SIRVA:コロナウイルスワクチン接種後の疼痛

【40代:男性】3年に亘り悩まされた新型コロナウイルスワクチン接種直後より生じた両膝の痛み(新型コロナウイルスワクチン接種後遺症、副反応)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

3年前に3回目の新型コロナウイルスワクチン接種を受けました。直後から両膝および両下腿の前内側が痛くなり精査を受けましたが、関節リウマチや膠原病ではありませんでした。寝ている時が最も痛く、ズキズキと感じていました。入浴により一時的に症状が和らぐことがありました。関節の痛みや痺れが続くため、カテーテル治療を希望して当院を受診されました。

診察時の所見

レントゲンでは特に異常はありませんでした。明らかにワクチン接種による副反応であり、膠原病の診断基準には達していないものの、それに類した病態が考えられました。病的新生血管(モヤモヤ血管)の関与は明らかであり、治療の有効性が見込まれたため、微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)を受けていただきました。

治療の所見

両膝および下腿の治療を行いました。血管造影を行うと、内側下膝動脈でモヤモヤ血管が濃染像として描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。その他、下腿領域を含めて複数箇所の治療を行い終了しました。

治療後の経過

治療後1ヶ月で、痛み、痺れとも消失しました。その後も再発することなく良好に経過しています。再度検査を受けましたが、一部の項目が引っかかるのみで、やはり関節リウマチを含む膠原病の可能性は否定的でした。新型コロナウイルスワクチン接種後に関節リウマチや膠原病を発症した事例は報告されていますが、本症例のように、そうした診断基準に達しなくても同様の症状を呈している事例は少なくありません。モヤモヤ血管は密接に関係しており、治療は有効ですので、お悩みの方はぜひご相談いただければと思います。

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