肩:肩こり・四十肩・五十肩

【20代:男性】元ボディビルダーを悩ませたしつこい片側の肩こりにおけるモヤモヤ血管治療(首肩こり、頸肩腕症候群)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

2年4ヶ月前から左側の肩こりに悩まされるようになりました。指圧などで一旦改善しても3-4日ほどで戻ってしまいます。ブロック注射を受けると1週間くらいは楽になることもあるものの、その後再燃してしまいます。症状は背中にも拡がり、筋肉痛のように感じていました。天気の悪い日は頭痛がすることもありますが、鎮痛薬を飲むほどではなく、食いしばりもありませんでした。元ボディビルダーであり、現在も一定のトレーニングを続けているのですが、原因としては過剰なトレーニングおよびデスクワークだと自覚していました。当院の治療を知り受診されました。

診察時の所見

首、肩関節とも可動域は保たれていました。僧帽筋における肩こりの圧痛点で一定の疼痛が誘発された他、左肩甲骨周囲では感覚鈍麻がありました。エコー検査では僧帽筋や周囲筋膜に中等度の線維化所見(エコー輝度が高く(白く描出される)筋膜が肥厚している)を認めたほか、レントゲンでは頸椎後弯を認めました。通常頸椎は前弯しているのですが、後弯していると頸部にかかる負担が大きくなります。以上より、いわゆる首肩こり(僧帽筋痛症、頸肩腕症候群)が左側に偏って重症化しており、感覚鈍麻を伴うほどの状態となっていることが示唆されました。微細動脈塞栓術の適応と判断し、治療を受けていただきました。

治療の所見

血管造影を行うと、特に左深頸動脈は非常に発達していました。トレーニングの積み重ねの結果として発達したわけですが、やはりモヤモヤ血管(病的新生血管)が濃染像として描出されました。薬液投与量は通常よりも多くの量を要しましたが、治療後は画像上速やかに消失しました。肩甲骨周囲の血管も全て治療したうえで終了しました。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円〜357,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

治療後2-3日は重怠い感じがしていましたが、それがとれて1週間くらいすると改善してきました。今まであった嫌な感じが無くなりました。筋肉痛のような感じもなくなってきました。トレーニングを再開されましたが、順調に経過され、治療後2ヶ月時点では若干の違和感が残るのみとなりました。非常に早期から改善しました。重症の首肩こりは中年以降に生じるようなイメージがあるかもしれませんが、若年でも過剰なトレーニング、極端な運動不足、スマホ・タブレットの長時間使用によるいわゆるスマホ首など、種々の要因で重症化することがあります。一般診療や施術に思うように改善しない場合は、モヤモヤ血管治療をご検討いただく良いでしょう。

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