股:変形性股関節症など

【50代:女性】クラシックバレエダンサーを10年近く悩ませていた右股関節痛および腰痛(変形性股関節症)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

クラシックバレエインストラクターの方です。40代から右股関節に引っ掛かりを感じていました。50歳で腰が痛くなり歩けなくなってしまいました。整形外科では両側股関節の初期の変形があると言われ、湿布や痛み止めを処方されましたが効果はありませんでした。右腰が常に痛く、歩いていると大転子の横がすぐに痛くなり歩けなくなる状態で、平地歩行でも症状が増悪し、夜間痛まで生じているため痛みで眠れない日がずっと続いていました。直近の検査では、両側変形性股関節症に加えて脊柱管狭窄、右足関節靭帯損傷も指摘されていました。

診察時の所見

腰は後屈で中等度の可動域制限を認めたもののクラシックバレエを長年されているだけあって、身体はかなり柔らかくその他の可動域は保たれていました。一方、右股関節は膝を外に開く動作(股関節外旋)において制限があり動作不良を認めました。エコーでは股関節に骨棘および異常血流信号(モヤモヤ血管を反映)を認め、レントゲンでは両側の股関節変形を認めましたが、特に右股関節において、大腿骨頭は保たれているものの骨棘形成や高度の関節裂隙狭小化を認めました。身体所見と併せて、主因は右変形性股関節症であり変形性腰椎症や仙腸関節障害の合併により病態が複雑になっている状態と判断されました。変形の程度からはまだ保存的治療が可能な状態であること、50歳代であり人工股関節置換術はその耐用年数を考慮すると60歳代以上までできるだけ先延ばししたほうが良いことより、運動器カテーテル治療(微細動脈塞栓術)の適応と判断いたしました。両側の腰臀部および股関節に対してモヤモヤ血管治療を受けていただきました。

治療の所見

腰臀部および股関節に複数の動脈から治療を行いました。画像は右股関節をとりまくように分布する外側大腿回旋動脈を造影したものです。股関節周囲に一致してモヤモヤ血管(病的新生血管)が濃染像として描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。

治療後の経過

治療後1週間くらいから改善してきて2週間ではっきりと治療効果を実感しました。痛めた後の回復も早くなり、あぐらをかく動作も引っかからずにできるようになりました。治療後1ヶ月半の受診時には痛みは6割以上減っており、全く痛みがないときもあるほど、治療後2ヶ月半では仕事後に痛みを引きずることはなくなりました。ある程度落ち着きましたが、この疾患は進行性の病気であること、既にある程度高度に変形が進んでいるうえまだ仕事での負担が続くことより、間隔を空けながら3ヶ月毎の通院を続けることとなりました。歩くときに足を引きずるようなことはなくなり、仕事の負担が重なったときには股関節が詰まったような感じが生じるものの休めば回復し、痛みで眠れないということもなくなりました。住居や職場環境の改善により階段を使用することがなくなり仕事の負担も減っことで、良好な状態で安定するようになったため、治療後11ヶ月で定期の受診は一旦終了となりました。今後も必要に応じてサポートを続けていきます。

変形性股関節症の詳しい病状説明はこちら

 
 

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