筋・筋膜性腰痛症でお悩みの方へ

筋・筋膜性腰痛症は、腰部の筋肉や筋膜が緊張やストレスにより炎症を起こし、痛みや不快感を引き起こす状態です。この症状は、デスクワークや長時間の立ち仕事、不適切な姿勢などが原因で発生しやすく、日常生活に大きな影響を及ぼします。

筋・筋膜性腰痛症とは?

筋・筋膜性腰痛症は、腰部の筋肉や筋膜に過度の負担がかかることで炎症が生じ、痛みや不快感を引き起こす状態を指します。筋膜は筋肉を包む結合組織であり、筋肉の動きをスムーズにする役割を果たしています。この筋膜が炎症を起こすと、筋肉の動きが制限され、痛みが生じます。

原因と症状

主な原因は以下の通りです

  • 長時間のデスクワーク:同じ姿勢を長時間続けることで、腰部の筋肉が緊張し、炎症が生じます。
  • 不適切な姿勢:姿勢が悪いと、腰部に過度の負担がかかり、筋肉や筋膜に炎症が生じます。
  • 過度のストレス:精神的なストレスが身体の緊張を引き起こし、腰痛を悪化させることがあります。
  • 重い物を持ち上げる:不適切な方法で重い物を持ち上げると、腰部に過度の負担がかかり、炎症が生じます。
  • 運動不足:筋力が低下すると、腰部を支える筋肉が弱くなり、腰痛が発生しやすくなります。

主な症状は以下の通りです

  • 腰の痛み:特に長時間の座位や立位で痛みが強くなることがあります。
  • 筋肉の硬直:腰部の筋肉が硬くなり、動きが制限されることがあります。
  • 腰のこり:腰部にこりや緊張感が生じることがあります。
  • 可動域の制限:腰を動かすのが難しくなることがあります。
  • 疲労感:腰部の筋肉が疲れやすくなることがあります。

モヤモヤ血管と運動器カテーテル治療

近年注目されている治療法として、運動器カテーテル治療があります。この方法は、痛みを長引かせている微細な病的新生血管、通称「モヤモヤ血管」に直接アプローチすることで症状を改善します。モヤモヤ血管が発生するとなぜ痛みが生じるのかについてご説明します。損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより炎症が起きている部位には、その修復の過程で血管が増えます。痛みの原因部位にできてしまう異常な血管が、血管造影画像では、かすんでぼやけて見えるため、この新生血管をわかりやすいように“モヤモヤ血管”と呼んでいます。モヤモヤ血管は通常、出来ては消え、出来ては消え、ということを繰り返していますが、何らかの原因で消えなくなった病的新生血管のそばには病的な神経も増殖していることが分かっています。これらが痛み信号を発するほか、病的血流が増えることで局所の組織圧が高まることなどにより、五十肩や腰痛、膝の痛みなどの長引く痛みが引き起こされると考えられています。一般に、40歳以上になるとモヤモヤ血管を自然に減らす力が衰えてくるため、長引く痛みが生じやすくなります。微細な血管は通常の治療ではアクセスが難しい部位に存在します。運動器カテーテル治療では、これらの血管にカテーテルを用いて薬剤を直接注入し、炎症を抑えます。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は、この治療法を検討されるとよいでしょう。

運動器カテーテル治療のメリット

  • 有効性:薬剤を内側から直接患部に届けるため、高い有効性が期待できます。
  • 即効性:夜間痛・強い安静時痛については早期から改善します。
  • 安全性:ステロイドのような副作用がなく、長期的な使用が可能です。血管から作用させるのみであり、組織を傷つける心配がありません。
  • 低侵襲:負担の少ない治療であり、当日から治療後の特別な制限は不要です(日帰り手術)。小児~高齢者まで幅広く気軽に受けていただけます。
  • 効果の持続:治療効果が長期間持続するため、再発のリスクが低減されます。

予防とセルフケア

筋・筋膜性腰痛症を予防するためには、日常生活での注意が必要です。以下のポイントを参考にしてください

    • 正しい姿勢の維持:デスクワークやスマートフォンの使用時に正しい姿勢を保つことが重要です。
    • 定期的なストレッチ:腰部を支える筋肉を柔軟に保つために、定期的にストレッチを行いましょう。
    • 適度な運動:腰部の安定性を高めるために、適度な運動を心がけましょう。
    • 休息の確保:長時間同じ姿勢を続けないようにし、定期的に休憩を取りましょう。
    • 体重管理:適正な体重を維持することで、腰部にかかる負担を軽減します。

Q&A

Q1: 筋・筋膜性腰痛は運動不足と関連していますか?
A1: 筋・筋膜性腰痛は運動不足が原因の1つとして考えられます。筋肉の弱体化や柔軟性の低下が腰部に負担をかけることがあります。

Q2: 筋・筋膜性腰痛はどのような活動で悪化することがありますか?
A2: 筋・筋膜性腰痛は重い物の持ち上げや長時間の座位、急激な動作、反復動作など、腰に負荷のかかる活動によって悪化することがあります。

Q3: マッサージは筋・筋膜性腰痛の治療に効果がありますか?
A3: マッサージは一時的な痛みの緩和や筋肉の緊張の緩和に効果がありますが、根本的な治療ではありません。痛みの原因となる筋肉の弱体化や姿勢の改善が重要です。

Q4: 筋・筋膜性腰痛とディスクヘルニアは関連していますか?
A4: 筋・筋膜性腰痛とディスクヘルニアは異なる疾患です。筋・筋膜性腰痛は筋肉や筋膜の問題に起因し、ディスクヘルニアは椎間板の問題に起因します。

Q5: 筋・筋膜性腰痛は遺伝するのでしょうか?
A5: 筋・筋膜性腰痛は遺伝的な要因が関与する可能性もありますが、主な原因は日常の生活習慣や姿勢などの環境要因です。

Q6: 腰痛の悪化を防ぐためにはどのような予防策がありますか?
A6: 筋・筋膜性腰痛の予防には、定期的な運動や筋力トレーニング、正しい姿勢の保持、重い物の適切な持ち方などが重要です。

Q7: 筋・筋膜性腰痛は年齢によって発症しやすいですか?
A7: 筋・筋膜性腰痛は年齢に関係なく発症する可能性がありますが、加齢による筋力の低下や身体の変化がリスクを増加させることがあります。

Q8: 筋・筋膜性腰痛の症状が改善するまでにはどのくらいの時間がかかりますか?
A8: 筋・筋膜性腰痛の症状の改善には個人差がありますが、適切な治療やリハビリテーションを受ければ数週間から数ヶ月で改善する場合が多いです。

Q9: 筋・筋膜性腰痛と炎症性腰痛は同じですか?
A9: 筋・筋膜性腰痛と炎症性腰痛は異なる疾患です。筋・筋膜性腰痛は筋肉や筋膜の問題が原因であり、炎症性腰痛は炎症が原因です。

Q10: 筋・筋膜性腰痛の再発を防ぐためには何をすれば良いですか?
A10: 筋・筋膜性腰痛の再発を防ぐためには、適切な姿勢の保持、適度な運動やストレッチ、筋力トレーニングの継続、重い物の適切な持ち方などが重要です。

筋筋膜性腰痛症の実例紹介

 

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顔・首

 
 
 

肩・腕・肘・手

 

 

腰臀部股関節

 

 
 

 
 

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