顔:頭痛など

【50代:女性】顔にもモヤモヤ血管? 長年の首肩こりに加えて顔にまでこりが・・ 治療により痛みやこりだけでなく浮腫みや肌まで改善!顔こりの症例

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

10年前から肩こりがあり、半年前から顔のこりが、さらに3ヶ月前から頭痛をともなうようになりました。数週間前からは特に顔が痛くなってきましたが、痛みよりもこりや不快感の方が強い状態ということでした。辛い頭痛と顔から肩にかけてこっているように痛く目の奥が疲れて重いとのことで当院にご相談いただきました。尚、2年前にコロナウイルス感染(covid-19)とは関係なく原因不明で異臭症となり、専門機関に通院中でした。

診察時の所見

首肩の可動域は特に問題なく頸部のレントゲンでも異常は認められませんでした。一方、エコー検査では筋肉や筋肉周囲が全般的に高エコー(白く映る)を呈しており、頸椎椎間関節周囲においてモヤモヤ血管を反映した異常血流増生を認めました。頸椎症の要素は乏しく、筋・筋膜性の要因による症状および頸椎椎間関節炎と判断されました。首肩こりはモヤモヤ血管治療の適応ですが、いわゆる顔こりも合併している状態でしたので、併せて微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)を行いました。

治療の所見

血管造影を行うと、首こりに典型的な頸部のモヤモヤ血管(病的新生血管)が造影剤の濃染像として描出された他、顔面動脈および顎動脈の分枝において頬や目、歯の周囲などにモヤモヤ血管が描出されました。治療後は画像上速やかに消失しています。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

治療後2週間後の再診時のお話です。顔首肩とも当日からかなり楽になり、中でも顔の痛みは特に良くなりました。自分で触ってみてもわかるくらいであり、柔らかく、皮膚が伸びるようになったと実際に伸ばして見せてくれました。治療前に比べて、人が見てもわかるくらい浮腫みがとれ、肌もつるつるになりました。今までは保湿をしてもごわごわしていたので驚かれたそうです。胸鎖乳突筋も張って硬くて痛かったのが痛くなくなりました。一方、疲れた際の目からくるような頭痛はまだ残っていました。異臭症(いろんな臭いが混ざってくるような症状の病型)についても変化がありました。わからない臭いはわからないままだが、わかる臭いの弁別がより明確になってきました。治療後1ヶ月を過ぎると、目の奥の痛みが消え、まだ頭痛はあるもののその頻度は半分程度に減りました。他に右頸部の痛みが残っていましたが、治療後2ヶ月時点でその痛みも消失しました。肌は引き続きツヤツヤだそうです。異臭症については、今後専門医療機関での定期精査を受ける予定です。改善している自覚があるものの、その客観的評価につき結果を待ちたいと思います。顔こりは医療による治療対象としてまだまだ一般的ではありませんが、モヤモヤ血管治療が非常に良く効いて、大変喜んでいただきました。今では運動習慣を取り入れて再発予防に前向きに取り組んでおられます。尚、顔こりや頭痛がある方には必ず夜間の歯の食いしばりや歯ぎしりがあるかをお聞きします。あまりにひどいと治りにくく、治った後も症状が再発しやすいため対策を講じる必要がありますが、この方も歯科受診の結果食いしばりが認められたため、マウスピースを作ることとなりました。症状改善後の再発予防にはこうした努力も欠かせません。

首こり、肩こりの詳しい病状説明はこちら

 

関連記事