椎間関節炎

腰椎に急激な力が加わって発症する、いわゆる「ぎっくり腰」の原因の一つに椎間関節症があります。急性期は体を動かす事も困難なほどの腰痛が生じる場合があります。また、慢性の腰痛も椎間関節の変形が原因の場合があります。腰椎椎間関節症の主な症状は、「腰を後ろに反らすと痛い」「脊椎の近くに圧痛点がある」「痛みの範囲は神経の走行と一致しない」「運動で痛みが増強する」などです。お尻やふとももに関連痛が生じる事があります。椎間板ヘルニアと異なり、足の痺れは少ないとされていますが、椎間関節症がひどくなると側弯が生じ、足の痺れが生じる事があります。

仙腸関節炎

仙腸関節炎は、仙骨と骶骨と呼ばれる骨の間にある仙腸関節が炎症を起こす疾患です。この炎症は、長期間の過度の運動や急激な運動、脊椎の損傷や変形、感染、または自己免疫疾患によって引き起こされることがあります。

仙腸関節炎の症状には、腰の痛み、尾骨周辺の痛み、お尻や太ももの痛み、朝起きたときのこわばり、歩行や座位の制限、疲労感などがあります。また、仙腸関節炎は、炎症が進行すると、腰椎や仙骨周辺の筋肉の緊張、足のしびれや脚の筋力低下、尿失禁や便秘などの神経症状も引き起こすことがあります。

梨状筋周囲炎

梨状筋症候群は、手首や手のひら、指に痛みやしびれなどの症状を引き起こす疾患です。梨状筋は、手首と手のひらの骨と手指の筋肉をつないでいる重要な筋肉であり、この筋肉に圧迫が加わることで、梨状筋症候群が引き起こされます。

梨状筋症候群は、通常、手首や手のひらを多用する人、長時間同じ姿勢で作業する人、手首や手のひらを負傷した人、または関節炎や糖尿病などの疾患を持つ人によく見られます。この症候群は、通常、手首や手のひらの痛みやしびれなどの症状を引き起こしますが、進行すると手の指や手のひらの筋肉が萎縮してしまうこともあります。

梨状筋症候群の症状は、しばしば手首や手のひらの痛み、しびれ、痺れ、弱さ、またはピンと針を刺すような感覚として現れます。これらの症状は、しばしば夜間に悪化することがあります。この症候群を発症した場合、手首や手のひらの圧迫を軽減するために、手首を握ったり、手のひらを曲げたりすることで症状を和らげることができます。

鼠径部痛・グロインペイン

鼠径部痛、またはグロインペインは、鼠径部や股関節周辺の痛みを指します。この痛みは、様々な原因によって引き起こされることがあります。

一般的に、鼠径部痛の主な原因の1つは、スポーツや運動による怪我や過負荷です。例えば、走る、ジャンプする、急激な方向転換をするなどの動作によって、股関節周辺の筋肉や靭帯にダメージを受けることがあります。また、長時間同じ姿勢で過ごすことによっても、鼠径部痛が引き起こされることがあります。

その他の原因としては、鼠径部の疝痛、骨盤内の炎症、腰椎ヘルニア、尿路感染症、睾丸や卵巣の疾患などがあります。これらの病気や状態は、鼠径部痛の他にも、発熱、下腹部痛、膀胱炎などの症状を引き起こすことがあります。

鼠径部痛の症状は、場合によって異なりますが、一般的には、痛み、しびれ、かゆみ、腫れなどがみられます。これらの症状は、原因によって異なるため、正確な診断が必要です。

股関節周囲炎

股関節周囲炎は、股関節周囲の組織や筋肉の炎症によって引き起こされる疾患です。主な原因は、過剰な運動や身体的ストレス、姿勢の悪さ、外傷、加齢などが考えられます。

股関節周囲炎の主な症状としては、腰や臀部、太もも、膝、足首などに痛みや不快感が現れることがあります。また、動作時の痛みや、朝起きたときに関節が硬い感じがすることもあります。

炎症が進行すると、股関節周囲の筋肉や腱に炎症が起こり、それが原因で痛みや違和感が生じます。また、重症化すると、股関節周囲の軟部組織が硬くなり、動きが制限されたり、炎症が慢性化したりする場合があります。

変形性股関節症

変形性股関節症は、年齢や遺伝的素因、肥満、運動不足、外傷などが原因となって発症する関節疾患です。軟骨がすり減ってしまい、骨同士が直接接触してしまうために痛みや運動制限が生じます。また、関節周辺の筋肉や靭帯にも変化が生じ、炎症や腫れ、強さの低下などが現れることがあります。

主な症状としては、股関節部分の痛みやしびれ、腰や膝への放散痛、歩行困難や足のしびれ、痛みでの寝返りがうてないなどが挙げられます。また、股関節部分がこわばって動かしづらくなったり、股関節周囲の腫れや炎症が生じることもあります。進行すると、夜間の痛みや長時間の座り仕事による痛みなど、日常生活に支障をきたすようになります。

変形性股関節症は、放置すると関節の破壊や変形を引き起こし、歩行能力の低下や転倒のリスクを高めることがあります。

ハムストリング付着部炎

ハムストリング付着部炎は、膝裏の筋肉であるハムストリングの腱が炎症を起こす病気です。病気の主な原因は、運動中に腱に過剰な負荷がかかることです。特に、走る、ジャンプする、蹴る、ストレッチするなどの動作を頻繁に行うスポーツ選手やランナーによく見られます。

ハムストリング付着部炎の主な症状は、膝裏の痛みや腫れです。この痛みは、運動中に強くなることが多く、休息後にも継続することがあります。また、腫れは、膝裏の腱を触ると明らかになることがあります。その他の症状には、運動中の膝の不安定感や、長時間座ったり立ち上がったりすることによる膝裏の張り感があります。

大転子滑液包炎

大転子滑液包炎は、大腿骨外側にある大転子の周囲にある滑液包が炎症を起こす病気です。以下に、その原因と症状を説明します。

原因
運動による過負荷:走ったり、跳んだりすると、大転子にかかる負荷が増え、滑液包が炎症を起こすことがあります。
外傷:大転子を強打することで、滑液包が損傷し、炎症を起こすことがあります。
感染:滑液包に細菌が侵入することで、炎症を起こすことがあります。

症状
痛み:大転子周囲に痛みが生じます。特に、走ったり、跳んだりすると、痛みが増します。
腫れ:大転子周囲が腫れることがあります。
熱感:大転子周囲が熱く感じることがあります。
動きの制限:大転子周囲の痛みや腫れにより、脚を曲げたり伸ばしたりする動作に制限が生じることがあります。
滑液包内に膿が溜まる場合、膿を排出するための処置が必要になることがあります。

坐骨神経痛

坐骨神経痛は、坐骨神経が圧迫されることによって引き起こされる痛みの状態です。坐骨神経は、腰椎から足先までの神経を支配しており、脊髄から出た神経の中でも最も長い神経の一つです。以下は、坐骨神経痛の一般的な原因と症状についての説明です。

原因:
坐骨神経痛の主な原因は、坐骨神経に対する圧迫や損傷です。これは、以下のような要因によって引き起こされます。
腰椎椎間板ヘルニア:椎間板が外側に飛び出し、坐骨神経を圧迫することがあります。
脊柱管狭窄症:脊柱管内のスペースが狭くなり、坐骨神経を圧迫することがあります。
椎間関節炎:脊椎の関節の炎症によって、坐骨神経を圧迫することがあります。
腰椎分離症:脊椎の骨が分離し、坐骨神経を圧迫することがあります。

症状:
坐骨神経痛の典型的な症状は、下肢の痛みやしびれです。これらの症状は、坐骨神経の走行に沿って現れることがあります。以下は、一般的な症状の例です。
腰や臀部から足にかけての痛み
下肢のしびれやチクチク感
歩行時の痛み
長時間座っていると痛む
立ち上がるときに痛みが強くなる
足の筋力低下

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は、腰椎の神経を保護する脊柱管が狭くなり、神経根や脊髄に圧迫を与える病気です。狭窄の原因は、多くの場合、加齢や脊椎の変形によるものです。脊柱管の狭窄を引き起こす主な疾患としては、腰椎分離症、椎間板ヘルニア、脊柱側彎症、脊柱管狭窄症、腫瘍、外傷などがあります。

症状としては、足や臀部に痛みやしびれ、筋力低下、歩行困難、脚が痛くなることがあります。これらの症状は、脊柱管狭窄症によって神経根や脊髄が圧迫され、正常な神経機能が妨げられることによって引き起こされます。また、長時間立ち上がったり、歩行したりすることで症状が悪化することがあります。

腰部脊柱管狭窄症は、年齢が上がるにつれて発症する可能性が高く、肥満、運動不足、過剰な身体労働などの要因も関与することがあります。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎部位の椎間板が損傷して内部のジェル状の物質が椎間板を突き破り、脊髄神経や神経根を圧迫する病態です。
この病気の原因は、主に加齢や姿勢の悪さ、長時間の同じ姿勢での作業、運動不足、腰部への怪我などが挙げられます。また、肥満や喫煙、過剰なストレスなども原因になる可能性があります。
腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は、腰部や臀部、下肢に痛みが生じることです。また、しびれや筋力低下などの症状も現れることがあります。これらの症状は、ヘルニアの位置や大きさによって異なります。

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