膝:変形性膝関節症など

【50代:男性】3年間治らなかった、走り始めから生じる膝の内側下方(鵞足部)の痛みに対するモヤモヤ血管治療(鵞足炎、膝蓋下脂肪体炎、反復性足関節捻挫)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

3年前から左膝の痛みがありました。日常生活ではそれほど気にならないものの、走ると、走り始めから痛みがありました。少し曲げるくらいが最も痛み、自分では鵞足炎かなと思っていました。また、左足首は以前から捻挫を繰り返していました。以前受けた腰のカテーテル治療が良く効いたことから、改めて当院にご相談されました。

診察時の所見

疼痛部位は鵞足部および膝のお皿の下方でしたが、圧痛は目立ちませんでした。エコー検査では明らかな器質的異常は認められませんでした。レントゲンでは、膝関節に異常はなく、足首(足関節)では軽度の骨棘形成が見られました。また、扁平足であり、アキレス腱付着部において踵骨棘も認められました。立位ではいわゆる外反扁平をきたしており、捻挫を繰り返してきたことに合致していました。以上より、左膝蓋下脂肪体炎および鵞足炎の疑い、反復性足関節捻挫と診断しました。治療適応と判断し、モヤモヤ血管(病的新生血管)に対する運動器カテーテル治療(微細動脈塞栓術)を受けていただきました。

治療の所見

血管造影を行うと、内側下膝動脈でモヤモヤ血管が濃染像として描出されました。鵞足炎に合致した所見です。外側下膝動脈でも同様にモヤモヤ血管を認めましたが、こちらは膝蓋下脂肪体炎を反映しているものと考えられました。足関節ではモヤモヤ血管は画像上それほど目立ちませんでしたが、それぞれ治療を行いました。いずれも治療後モヤモヤ血管は画像上速やかに消失しました。その他複数箇所の治療を行い終了しました。

治療後の経過

治療当日は腫れぼったい感じがしていましたが、翌日から痛みが消失しました。治療後2週間、小走りでも大丈夫でした。足首はぷらんぷらんと不安定だったのが、しっかりしてきて安定感が増した感じがしました。足首までこんなによくなるのは不思議、もっと早く受ければ良かったと言われました。非常に経過良好でしたので、治療後3ヶ月の再診で問題がなければ終診予定としましたが、その再診時には、小走りをしても痛みが生じることはなく、足首も安定しているとのことでした。その後も順調に経過されています。

日常生活で支障をきたすほどの痛みではなく、いわゆるスポーツ障害の範疇での鵞足炎、さらに反復性足関節捻挫を合併した症例でした。鵞足炎は早期から改善することが多い疾患の一つですが、まさにそうした経過でした。扁平足でかつ足首が外にたわんで見える場合、外反扁平と呼ばれますが、こうした構造になっていると足首がぐにゃっと外側に倒れこんで捻挫を起こしやすいです。実際には靭帯が傷むため、繰り返していると足関節の不安定感につながったり、モヤモヤ血管が居つくことにより一定の痛みや違和感が持続したりすることにもなります。こうした反復する捻挫は、実はモヤモヤ血管治療の良い適応であり、治療すると捻挫をきたしにくくなったり、本症例のように安定感が増したりします。あまり知られていない良い治療適応の一つですので、思い当たる方はご相談いただければと思います。

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