腔炎では、

  • 鼻づまり
  • 黄色や緑色の鼻水
  • 発熱
  • 顔面の圧迫感

などを伴うことが多く、持続的な痛みが特徴です。

眼科疾患では、視力低下や眼球そのものの異常がみられることがあります。

また、歯科疾患では咬むと痛みが強くなる、耳の病気では難聴や発熱を伴うことがあります。

一方、群発頭痛では、

  • 片側の目の奥の激しい痛み
  • 涙・鼻水・目の充血
  • 発作は15分~3時間
  • 群発期に繰り返し起こる

という特徴があります。

歯科や眼科、耳鼻咽喉科で異常が見つからないにもかかわらず同様の痛みを繰り返している場合には、群発頭痛の可能性も考えられます。

Q20. 群発頭痛にはどのような治療がありますか?

群発頭痛では、「発作を止める治療」と「発作を予防する治療」を組み合わせて行います。発作時には、

  • 高流量酸素吸入療法
  • スマトリプタン皮下注
  • トリプタン点鼻薬

などが使用されます。特に高流量酸素吸入療法は群発頭痛の代表的な治療法であり、多くの患者さんで短時間のうちに痛みの改善が期待できます。一方、群発期には予防治療も重要です。ベラパミルを中心とした予防薬を使用し、必要に応じてステロイド療法や神経ブロック療法などを組み合わせながら、群発期全体の発作を抑えていきます。

Q21. ベラパミルとはどのような薬ですか?

ベラパミルは、群発頭痛の予防薬として第一選択となることが多いカルシウム拮抗薬です。もともとは高血圧や不整脈の治療薬ですが、群発頭痛では発作の回数や重症度を減らす効果が期待されています。使用する際は、少しずつ量を調整しながら服用することが一般的です。一方で、

  • 徐脈
  • 低血圧
  • 便秘
  • むくみ

などの副作用が起こることもあります。また、心臓への影響を確認するため、心電図検査を行いながら治療を進めることがあります。自己判断で増量や中止を行わず、必ず医師の指示に従って服用することが大切です。

Q22. 群発頭痛の治療薬に副作用はありますか?

はい。群発頭痛の治療薬にも副作用があります。予防薬であるベラパミルでは、

  • 徐脈
  • 低血圧
  • 便秘
  • むくみ

などが起こることがあります。また、スマトリプタンなどのトリプタン製剤では、

  • 胸部の圧迫感
  • 眠気
  • 血管収縮による症状

などがみられることがあります。一方、高流量酸素吸入療法は比較的副作用が少なく、安全性の高い治療法とされています。治療薬は自己判断で中止や増量をせず、医師の管理のもとで使用することが重要です。

Q23. 群発頭痛の最新治療にはどのようなものがありますか?

群発頭痛の治療は近年も進歩しています。現在の標準治療は、

  • 高流量酸素吸入療法
  • スマトリプタン皮下注
  • ベラパミル

ですが、それ以外にも新しい治療法の研究が進められています。例えば、

  • CGRP関連薬
  • 神経刺激療法
  • 非侵襲的神経刺激デバイス

などが検討されており、一部の難治例では新たな治療選択肢となる可能性があります。今後もより効果的な治療法の開発が期待されています。

Q24. 群発頭痛で最も重要な治療は何ですか?

群発頭痛では、「発作をできるだけ早く止めること」と「群発期全体の発作を減らすこと」の両方が重要です。そのため、

  • 高流量酸素吸入療法
  • スマトリプタン皮下注

などによる急性期治療と、

  • ベラパミルを中心とした予防治療

を組み合わせることが治療の基本になります。

さらに、

  • 群発期の禁酒
  • 禁煙
  • 規則正しい睡眠
  • 生活リズムを整える

などの生活管理も発作のコントロールには欠かせません。群発頭痛は一つの治療だけではなく、急性期治療・予防治療・生活習慣の改善を組み合わせることが最も重要です。

Q25. 群発頭痛は完治しますか?

群発頭痛は、現在の医学では「完全に治る」と断言できる病気ではありません。しかし、適切な治療を行うことで発作を大幅に減らし、長期間にわたって症状のない「寛解期」を維持できる患者さんは少なくありません。群発頭痛は群発期と寛解期を繰り返す病気であり、発作が長期間起こらなくなる方もいます。一方で、数か月から数年後に再発することもあるため、長期的な経過観察が大切です。治療の目的は「完治」ではなく、発作の回数や重症度を減らし、日常生活への影響をできるだけ少なくすることです。

Q26. 群発頭痛は再発しますか?

はい。群発頭痛は再発することが多い病気です。多くの患者さんでは、群発期が終わって寛解期に入った後も、数か月から数年後に再び群発期が始まることがあります。再発のタイミングには個人差があり、

  • 毎年同じ時期に起こる方
  • 数年ごとに再発する方
  • 長期間再発しない方

などさまざまです。現在の医療では再発を完全に防ぐことは難しいものの、予防治療や生活習慣の見直しによって発作の重症度や頻度を軽減できる可能性があります。

Q27. 群発頭痛の治療は一生続きますか?

必ずしも一生治療が必要になるわけではありません。群発頭痛では、発作が集中する群発期には積極的な治療を行いますが、症状が消失している寛解期には治療が不要になることも少なくありません。一方で、再発を繰り返す方では、その都度、

  • 急性期治療
  • 予防治療

を組み合わせながら長期的に管理していきます。治療期間は患者さんごとに異なりますので、症状に合わせて医師と相談しながら進めることが重要です。

Q28. 生活習慣で気を付けることはありますか?

はい。群発頭痛では生活習慣の見直しも重要な治療の一つです。特に群発期には、

  • 規則正しい睡眠
  • 夜更かしを避ける
  • 禁酒
  • 禁煙
  • ストレスをため過ぎない

ことが推奨されます。

また、群発頭痛は体内時計を調節する視床下部が関与していると考えられているため、生活リズムを一定に保つことも発作予防につながる可能性があります。薬物療法だけではなく、生活習慣の改善を組み合わせることで、より良いコントロールが期待できます。

Q29. アルコール・喫煙・睡眠・ストレスは関係ありますか?

はい。これらはいずれも群発頭痛と深く関係しています。

アルコール

群発期には少量のアルコールでも発作を誘発することが多く、群発期の禁酒が強く推奨されています。

喫煙

群発頭痛の患者さんでは喫煙歴がある方が多く、喫煙は発症や症状の悪化に関与している可能性があります。

睡眠

群発頭痛は夜間や早朝に発作が起こることが多く、睡眠不足や睡眠リズムの乱れも発作の誘因となることがあります。

ストレス

ストレスだけが原因ではありませんが、自律神経へ影響を与えることで発作の誘因となる可能性があります。また、気圧や天候の変化、季節の変わり目に群発期が始まる方もいますが、これらの影響には個人差があります。

Q30. 群発頭痛で救急受診が必要な場合はありますか?

群発頭痛そのものは、通常は救急疾患ではありません。しかし、

  • 初めて経験する激しい頭痛
  • 手足の麻痺
  • ろれつが回らない
  • 意識障害
  • けいれん
  • 高熱を伴う頭痛

などがある場合は、脳出血やくも膜下出血など命に関わる病気の可能性もあるため、速やかに救急受診が必要です。また、「いつもの群発頭痛とは違う」と感じる場合も、自己判断せず医療機関を受診してください。

Q31. 群発頭痛を疑ったらどうすればよいですか?

片側の目の奥に15分~3時間程度続く激しい頭痛が繰り返し起こり、

  • 涙が出る
  • 鼻水や鼻づまり
  • 目の充血

などを伴う場合は、群発頭痛の可能性があります。このような症状がある場合は自己判断で我慢せず、

  • 脳神経内科
  • 脳神経外科
  • 頭痛外来

など頭痛診療を行っている医療機関を早めに受診しましょう。受診の際は、

  • 発作が起こる時間帯
  • 発作の持続時間
  • 頭痛の頻度
  • 痛みの場所
  • 涙や鼻水などの症状

を整理して伝えると診断に役立ちます。群発頭痛は非常に強い痛みを伴う病気ですが、早期に診断され、酸素療法やトリプタン、予防薬など適切な治療を開始することで、発作を大幅にコントロールできる可能性があります。

 

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