膝:変形性膝関節症など

【60代:男性】人工関節置換術後の膝遺残痛に対するモヤモヤ血管治療(変形性膝関節症、人工関節置換術後の遺残痛)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

ラグビーでの負傷が原因で35年前から両膝を痛めていました。8年前に両側変形性膝関節症と診断され、関節鏡による半月板手術を受けました(本人申告)。2週間ほどで退院しましたが、痛みが軽減されず、歩行困難となってしまったため、別の病院で右膝の人工関節置換術を受けました。2ヶ月の入院でリハビリ後、退院しましたが退院直前のリハビリ中に強い痛みがあり、その後、関節から音が出るようになりました。まだ完治には時間がかかると言われていますが、歩行および日常生活にも支障をきたすため、当院を受診されました。備考;安定しているものの5年前から糖尿病あり。

診察時の所見

人工関節置換術後のレントゲンに特に異常は認められませんでした。一方、エコー検査では、内外側で、異常血流増生が著明に認められました。残存滑膜、瘢痕組織も目立ち、強い炎症が起きていることは一見して明らかでした。左膝の変形も高度に進行していましたが、外科手術は希望されず、両側とも微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)を受けていただきました。

治療の所見

血管造影を行うと、下行膝動脈、内側下膝動脈、外側上膝動脈にて特にモヤモヤ血管が濃染像として描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

治療後1ヶ月、ほとんどの痛みがとれました。左右差もありませんでした。旅行に行くこともできました。まだ、15分~20分以上歩くと痛みが出ていましたが、自転車の運動は問題なくできました。治療後2ヶ月、出張もばりばりと行けるようになり、歩くことの不安もなくなりました。右膝は水がたまったように感じることもあるものの、ほぐしたり運動したりすると翌日には改善しました。治療後3ヶ月、突っ張る程度であり、海外出張も無事行ってくることができました。人工関節置換術後の遺残痛は一定の頻度で生じ、医療機関でも頭を悩ませています。手術自体に何か問題があるということではなく、既に滑膜組織が異常に多く増生してまっているなど、術前の状態に大きく依存するのではないかと考えられます。他になかなか良い治療方法がない中で、微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)は非常に有効な選択肢です。お困りの方はご参考になさってください。

変形性膝関節症の詳しい病状説明はこちら

 
 

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