肩:肩こり・四十肩・五十肩

【50代:男性】最初からここに来ればよかった・・ステロイド注射無効で半年間苦しんだ石灰沈着性腱板炎による肩の痛み(石灰沈着性腱板炎、肩関節周囲炎)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

半年前から左肩が痛むようになり、整骨院や整形外科に通っていました。鎮痛薬内服のほか、ステロイド注射も複数回受けましたが、効果は感じられず、酷くなるばかりでした。腕が挙げられなくなり、ついには夜間痛まで生じるようになりました。当院の治療を知り受診されました。

診察時の所見

腕は水平までも挙がらない状態でした(外転80度)。レントゲンでは腱板領域に石灰を認め、エコー検査では同部位に一致した腱板石灰沈着を認めたほか、周囲に炎症による(モヤモヤ血管を反映した)異常血流信号を認めました。更に、腱板疎部領域や肩鎖関節においても同様に炎症所見を認めました。石灰沈着性腱板炎による肩関節周囲炎の診断です。治療適応と判断し、モヤモヤ血管(病的新生血管)に対する運動器カテーテル治療(微細動脈塞栓術)を受けていただきました。

治療の所見

血管造影を行うと、胸肩峰動脈、前上腕回旋動脈、肩甲下筋枝などでモヤモヤ血管が濃染像として描出されました。特に肩甲上動脈では強い濃染像を認めました。血管造影所見を比べると、石灰沈着性腱板炎では、このように五十肩(凍結肩)よりも強い炎症であることが多いです。ステロイド注射が効かなかったというのも頷けます。いずれも治療後モヤモヤ血管は画像上速やかに消失しました。その他複数箇所の治療を行い終了しました。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:治療する部位によって費用が異なりますのでこちらをご参照ください。
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

治療翌日から改善しました。治療後3週間では、ほとんどの痛みが無くなりました。肩関節の可動域も完全に回復し、バンザイもできるようになりました。半年間苦しんでいた痛みのあまりの回復ぶりに、『最初からここに来ればよかった』と話されるほどでした。エコーで確認すると、まだ石灰沈着については大きな変化はありませんでしたが、今後吸収されていくことも期待できます。非常に経過良好であったことから、終診となりました。石灰沈着性腱板炎は強い炎症を伴っていることが多く、その苦痛も五十肩以上になることが少なくありません。カテーテル治療は強い炎症にこそ、強い効果を発揮します。実際に、本症例では非常に早期から快復しました。罹病期間が長くなければ、石灰も吸収されて無くなります。
非常に良い適応疾患の一つですので、お悩みの方はぜひご検討いただくと良いと思います。

石灰沈着性腱板炎の詳細

 
 

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