間質性膀胱炎とは

間質性膀胱炎とは、膀胱に慢性的な炎症が生じることで、頻尿や尿意切迫感、膀胱の痛みなどを引き起こす病気です。
正式には「間質性膀胱炎・膀胱痛症候群(IC/BPS)」と呼ばれています。
一般的な膀胱炎のように細菌感染が原因ではなく、尿検査をしても異常が見つからないことが少なくありません。そのため、長期間症状が続いているにもかかわらず診断がつかず、複数の医療機関を受診している患者さんも少なくありません。
間質性膀胱炎は命に関わる病気ではありませんが、
• トイレが近くて外出できない
• 夜中に何度も目が覚める
• 常に膀胱に違和感がある
• 下腹部の痛みが続いている
など、日常生活の質を大きく低下させる疾患です。

間質性膀胱炎の主な症状

頻尿

間質性膀胱炎の代表的な症状です。
通常よりも排尿回数が増え、重症の場合には1日20回以上トイレに行く方もいます。
仕事中や外出中にも頻繁にトイレを探さなければならず、大きなストレスとなります。

尿意切迫感

突然強い尿意を感じる症状です。
「今すぐトイレへ行かなければならない」
という感覚が繰り返し起こります。

膀胱の痛み

膀胱に尿がたまると痛みが強くなり、排尿後に軽くなるのが特徴です。
痛みの程度は人によって異なりますが、
• 重苦しい痛み
• ヒリヒリする痛み
• 圧迫されるような痛み
として感じることがあります。

下腹部や骨盤の痛み

膀胱周囲だけでなく、
• 下腹部
• 会陰部
• 骨盤周囲
• 鼠径部
などに痛みや違和感が広がることがあります。

夜間頻尿

夜中に何度もトイレへ起きるため睡眠不足になりやすく、疲労感や集中力低下の原因となります。

間質性膀胱炎と一般的な膀胱炎の違い

一般的な膀胱炎は細菌感染によって発症します。
そのため、
• 排尿時痛
• 頻尿
• 残尿感
などが現れますが、抗菌薬によって改善することがほとんどです。
一方、間質性膀胱炎は感染症ではありません。
そのため、
• 尿検査で異常が見つからない
• 抗菌薬が効かない
• 何か月も症状が続く
という特徴があります。
「膀胱炎を繰り返していると思っていたら間質性膀胱炎だった」
というケースも珍しくありません。

間質性膀胱炎の原因

現在のところ、間質性膀胱炎の原因は完全には解明されていません。
しかし、以下のような要因が関与していると考えられています。

膀胱粘膜の障害

膀胱の内側には粘膜によるバリアがあります。
このバリア機能が低下すると、尿中の刺激物質が膀胱壁へ浸透しやすくなり炎症が起こると考えられています。

慢性炎症

膀胱に慢性的な炎症が存在することが報告されています。
ただし、なぜ炎症が続くのかは完全には解明されていません。

神経の過敏化

膀胱周囲の神経が過敏になり、わずかな刺激でも強い痛みとして感じるようになる場合があります。

自己免疫との関連

自己免疫異常との関連も指摘されています。
関節リウマチやシェーグレン症候群などの自己免疫疾患を合併する方もいます。

ストレス

精神的ストレスが症状を悪化させることが知られています。

間質性膀胱炎になりやすい人

間質性膀胱炎は女性に多い疾患です。
特に40代以降で発症することが多いとされています。
また、
• 慢性的なストレスがある
• 過敏性腸症候群がある
• 慢性疼痛疾患がある
• 原因不明の痛みが続いている
といった方にみられることがあります。

間質性膀胱炎で症状が悪化しやすいもの

患者さんによって異なりますが、
以下のようなものが症状を悪化させることがあります。
• コーヒー
• 緑茶
• 紅茶
• アルコール
• 炭酸飲料
• 香辛料
• 柑橘類
• トマト
• 睡眠不足
• 精神的ストレス
自分にとって症状を悪化させる要因を把握することも重要です。

間質性膀胱炎の検査

診断には以下のような検査が行われます。

問診

症状の経過や排尿状況を詳しく確認します。

排尿日誌

排尿回数や排尿量を記録し評価します。

尿検査

感染症や他の病気を除外するために行います。

超音波検査

膀胱や尿路の異常を確認します。

膀胱鏡検査

膀胱内を直接観察する検査です。
ハンナ病変と呼ばれる特徴的な所見がみられることがあります。

間質性膀胱炎の一般的な治療法

生活習慣の改善

症状を悪化させる食品や飲料を避けます。
また、ストレス管理や十分な睡眠も重要です。

薬物療法

痛みや頻尿を改善するために薬が使用されます。

膀胱水圧拡張術

麻酔下で膀胱を拡張する治療です。
症状改善が期待できる場合があります。

ハンナ病変に対する治療

病変部に対して焼灼術などが行われることがあります。

間質性膀胱炎は自然に治る?

軽症の場合は症状が改善することもあります。
しかし、多くの患者さんでは症状の改善と悪化を繰り返します。
そのため、
「そのうち治るだろう」
と我慢するのではなく、適切な診断と治療を受けることが大切です。

なぜ間質性膀胱炎の痛みは長引くのか

間質性膀胱炎では、
膀胱の炎症だけでなく、
• 神経の過敏化
• 慢性炎症
• 痛みの記憶
• 血流異常
などが複雑に関与していると考えられています。
そのため、
検査で大きな異常が見つからないにもかかわらず痛みが続くことがあります。
また、
• 何年も痛みが続いている
• 複数の治療を受けても改善しない
という患者さんも少なくありません。

慢性疼痛とモヤモヤ血管の関係

近年、慢性的な痛みの原因として病的新生血管が注目されています。
なごやEVTクリニックでは、この病的新生血管を「モヤモヤ血管」と呼んでいます。
本来、新生血管は組織修復のために作られますが、役割を終えると自然に消失します。
しかし慢性的な炎症が続くと、
病的新生血管が残存し、
さらにその周囲には異常な神経が増殖することがあります。
その結果、
• 痛み信号を送り続ける
• 炎症を長引かせる
• 痛みを慢性化させる
可能性があります。
長期間続く慢性疼痛の一部では、このモヤモヤ血管が関与していることがわかってきています。

運動器カテーテル治療という選択肢

なごやEVTクリニックでは、慢性的な痛みの原因となるモヤモヤ血管に対して運動器カテーテル治療を行っています。
手首や足の付け根の血管から直径約0.6mmの極細カテーテルを挿入し、病的新生血管へ直接アプローチする治療法です。
運動器カテーテル治療は間質性膀胱炎そのものを治療する標準治療ではありません。
しかし、
• 長期間痛みが続いている
• 原因不明の慢性疼痛と言われている
• 複数の治療を受けても改善しない
• 慢性的な骨盤痛や下腹部痛が続いている
といった場合には、慢性疼痛としての側面から治療を検討できる可能性があります。
症状やこれまでの治療経過によって適応は異なりますので、まずはご相談ください。

このような方はご相談ください

• 頻尿が何か月も続いている
• 膀胱の痛みが改善しない
• 尿検査では異常がない
• 何度も膀胱炎と言われている
• 骨盤や下腹部の痛みが長期間続いている
• 慢性的な痛みで悩んでいる

よくある質問

間質性膀胱炎は完治しますか?

症状が大きく改善する方もいますが、再発や増悪を繰り返すこともあります。

間質性膀胱炎は女性だけの病気ですか?

女性に多い病気ですが、男性にも発症します。

間質性膀胱炎は何科を受診すればよいですか?

泌尿器科を受診してください。

コーヒーは飲まない方がよいですか?

症状を悪化させることがあるため、控えた方がよい場合があります。

ストレスで悪化しますか?

はい。ストレスが症状悪化のきっかけになることがあります。

頻尿や膀胱の痛みでお悩みの方へ

間質性膀胱炎は、頻尿や膀胱の痛みが長期間続くつらい病気です。
また、症状が慢性化すると炎症だけでは説明できない痛みが続くこともあります。
なごやEVTクリニックでは、長引く痛みの背景にあるモヤモヤ血管や慢性疼痛に着目した診療を行っています。
頻尿や膀胱の痛み、慢性的な骨盤痛でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

Q&A

Q1. 頻尿や膀胱の痛みを感じるのはなぜですか?

頻尿や膀胱の痛みは、膀胱内の炎症が原因であることが多く、間質性膀胱炎の可能性があります。この炎症により、膀胱が正常に機能しなくなり、痛みや違和感が生じます。

Q2. 間質性膀胱炎の初期症状にはどのようなものがありますか?

初期症状には、頻尿、膀胱の痛み、排尿時の不快感があります。これらの症状が数か月以上続く場合、間質性膀胱炎の可能性が考えられます。

Q3. 間質性膀胱炎はどのように診断されますか?

間質性膀胱炎は、問診や膀胱鏡検査、膀胱の生検などを通じて診断されます。症状が他の疾患と重なることがあるため、詳細な検査が必要です。

Q4. 間質性膀胱炎の治療にはどのような方法がありますか?

治療法には、薬物療法や生活習慣の改善、膀胱内への薬剤注入、さらに重症の場合は手術が検討されることもあります。個々の症状に応じた治療が重要です。

Q5. 膀胱の痛みを和らげるためのセルフケア方法はありますか?

膀胱の痛みを和らげるためには、特定の食事を避けることや、ストレスを軽減することが効果的です。また、膀胱を温めることも一時的な痛みの緩和に役立ちます。

Q6. 間質性膀胱炎の悪化を防ぐために避けるべき習慣や食べ物はありますか?

刺激物やカフェイン、アルコール、酸性の強い食品は膀胱の炎症を悪化させる可能性があります。また、ストレスや過労も症状の悪化に繋がることがあるため、避けることが推奨されます。

Q7. 間質性膀胱炎が悪化する前に医師に相談すべきタイミングは?

頻尿や膀胱の痛みが数か月続く場合や、生活に支障をきたす場合は、早めに医師に相談することが重要です。早期の診断と治療が症状の進行を防ぎます。

Q8. 間質性膀胱炎の治療には手術が必要ですか?

軽度から中程度の症状の場合、手術は必要ありませんが、症状が重度で他の治療が効果を示さない場合、手術が検討されることがあります。

Q9. 間質性膀胱炎の症状を軽減するためのリハビリや運動はありますか?

膀胱周りの筋肉をリラックスさせるためのストレッチや、骨盤底筋を強化する運動が症状の軽減に役立つことがあります。無理のない範囲で行うことが大切です。

Q10. 間質性膀胱炎の再発を防ぐためにはどんな生活習慣が効果的ですか?

再発を防ぐためには、刺激の少ない食事を心がけることや、定期的なリラックス法を取り入れることが効果的です。適切な水分補給も膀胱の健康を保つために重要です。

間質性膀胱炎の実例紹介

モヤモヤ血管

 

顔・首

 
 
 

肩・腕・肘・手

 

 

腰臀部股関節

 

 
 

 
 

その他