腰:椎間関節炎など

【70代:男性】身体の硬さが元凶、12年続いた腰痛がモヤモヤ血管治療で劇的に改善(筋 ・筋膜性疼痛症候群、仙腸関節障害)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

12年前から腰痛に悩まされていました。原因はゴルフと考えていました。歩行は十分可能ですが、長時間立位や同じ姿勢を保ち続けると痛みが増します。長時間座った後に立ち上がる時にも痛みます。5年前には脊柱管狭窄を指摘されましたが、特にそれが症状を引き起こしているわけではなく保存的治療の方針でした。毎日プールに通い、週3回ストレッチやマッサージも行っていますが、一時的に楽になるのみでした。自身では、とにかく張りがひどいと感じていました。知人の紹介で当院を受診されました。
*15年前から糖尿病あり

診察時の所見

レントゲンでは、腰椎に軽度のアライメント不整はあるものの年齢からすると良く保たれていました。仙腸関節が開大しており骨硬化像も認められました。腰の可動域を確認すると、前屈および側屈で高度の可動域制限を認めました。その他も中等度の制限がありました。後上腸骨棘(PSIS)近傍に一定の圧痛を認めました。その他の身体所見や特徴的な痛みの性状を含めて仙腸関節障害が疑われました。それに加えて筋・筋膜由来の症状が合併している状態でした。腰痛の原因として、仙腸関節障害、筋・筋膜性疼痛症候群と判断しモヤモヤ血管(病的新生血管)に対する運動器カテーテル治療(微細動脈塞栓術)を受けていただきました。

治療の所見

硬さが根底にありましたので、腰椎~股関節周囲レベルまで両側に広く治療を行いました。

治療後の経過

治療後2週間から改善してきて、朝起きたときが辛かったのですが、腰も背中も楽になりました。その後も順調に経過され、治療後1ヶ月の確認時には『とにかく、腰や背中が軽くなった』『全然痛くならない』と言われました。痛みは完全に消失し、ゴルフも全く支障なくプレーできるようになりました。毎日プールにも行き、スクワットも30回程度できるようになりました。その後も順調に経過されましたが、すっかり良くなった分、以前から感じていた左大腿やふくらはぎの重だるさが気になるとのことでした。痛みや痺れではなく、歩行時には全く問題はない、ひどいと水泳や歩行の後などふくらはぎがパンパンになるが、マッサージを受けると楽になるといった症状でした。エコー検査をすると腓腹部において筋・筋膜の線維化所見が目立っていました。高位神経障害によるものではなく患部における筋・筋膜由来の症状であると判断されたため、ご希望により同部位に運動器カテーテル治療を行いました。左下肢に対する治療後から2週間、歩いてもふくらはぎがパンパンになることが無くなりました。治療後1ヶ月くらいから急激に改善し、パンパンになることを含めて、左下肢の症状がすべて消えました。完治して大変喜ばれました。長年悩まされていた症状がいずれも完治しました。身体の硬さが根底にある筋・筋膜性疼痛症候群が主体の方の中には、このように比較的短期間で劇的に改善することがあります。大変前向きな方で、70歳代であっても精力的に毎日運動を続けておられることも非常に良い結果につながったのではないかと思います。身体が硬いというのは、種々の運動器の慢性痛の原因となりますが、治療による改善の余地がかなり残されているとも言えます。お悩みの方はご検討いただくとよいと思います。

筋・筋膜性疼痛症候群、仙腸関節障害の詳しい病状説明はこちら

 

関連記事