SIRVA:コロナウイルスワクチン接種後の疼痛

【50代:女性】帯状疱疹ワクチン接種後に生じた肩の痛み(SIRVA、帯状疱疹ワクチン接種後の副反応)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

5ヶ月前に帯状疱疹ワクチンを接種(不活化ワクチン1回目の接種)しました。その日の夕方に左肩に激痛が生じました。以後も一定の痛みが続いていましたが、2ヶ月くらいしてから顕著に痛みが増悪し、夜間痛や高度の可動域制限を認めるようになりました。カロナールやプレドニン(ステロイド薬)を処方されるも改善しないため、当院を受診されました。

診察時の所見

左上肢は水平に挙げることもできず、反対の肩や背中にも手を回せない状態でした(外転45度、外旋15度など高度の可動域制限あり)。レントゲンでは全く問題はありませんでしたが、エコー検査では上腕二頭筋長頭腱水腫のほか、周囲の異常血流信号の増強などが認められました。腱板損傷は見られない一方で、特に肩甲下筋腱周囲に同様に異常血流信号の増強が認められました。典型的な重症肩関節周囲炎の所見であり、時系列から判断してワクチン接種後の肩の痛みであるSIRVAと考えられました。微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)の適応疾患であり治療を受けていただきました。

治療の所見

左肩関節を取り囲むように治療しましたが、特に肩甲上動脈、前上腕回旋動脈、烏口枝の各血管造影にてモヤモヤ血管(病的新生血管)が造影剤の濃染像として描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

治療後1ヶ月程度で痛みが改善し、半分以下に、3ヶ月の頃には痛みは消失しました。一方、まだ一定の可動域制限が残っていましたが、ご遠方であることから最寄りの医療機関にてリハビリ加療を受けることとして終診となりました。ワクチン接種に関連した肩の痛みはSIRVAとして知られています。新型コロナウイルスワクチン接種後の発症について多くの方にご相談いただきましたが、同じく筋肉注射により接種する帯状疱疹ワクチンでもSIRVAは発生します。そうした場合も同様の方法で治療することが可能です。帯状疱疹ワクチンは非常に有効性の高いワクチンですが、こうした副反応でお悩みの場合はお気軽にご相談いただければと思います。

SIRVAの詳しい病状説明はこちら

 
 

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