足:アキレス腱炎、足底筋膜炎、踵骨棘など

【30代:男性】10年前から治らないしつこい外反母趾の痛み。(外反母趾、バニオン(皮下滑液包炎)合併)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

左足親指の付け根が歩くときに痛み、特に運動に支障をきたすとのことでご相談いただきました。痛みは10年前からで、小学校5年生~高校3年生までサッカーを続けていたことなども原因かもしれないとのことでした。

診察時の所見

一見してわかる典型的な外反母趾でした。疼痛部位に一致して、発赤や軽度の腫脹、強い圧痛がありました。エコー検査では、滑液包の肥厚、異常血流増生など、いわゆるバニオン(皮下滑液包炎)の所見を認めました。以上より、外反母趾にバニオンを合併している状態(第1中足骨頭部皮下滑液包炎)と診断されました。モヤモヤ血管(病的新生血管)の関与が明らかでしたので、微細動脈塞栓術を行いました。

治療の所見

局所麻酔下に、足の甲の血管(足背動脈)に直接細い針(外径0.45mm)で穿刺して薬液を投与しました。止血も含めて5分ほどで終了しました。

治療後の経過

治療後すぐに楽になり、長時間の立ち仕事がずいぶんと楽になったそうです。1か月半後の検査では滑液包炎が改善し、異常血流信号も完全に消失していました(写真⑩)。靴・インソールを整えて再発予防に努めていただいています。外反母趾は程度に差はあれ非常に多くの方にみられますが、バニオンを伴いやすく、合併した際には強い痛みを生じます。構造的な異常を根本的に治すために、骨切り術なども行われていますが、血管塞栓術では切らずに大幅に症状を改善することが可能です。再発予防のためには適正な靴を履いていただき、インソールの工夫なども含めて負担を減らすことが重要です。

外反母趾の詳しい病状説明はこちら

 
 

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