肩:肩こり・四十肩・五十肩 【50代:女性】夜間の痛み、起床時の痛みで苦しみ続けた右肩腱板損傷の症例 2020.06.08 鴨井院長による動画解説 受診までの経過 バレーボールを長く続けてきて、8年前から右肩の痛みが強くなりました。10年前には五十肩になったこともあります。強い可動域制限はなく腕も自由に動かせますが、夜間や起床時に激痛を感じていました。種々の医療機関を受診して注射など受けるもよくならないため、当院を受診しました。 診察時の所見 掌を下に向けたまま腕を上にあげていただく動作は真横くらいまで、後ろに手を回す動作にも制限がありました。エコーでは、肩甲下筋腱に大きな腱板断裂および腫れを認めました。 棘上筋腱にも部分断裂および腫れ認めました。 診断は、腱板断裂および腱板炎です。腱板断裂のみでは無症状の場合も多いのですが、腱が明らかに腫れていて異常な血流信号もともなっていたことから腱板炎を起こしていることは明らかでありこれが痛みの原因と考えられました。 治療の所見 血管造影では、随所にモヤモヤ血管が見られました。治療により消失しました。 治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管 治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態 治療費用:税込324,500円 主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。 治療後の経過 翌日から、夜間と起床時にあった激痛は消失しました。『何十年も苦しんでいた痛みからうそのように解放された』『思い切って治療を受けてよかった』と言われました。夜もぐっすり眠れるようになりました。2ヶ月を過ぎると普段の痛みはなくなり、腕を大きく伸ばしたときには痛みを生じますが、着実に回復しています。切れた腱板が自然に修復することはありませんが、多くの場合は手術を要しません。このまま痛みがおさまれば日常生活は支障なく過ごしていただくことが可能です。 腱板疾患の詳しい病状説明はこちら 【 61歳:女性】首こり、肩こりに加えて五十肩を合併した糖尿病患者の症例 前の記事 【80代:男性】ゴルフで痛めた10年前からの右肩の痛み。広範囲の肩腱板断裂合併症例 次の記事