背骨を押すと痛い…それは棘上靭帯炎かもしれません

「背骨の真ん中を押すと痛い」
「前かがみや反らす動作で痛む」
「長時間座っていると背中や腰が痛くなる」
「レントゲンでは異常がないと言われた」
「慢性的な腰痛が続いている」

このような症状がある場合、棘上靭帯炎(きょくじょうじんたいえん)の可能性があります。

棘上靭帯炎とは、背骨の後方にある「棘上靭帯(きょくじょうじんたい)」に炎症が生じ、背中や腰の中央部分に痛みが生じる疾患です。
スポーツや仕事による繰り返し動作、長時間の不良姿勢などによって発症し、慢性腰痛の原因となることがあります。

棘上靭帯とは?

背骨は椎骨(ついこつ)と呼ばれる骨が積み重なってできています。
それぞれの椎骨の後方には「棘突起(きょくとっき)」という骨の出っ張りがあり、その棘突起同士を縦につないでいるのが棘上靭帯です。

棘上靭帯は、

  • 背骨の安定化
  • 過度な前屈の制御
  • 姿勢保持

といった重要な役割を担っています。

この靭帯に繰り返し負荷がかかることで炎症が起こり、痛みが生じた状態を棘上靭帯炎と呼びます。

棘上靭帯炎の症状

背骨の真ん中の痛み

最も多い症状です。
背骨に沿った中央部分に痛みが現れます。
特に腰椎や胸腰椎移行部に多くみられます。

押すと痛い

炎症が起きている部分を指で押すと強い痛みがあります。
棘突起を押した際の圧痛は特徴的な所見です。

前かがみで痛い

体を前へ倒す動作によって靭帯が引き伸ばされ、痛みが強くなることがあります。

体を反らしても痛い

炎症が強い場合には後屈動作でも症状が出ることがあります。

長時間座ると痛い

デスクワークや長距離運転後に痛みが強くなることがあります。

朝起きた時に痛い

就寝中に硬くなった靭帯へ負荷がかかることで朝に症状が出る場合があります。

スポーツ中に痛い

  • ゴルフ
  • 野球
  • テニス
  • 陸上競技

など体幹を繰り返し使うスポーツで発症しやすくなります。

棘上靭帯炎の原因

繰り返しの前屈動作

最も多い原因です。
中腰作業や重量物の持ち上げ動作によって靭帯へ負担がかかります。

スポーツによる負荷

体幹のひねりや反復動作によって微細損傷が蓄積します。

長時間のデスクワーク

猫背姿勢が続くことで棘上靭帯に持続的な緊張がかかります。

姿勢不良

  • 猫背
  • 円背
  • 骨盤後傾

などが原因になることがあります。

腰椎不安定性

椎間板変性や加齢によって背骨の安定性が低下すると靭帯への負担が増加します。

外傷

転倒やスポーツ中の衝撃によって発症することがあります。

棘上靭帯炎になりやすい人

  • デスクワーク中心の方
  • 長時間運転する方
  • 介護職の方
  • 建設業や重量物を扱う方
  • ゴルファー
  • 野球選手
  • テニス選手
  • 慢性腰痛がある方

に多くみられます。

棘上靭帯炎と腰椎椎間板ヘルニアの違い

腰痛を生じるため混同されることがあります。

棘上靭帯炎

  • 背骨の真ん中が痛い
  • 押すと痛い
  • 神経症状は少ない
  • しびれを伴わないことが多い

腰椎椎間板ヘルニア

  • 腰から足へ痛みが広がる
  • 足のしびれを伴う
  • 神経圧迫が原因

症状や検査による鑑別が重要です。

棘上靭帯炎を放置するとどうなる?

初期であれば改善しやすい疾患です。
しかし負担が続くことで、

  • 慢性腰痛
  • 背中の痛み
  • 可動域制限
  • スポーツパフォーマンス低下
  • 再発の繰り返し

につながる可能性があります。
慢性化すると日常生活にも大きな影響を及ぼします。

棘上靭帯炎の検査

問診・診察

痛みの部位や動作との関係を確認します。

触診

棘突起周囲の圧痛を確認します。
診断上非常に重要です。

レントゲン検査

骨折や変形性脊椎症など他疾患との鑑別を行います。

MRI検査

靭帯周囲の炎症や他の脊椎疾患の有無を確認するために行われることがあります。

超音波検査(エコー)

靭帯周囲の炎症や異常血流を確認できる場合があります。

棘上靭帯炎の治療

安静・活動量調整

まずは負担となる動作を減らします。

薬物療法

  • 消炎鎮痛薬
  • 湿布
  • 外用薬

などを使用します。

リハビリテーション

治療の中心となります。

  • 姿勢改善
  • 体幹トレーニング
  • ストレッチ
  • 股関節柔軟性改善

などを行います。

注射治療

痛みが強い場合には局所注射が行われることがあります。

コルセット療法

腰への負担軽減を目的に使用される場合があります。

長引く背中や腰の痛みとモヤモヤ血管の関係

棘上靭帯炎では、靭帯に微細な損傷と炎症が繰り返し起こっています。
近年、この慢性的な炎症の背景に「モヤモヤ血管」と呼ばれる異常な毛細血管が関与していることがわかってきました。

本来、血管は傷ついた組織を修復するために作られます。
しかし炎症が長引くことで必要以上に血管が増殖し、その周囲には痛みを感じる神経も増えていきます。

その結果、

  • 数か月以上痛みが続く
  • マッサージをしても改善しない
  • リハビリでも改善しない
  • 腰痛を繰り返す

といった慢性的な症状につながることがあります。

運動器カテーテル治療という新しい選択肢

近年、慢性的な腰痛や背部痛に対する治療として「運動器カテーテル治療」が注目されています。

運動器カテーテル治療は、痛みの原因となるモヤモヤ血管に対してカテーテルを用いて治療を行う方法です。手首や足の付け根などの血管から細いカテーテルを挿入し、棘上靭帯周囲の異常血管へアプローチします。

身体への負担が少なく、

  • 棘上靭帯炎が長引いている
  • 慢性腰痛が改善しない
  • リハビリや注射で改善しない
  • 手術は避けたい

という方にとって、新たな治療選択肢となる可能性があります。

このような症状があればご相談ください

  • 背骨の真ん中が痛い
  • 押すと痛い
  • 前かがみで痛い
  • 長時間座ると痛い
  • スポーツ中に痛い
  • 慢性的な腰痛がある
  • リハビリでも改善しない
  • 手術以外の治療法を探している

棘上靭帯炎は、見逃されやすい慢性腰痛・背部痛の原因のひとつです。

なごやEVTクリニックでは、棘上靭帯炎による慢性的な背中や腰の痛みに対する運動器カテーテル治療を行っています。
長引く背中や腰の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

Q&A

Q: 棘上靭帯炎は予防できますか?
A: はい、棘上靭帯炎のリスクを軽減するためには予防策を取ることが重要です。正しい姿勢を保つ、適切なストレッチやウォームアップを行う、適切な靴を履くなどが予防に役立ちます。

Q: 棘上靭帯炎は何歳から発症する可能性がありますか?
A: 棘上靭帯炎は年齢に関係なく発症する可能性がありますが、一般的には活動的な成人や高齢者によく見られます。特に運動や身体活動に従事する人々によく発生します。

Q: 棘上靭帯炎の治療には手術が必要ですか?
A: ほとんどの場合、手術は必要ありません。初期段階では保守的な治療法が主流です。安静、物理療法、炎症を抑えるための薬物療法などが一般的な治療方法です。

Q: 棘上靭帯炎を放置するとどんな問題が生じる可能性がありますか?
A: 棘上靭帯炎を放置すると、症状が悪化し、痛みが慢性化する可能性があります。日常生活や運動への影響が増し、最終的には治療が困難になる場合もあります。

Q: 棘上靭帯炎のリハビリテーションにはどのような方法がありますか?
A: 棘上靭帯炎のリハビリテーションには、筋力トレーニング、ストレッチ、バランス訓練、足の正しい使い方の指導などが含まれます。リハビリテーションプログラムは個々の症状とニーズに合わせてカスタマイズされます。

Q: 棘上靭帯炎と関連する他の疾患はありますか?
A: 棘上靭帯炎は他の足関節疾患や足の痛みと関連していることがあります。例えば、腱膜炎、足底筋膜炎、アキレス腱炎などが関連する病態として挙げられます。

Q: 棘上靭帯炎の完全な回復にはどのくらいの時間がかかりますか?
A: 棘上靭帯炎の回復時間は個人差がありますが、一般的には数週間から数ヶ月かかる場合があります。治療への適切な対応やリハビリテーションの順守が早期回復につながることがあります。

Q: 棘上靭帯炎とランニングの関係について教えてください。
A: 棘上靭帯炎はランニングやジャンプなどの高負荷の運動で発症することが多いです。不適切な靴やトレーニング方法、過度の負荷などが原因となることがあります。

Q: 棘上靭帯炎の再発を防ぐためにはどうすれば良いですか?
A: 棘上靭帯炎の再発を防ぐためには、予防策を継続することが重要です。適切な靴を履く、適度な運動を行う、過度の負荷を避けるなどの対策が有効です。また、初期の症状が再発した場合は早めに適切な治療を受けることも重要です。

棘上靱帯炎の実例紹介

 

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肩・腕・肘・手

 

 

腰臀部股関節

 

 
 

 
 

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