足底線維腫とは?

足底線維腫は足の裏の土踏まずにできる”しこり”のことを言います。別名レダーホース病とも呼ばれています。多くの場合は良性の”しこり”で、痛みがないケースがほとんどです。触ったり、押したりして痛みを感じなければ、特に病院に行ったりする必要もありません。痛みがある場合には、足底筋膜炎によって痛みが出ているケースもあります。足底線維腫と足底筋膜炎は併発するケースが多く、しこりによる痛みの場合と足底筋膜炎による痛みの場合があります。

足底線維腫はどんな症状?

基本的に無症状のことが多いです。あまりに大きくなって、荷重時に痛みを感じたり、足底腱膜が引っ張られることで違和感を感じることもあります。背伸びをするように足の指先で立とうとすると、足裏、土踏まずのあたりに強い痛みを生じることがあります。人によっては歩行時、ランニング時などで足指が反ると痛みを感じます。

足底線維腫症の「原因」は?

はっきりとした原因は未だ解明されていませんが、足底線維腫の原因は足底筋膜へのダメージの蓄積によってできることが多いようです。長年の足底筋膜への負荷や、足に合わない靴で仕事を長年続けていたり、重たい荷物を運ぶ仕事をしていたりする方などに多く見られます。また男性で太っている方、プラス糖尿病を患っている人に発症しやすい傾向があります。

足底線維腫症の治療は?

歩行時や立位時に障害が出ない限りは、積極的な治療はせずに保存治療を行うことが多いです。当たったり、負荷を受けることで炎症を生じた場合は、消炎剤やインソールで対応することもあります。あまりにも大きいとステロイド注射や切除の対象になることもあります。

モヤモヤ血管と運動器カテーテル治療

近年注目されている治療法として、運動器カテーテル治療があります。この方法は、痛みを長引かせている微細な病的新生血管、通称「モヤモヤ血管」に直接アプローチすることで症状を改善します。モヤモヤ血管が発生するとなぜ痛みが生じるのかについてご説明します。損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより炎症が起きている部位には、その修復の過程で血管が増えます。痛みの原因部位にできてしまう異常な血管が、血管造影画像では、かすんでぼやけて見えるため、この新生血管をわかりやすいように“モヤモヤ血管”と呼んでいます。モヤモヤ血管は通常、出来ては消え、出来ては消え、ということを繰り返していますが、何らかの原因で消えなくなった病的新生血管のそばには病的な神経も増殖していることが分かっています。これらが痛み信号を発するほか、病的血流が増えることで局所の組織圧が高まることなどにより、五十肩や腰痛、膝の痛みなどの長引く痛みが引き起こされると考えられています。一般に、40歳以上になるとモヤモヤ血管を自然に減らす力が衰えてくるため、長引く痛みが生じやすくなります。微細な血管は通常の治療ではアクセスが難しい部位に存在します。運動器カテーテル治療では、これらの血管にカテーテルを用いて薬剤を直接注入し、炎症を抑えます。通常の治療で良くならない場合、あるいはとにかく早く楽になりたい方は、この治療法を検討されるとよいでしょう。

運動器カテーテル治療のメリット

  • 有効性:薬剤を内側から直接患部に届けるため、高い有効性が期待できます。
  • 即効性:夜間痛・強い安静時痛については早期から改善します。
  • 安全性:ステロイドのような副作用がなく、長期的な使用が可能です。血管から作用させるのみであり、組織を傷つける心配がありません。
  • 低侵襲:負担の少ない治療であり、当日から治療後の特別な制限は不要です(日帰り手術)。小児~高齢者まで幅広く気軽に受けていただけます。
  • 効果の持続:治療効果が長期間持続するため、再発のリスクが低減されます。

足底線維腫症の予防は?

足底腱膜に負荷をかけないようにインソールで足裏のアーチを保つことです。足底腱膜の微小な損傷の繰り返しで起こると考えられているので、ご自分で足裏をマッサージしておくのも効果的です。

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