O脚・X脚

脚のゆがみは見た目に不自然な印象を与えることがあり、コンプレックスに感じる方も少なくありません。また、脚のゆがみには、一般的なO脚やX脚に加え、OX脚と呼ばれるタイプも存在し、それぞれ脚の形や症状が異なります。

【O脚とは】

O脚は、両膝が外側に開き、くるぶしを合わせても膝が内側で接触しない状態を指します。特に日本人に多いとされ、日本人特有の筋肉や靭帯の付き方が影響しているといわれています。O脚は膝に負担がかかりやすく、進行すると変形性股関節症のリスクが高まることがあります。

【X脚とは】

X脚は、膝が内側に向かって開き、膝の内側は接触するものの、くるぶしがつかない状態です。

【OX脚とは】

OX脚は、膝が内側に向かい、膝下が外側へ開いてしまう状態を指します。

原因

O脚の原因

乳幼児期の骨や関節が柔らかい時期には、O脚になることが一般的ですが、成長とともに自然と改善されることが多いです。大人になってもO脚が続く場合、立ち方や座り方といった姿勢の悪さや生活習慣が影響している可能性があります。長期間の悪い姿勢が下半身にゆがみを引き起こし、股関節が外側に開きやすくなることで、O脚になりやすくなります。また、骨の発育不全や靭帯のゆるみ、先天的なケガなどもO脚の原因となることがあります。

X脚の原因

X脚は、骨盤が前傾し、大腿骨が内側に回転することで、膝どうしが接触する状態です。姿勢の悪さ、筋力のバランスの崩れ、関節の緩みなどが主な原因です。

XO脚の原因

重心がかかとに偏ることで、足のバランスが崩れ、膝がゆがんでXO脚が引き起こされます。姿勢の悪さ、内転筋の筋力低下、骨盤のゆがみ、そして歩き方の癖が影響すると考えられています。

症状

O脚・X脚は見た目の問題だけでなく、健康にも影響を及ぼす可能性があります。脚の変形が進むと、膝や足底にかかる負担が増え、関節の痛みやさまざまな疾患を引き起こすリスクが高まります。

O脚のリスク

片脚だけがO脚になる場合、股関節や膝関節に負担がかかり、変形が進行することがあります。変形が進むと、痛みや可動域の制限などの機能障害が現れやすくなります。O脚は外側に力がかかりやすいため、膝関節の内側が圧迫され、痛みが生じる原因となります。

X脚のリスク

X脚が進行すると、膝の外側に圧力がかかり、痛みや関節の変形が生じやすくなります。膝が内側に寄ることで、膝関節の外側が潰れ、負担が増すため、症状が悪化しやすい状態です。

これらの変形が進むと、変形性膝関節症などの疾患リスクも高まりますので、早期の対処が重要です。

治療

手技療法

O脚やX脚によって足にゆがみが生じると、股関節や膝に過度な負担がかかり、筋肉が硬くなってしまいます。そのため、まずは手技療法を用いて硬くなった筋肉をほぐし、全身のバランスを整えることが重要です。これにより、筋肉の柔軟性が向上し、姿勢改善が期待できます。

骨盤矯正

O脚やX脚は、骨盤のゆがみが原因となっていることが多いです。骨盤矯正では、骨盤を正しい位置に戻すことで、足のゆがみの改善を図ります。骨盤の位置が整うことで、足全体のバランスが整い、O脚やX脚の改善が期待できます。

テーピング

膝のゆがみがO脚やX脚の原因となっている場合、テーピングを用いて膝周りの筋肉にサポートを加えます。テーピングは、筋肉のサポートや正しい動作の誘導に役立ち、姿勢を改善しやすくします。

モヤモヤ血管と運動器カテーテル治療

近年注目されている治療法として、運動器カテーテル治療があります。この方法は、痛みを長引かせている微細な病的新生血管、通称「モヤモヤ血管」に直接アプローチすることで症状を改善します。モヤモヤ血管が発生するとなぜ痛みが生じるのかについてご説明します。損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより炎症が起きている部位には、その修復の過程で血管が増えます。痛みの原因部位にできてしまう異常な血管が、血管造影画像では、かすんでぼやけて見えるため、この新生血管をわかりやすいように“モヤモヤ血管”と呼んでいます。モヤモヤ血管は通常、出来ては消え、出来ては消え、ということを繰り返していますが、何らかの原因で消えなくなった病的新生血管のそばには病的な神経も増殖していることが分かっています。これらが痛み信号を発するほか、病的血流が増えることで局所の組織圧が高まることなどにより、五十肩や腰痛、膝の痛みなどの長引く痛みが引き起こされると考えられています。一般に、40歳以上になるとモヤモヤ血管を自然に減らす力が衰えてくるため、長引く痛みが生じやすくなります。微細な血管は通常の治療ではアクセスが難しい部位に存在します。運動器カテーテル治療では、これらの血管にカテーテルを用いて薬剤を直接注入し、炎症を抑えます。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は、この治療法を検討されるとよいでしょう。

運動器カテーテル治療のメリット

  • 有効性:薬剤を内側から直接患部に届けるため、高い有効性が期待できます。
  • 即効性:夜間痛・強い安静時痛については早期から改善します。
  • 安全性:ステロイドのような副作用がなく、長期的な使用が可能です。血管から作用させるのみであり、組織を傷つける心配がありません。
  • 低侵襲:負担の少ない治療であり、当日から治療後の特別な制限は不要です(日帰り手術)。小児~高齢者まで幅広く気軽に受けていただけます。
  • 効果の持続:治療効果が長期間持続するため、再発のリスクが低減されます。

予防とセルフケア

正しい姿勢を保つ

骨盤のゆがみが原因でO脚やX脚が発症することがあります。日常的に正しい姿勢を意識することで予防が可能です。

座っているとき

座る際には、骨盤を立てるように意識しましょう。骨盤の下にある坐骨に、左右均等に体重をかけることがポイントです。背もたれに寄りかかりすぎず、足と膝の角度を90度に保つことを心がけてください。

立っているとき

立っているときは、耳の穴、肩、くるぶしを一直線にし、地面に対して垂直な姿勢を意識しましょう。また、大臀筋を意識してお尻を引き締め、下腹部に力を入れることで安定した姿勢を維持できます。


ストレッチで筋力を強化する

O脚の場合

O脚の予防には内転筋を鍛えることが重要です。内転筋は両膝の内側をくっつける動作で強化できます。方法は、つま先を正面に向けて軽く足を開き、両膝の内側を約20秒間くっつけるという簡単なストレッチです。これを1日5セット行うと効果的です。

デスクワークが多い方は長時間同じ姿勢が続くため、内転筋が弱くなることがあります。定期的に休憩を取り、こまめにストレッチを行うことが大切です。

X脚の場合

X脚の予防には外転筋の強化が必要です。外転筋は「あぐらストレッチ」で鍛えることができます。あぐらをかいて座り、両足の裏を合わせ、手で膝を上から軽く押し、20秒間キープします。お風呂上がりなど、体が温まっているときに行うと筋肉がほぐれやすく、より効果が高まります。

日々の姿勢やストレッチを取り入れて、O脚やX脚の予防に努めましょう。

Q&A

Q1. O脚とX脚の違いは何ですか?

O脚は、立ったときに膝が外側に開き、両膝の間に隙間ができる状態です。一方、X脚は、膝が内側に向かってくっつき、足首の間に隙間ができる状態です。

Q2. 年齢によって変化しますか?

子どもの成長過程で見られることがあり、成長とともに自然に治ることが多いですが、大人になってからも残る場合や、加齢に伴い悪化することがあります。

Q3. 遺伝しますか?

家族間で似た骨格や体型が引き継がれることが多く、遺伝的な要素が影響している可能性があります。しかし、姿勢や生活習慣も大きく関与します。

Q4. 健康に影響を与えることがありますか?

膝や股関節に過度な負担をかけるため、長期的には変形性膝関節症などの関節の問題を引き起こすことがあります。

Q5. 矯正は可能ですか?

適切なエクササイズやストレッチで改善できる場合があります。特に軽度の変形であれば、筋肉のバランスを整えることで矯正が可能です。

Q6. 悪化させないためにはどのような習慣が必要ですか?

悪化を防ぐためには、正しい姿勢での歩行や座り方を心がけること、さらに足に合った靴を履くことが重要です。また、無理な負荷をかける運動は避けましょう。

Q7. 靴の選び方には関連がありますか?

足に合わない靴やヒールの高い靴は、O脚やX脚を悪化させる可能性があります。足に合った、サポート性の高い靴を選ぶことが大切です。

Q8. スポーツにどのような影響を与えますか?

O脚やX脚の状態では、膝に負担がかかりやすく、スポーツ時にけがのリスクが高まる可能性があります。特にランニングやジャンプを伴うスポーツでは注意が必要です。

Q9. 手術はどのような場合に行われますか?

手術は、重度のO脚やX脚で痛みや日常生活に支障をきたす場合に検討されます。骨の位置を調整する手術が一般的です。

Q10. エクササイズにはどのようなものがありますか?

股関節や膝周りの筋肉を強化するエクササイズが効果的です。スクワットやストレッチ、体幹を鍛えるトレーニングがO脚やX脚の改善に役立ちます。

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