腰:椎間関節炎など

【80代:男性】2年間悩まされた『いつの間にか骨折(脊椎圧迫骨折)』後遺症による辛い腰痛(脊椎圧迫骨折後遺症、いつの間にか骨折、変形性腰椎症)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

2年前にグラウンドゴルフ中に腰に違和感を覚えて検査したところ、脊椎の圧迫骨折が判明しました。その時は激痛というわけではなく、いわゆる『いつの間にか骨折』であったようです。以降、背骨や骨盤周囲が痛むようになり、仰向けに寝られず、寝起きの際にも痛みました。リハビリ、電気治療、ブロック注射など受けましたがあまり効果がありませんでした。入浴すると多少楽でした。下肢症状は無く、痺れなどの神経症状もありませんでした。杖歩行にて来院されました。

診察時の所見

レントゲンでは胸椎および腰椎に圧迫骨折を認めました。他にも側弯を含む高度の腰椎変形を認めました。脊椎変形(亀背)に加えて強い痛みのため、真っすぐ仰向けに寝ることができず、クッションを入れて何とか態勢を確保しながら診察しました。2年経過していますので、圧迫骨折部近傍が痛みの中心というわけではなく、それにより体重を垂直方向に支える力が大きく損なわれ、仙腸関節や各種筋・靭帯の付着部など弱い部分に負担が増すことで生じた痛みと考えられました。診断は変形性腰椎症、圧迫骨折後遺症です。高度の神経障害は無いことから治療適応と判断し、モヤモヤ血管(病的新生血管)に対する運動器カテーテル治療(微細動脈塞栓術)を受けていただきました。

治療の所見

新たに生じた第12胸椎の圧迫骨折部近傍に痛みはありませんでしたので、腰動脈および骨盤内の腰臀部痛関連血管の治療を両側に行いました。態勢不良、動脈硬化などから難航することも予想されましたが、治療自体は特に苦痛を生じることなく、50分程度で終了しました。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:治療する部位によって費用が異なりますのでこちらをご参照ください。
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

ご遠方、ご高齢であることより治療後はリハビリを最寄りの医療機関で継続してもらい、
電話再診としました。治療後10日くらいから改善し、治療後2週間時点で既に痛みはほとんどないと明るい調子で教えていただきました。治療後3ヶ月、ほとんどの痛みがとれたことで、圧迫骨折した背骨の痛みは感じるものの、順調に経過していました。治療後6ヶ月、痛みはほぼゼロに近いとのことでした。歩行訓練は継続中です。再診されていないため、歩容の改善を直接確認できていませんが、お伺いする限り良好に経過されているご様子でした。下肢に及ぶ強い神経症状のない、変形性腰椎症や圧迫骨折後遺症はカテーテル治療の良い適応です。こうした症例では、仰臥位困難、膝を伸ばせないなどで十分な治療態勢をとれないこともよくありますが、そうした時ほど熟練の腕の見せ所です。こんな状態では治療を受けられないのではないかとご相談いただくこともありますが、安心して頼っていただいて大丈夫です。

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