その他:帯状疱疹後など

【60代:男性】ここにできたら要注意!下腹部~脇腹に生じた帯状疱疹後神経痛に対するモヤモヤ血管治療(帯状疱疹後神経痛)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

1ヶ月半前に、左側の下腹部~背中にブツブツと発疹ができました。皮膚科を受診して抗ウイルス薬による治療を受けましたが、その後、下腹部と左脇腹が痛むようになりました。少し触れるだけでも痛く(アロディニア)、ズキンズキン、チクチクと差し込まれるような痛みが四六時中ありました。特に下腹部が強く痛みました。入浴して身体が温まるとかなり楽でした。元々睡眠障害はなく、9-10時間寝ていましたが、夜中に痛みで目が覚めてしまうため熟睡できるのは4-5時間程度でした。発症してからは仕事が手につかない状態でした。ペインクリニックでトリガーポイント注射やブロック注射を複数回受けましたが効果がありませんでした。プレガバリンは服用すると頭がボーっとする一方で効果が無かったため飲むのを止めました。特に効果があるわけではありませんでしたが、気休めにロキソニンや漢方薬を服用していました。1ヶ月半が経過しましたが、全く緩和傾向が無く、ピークのまま続いている感じがするためカテーテル治療を決断し当院を受診されました。

診察時の所見

発症時の写真では強い発赤をびまん性に生じており、一見して炎症が強かったことがわかりました。症状の性状、患者背景など含めて治療適応と判断し、モヤモヤ血管(病的新生血管)に対する運動器カテーテル治療(微細動脈塞栓術)を受けていただきました。

治療の所見

下腹部~脇腹の主要責任血管である下腹壁動脈および腸骨回旋動脈にて明瞭に再現痛が認められました。脇腹においては、背部より分布する腰動脈の末梢成分も重要です。併せて治療を行い終了しました。
*再現痛とは、薬液投与時に普段の痛みが一定程度再現される現象です。責任血管の同定のための参考とします。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:治療する部位によって費用が異なりますのでこちらをご参照ください。
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

治療後2週間で急激に痛み改善し、下腹部の差し込まれるような痛みは無くなりました。日に日に痛みのない時間帯が長くなってきている感覚がして、『こんなに良くなるとは思わなかった』と明るくご報告いただきました。その後、鎮痛薬をすべて中止しましたが特に再燃することもありませんでした。治療後1ヶ月半、99%の痛みは取れたということでした。治療後3ヶ月、強いて言えば脇腹が気になるものの特に再燃なく順調に過ごせていました。

発症1ヶ月半の下腹部~脇腹に生じた帯状疱疹後神経痛の症例でした。自然経過で改善していく場合は、1ヶ月でもある程度緩和するものですが、1ヶ月半経過しても当初の痛みが持続しており緩和傾向が見られない状態でした。治療後2週間で大幅に改善しました。比較的強い炎症状態であったこと、発症1ヶ月半という早期に治療を受けていただいことが早い治癒につながったものと思われます。同部位は比較的治りにくい部位の一つであり、1年以上経過しているとカテーテル治療をもってしても無効のことがあります。適切なタイミングで治療を決断されて本当に良かったと思います。発症時の炎症所見が激しかった方、発症1ヶ月を過ぎても全く緩和傾向が見られない方、治りにくい部位に発症してしまった方などはぜひご参考にしていただければと思います。

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