膝:変形性膝関節症など

【10代:男性】高校生を悩ませた、体外衝撃波治療後も残ったオスグッド病による膝の痛み

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

高校3年生です。中学校1年生(4年前)から左膝オスグッド病の痛みがありました。一旦良くなっていましたが、1年半ほど前から再発し悪化していました。椅子に座っているだけでもとても痛くて、整形外科を受診してストレッチや超音波治療、レーザー治療などを受けましたが改善しませんでした。その後、2か月に亘り体外衝撃波治療を6回受けました。これにより安静時の痛みはほとんど無くなりましたが、歩行時や歩行後に痛みが出るため、通学は最寄りの駅まで送迎し、体育は見学、部活も休部していました。活発で走るのが速かった子供が、暗い顔でずっと足を引きずって歩いており、いたたまれず当院にご相談されました。

診察時の所見

左膝蓋骨の下部~脛骨の痛みでしたが、圧痛はあまり目立ちませんでした。エコー検査では、膝蓋腱は保たれていて、脛骨付着部において低エコー領域(黒く映る)を認めました。腱付着部の損傷/変性が示唆される所見でした。オスグッド病の部位に一致しており、オスグッド病後遺症および膝蓋下脂肪体炎の合併が疑われました。いずれも微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)の適応であり、治療を受けていただきました。

治療の所見

オスグッド病部位は、前脛骨反回動脈により主に灌流されており、同血管から薬液投与を行いました。膝蓋下脂肪体に相当する部位では、外側下膝動脈造影にてモヤモヤ血管(病的新生血管)が造影剤の濃染像として描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

治療後しばらく痛みが続いていましたが、2週間経つ頃に改善してきました。その後悪くなったり回復したりと経過していましたが、治療後2ヶ月時点で痛みが半分以下になっていました。以後、日によって痛みが出ることはあるものの調子よく過ごしているとご報告いただいています。

膝蓋下脂肪体炎の詳しい病状説明はこちら

 
 

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