腰:椎間関節炎など 【70代:女性】腰椎の変形は大したことないと言われたもののいつまでも治らなかったつらい腰痛(腰椎終板炎、棘間靭帯炎、仙腸関節障害、痩せ型) 2023.12.14 鴨井院長による動画解説 受診までの経過 元歯科医の方です。10年前から年に1回程度ギックリ腰を起こしたり腰痛(鈍痛)を生じたりしていましたが、3ヶ月前から増悪してきました。整形外科では、多少の腰椎変形があるものの外科手術の適応はないと言われました。冷えが気になり、婦人科や内科、脳外科なども受診しましたが、特に異常はありませんでした。接骨院に通い、良くなったり悪くなったりを繰り返していました。起床時に起き上がる時が痛く、夜間痛もありました。最近では洗濯機の蓋を開けるだけでも腰がギクッとなることがあり、心配していました。骨盤ベルトをしているときや、入浴中は楽でした。当院での治療を希望して受診されました。 診察時の所見 一定の動作時痛はあるものの、腰の可動域は概ね保たれていました。前医の腰椎MRI画像では、第3腰椎終板炎、棘間靭帯炎(L3/4,4/5)、を認めました。一方、神経根を含めて明らかな神経圧迫所見は認められませんでした(有意な脊柱管狭窄・ヘルニアとも認められず)。その他身体診察と痛みの特徴と併せて、棘間靭帯炎・腰椎終板炎・腰椎椎間関節炎・仙腸関節障害の複合要因による腰痛と判断し、微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)を受けていただきました。 治療の所見 腰椎周囲及び仙腸関節を中心に、広範囲の治療を行いました。画像は、腰動脈、腸腰動脈、閉鎖動脈の各血管造影を示しています。閉鎖動脈ではモヤモヤ血管(病的新生血管)が造影剤の濃染像として描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。 治療後の経過 治療後2週間、以前は起床時に冷汗が出るほどの痛みがありましたがそれは楽になりました。腰の痛みは半減しました。左側はほぼ痛みが無くなり、骨盤ベルトを巻かなくても歩けるようになりました。治療後1ヶ月、起き上がる時につかまらなくても起き上がれるようになりました。汗がどっと出たりもしなくなりました。その後も右腰は一定の痛みは残り、特に仰臥位で痛みが強くなり目が覚めたり、何かの動作をきっかけにして悪くなることがありました。治療後5ヶ月、左側はほとんど痛みが無くなったものの、やはり右側をもう少し治したいとの希望から、2回目の治療を受けていただきました。治療後1ヶ月、起床後の1時間くらいは痛いものの日中はすごく楽に過ごせるようになりました。治療後3ヶ月、さらに改善し、重だるさは感じるものの痛みとしてはそれほど意識しなくなりました。治療後半年、起床時の違和感を感じるのみでそれも30分程で改善するようになりました。経過良好であり、終診となっています。尚、初回治療後は一度もギックリ腰は起こすことなく経過されています。BMI 18.8と痩せ型で筋肉量が少ないことから負担が生じやすく、改善まで2回の治療を要しましたが、快復されてなによりでした。再発予防のため、運動に取り組んでいただきたいと思います。 腰椎終板炎、棘間靭帯炎、仙腸関節障害の詳しい病状説明はこちら 【80代:女性】高齢者に生じた、発症2ヶ月の帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹後神経痛) 前の記事 【50代:男性】毎日痛みで寝られない・・4年間経っても治らなかった五十肩の痛み(五十肩後遺症、授動術後遺症、糖尿病) 次の記事