股:変形性股関節症など

【50代:男性】APS治療を受けるも改善しなかった中等度の変形性股関節症(APS治療 、変形性股関節症)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

4ヶ月前から左股関節の痛みがあり、APS治療を受けるも全く緩和されませんでした。痛み止めは飲まない方がよいと言われ辛い思いをしていました。若いころにはぎっくり腰をしたことがありました。普段はトラックを運転するものの、長時間ではなく何度も乗り降りすることが多い仕事に従事していました。

診察時の所見

レントゲンでは、正面像において比較的早期の変形性股関節症に見えますが、別角度からは中等度進行していることがわかりました。しかしながら、一般的に外科手術を考慮するほどではなく、年齢からも人工股関節置換術はできるだけ先延ばしすることが望ましいことから、微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)を受けていただきました。

治療の所見

治療は、左股関節をとりまくように行いますが、特に左閉鎖動脈、左内側大腿回旋動脈造影にて病的新生血管(モヤモヤ血管)が造影剤の濃染像として描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。尚、仙腸関節障害も疑われたため同部位に対する治療も併せて行いました。

治療後の経過

治療後1ヶ月を過ぎる頃、右側と比べると違和感はあるものの、左股関節の痛みはほぼ消失しました。治療後3ヶ月、左股関節の痛みは消失したままでした。仕事での負担のためか、左腰臀部に少し痛みが生じることがありました。仙腸関節障害による残存症状と考え注射加療にて様子を見ることとしました。左股関節については非常に良好に経過していますが、変形性関節症は進行性の病気ですので、今後は少しでも今の状態を維持できるよう進行予防のためのアドバイスを行い終診としました。

股関節は微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)が非常によく効く部位の一つです。特に、中等度までの変形の場合は症状の完治を目指せます。高度に進行した場合で他の治療が無効であっても一定の症状緩和は可能ですが、一部の症状が残るほか、再発リスクが懸念されます。いずれにしても、変形の進行を少しでも遅らせて、人工股関節置換術を先延ばしすることが一つの目標です(特に60歳未満の場合)。

変形性股関節症の詳しい病状説明はこちら

 
 

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