鴨井院長による動画解説
受診までの経過
生まれつきの酒さで悩んでいるとご相談いただきました。冬になると顔面がヒリヒリと痛み赤くなります。寒暖差、日光による刺激のほか、体温が上がると誘発されます。眉間、眼窩下、鼻、頰に広範囲に出現します。皮膚科では顕微鏡検査で血管が拡張していると言われました。Vビームを1年に数回ずつ受けましたが、効果がなく止めました。
診察時の所見
症状は大きく分けて3つありました。①チクチク・ズキズキ・ヒリヒリとする痛み、②刺激が無くても突然生じるホットフラッシュ、③暖房刺激などで悪化する赤み・火照りです。
視診上、水疱形成やその痕跡などは見られず、外見上の皮膚の性状は保たれていました。エコー検査では、血流信号が増強され、過剰血流が認められました。治療適応と判断し、モヤモヤ血管(病的新生血管)に対する運動器カテーテル治療(微細動脈塞栓術)を受けていただきました。
治療の所見
血管造影を行うと、頬や鼻に灌流する顎動脈、顎や口の周りに灌流する顔面動脈、額に灌流する浅側頭動脈でそれぞれモヤモヤ血管が濃染像として描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。その他複数箇所の治療を行い終了しました。
治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:治療する部位によって費用が異なりますのでこちらをご参照ください。
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。
治療後の経過
まず治療後1ヶ月までの経過について、それぞれの症状の推移について詳述します。
チクチク・ズキズキする痛みが、治療翌日~1週間の経過で日を追うごとに良くなり、1ヶ月で6-7割方の症状が改善しました。ホットフラッシュは治療後3日目に一度感じることがありましたが、それ以降は半減しました。赤み・火照り(同時に生じる)については通常時の白さが目立つようになり、暖房刺激による変化は3-4割程度改善しました。これについては、早期からと言うよりも徐々に改善しているとのことでした。以上の変化により、マスクを付けることが少なくなりました。非常に順調でしたが、冬場の厳しい環境であり、ぶり返しがないかも含めて当面は慎重に経過観察していく必要がありました。
その後の症状の推移は微減くらいでしたが、治療後2ヶ月になる頃から突然大幅に改善しました。痛み・ホットフラッシュについてはほぼ消失しました。ホットフラッシュは、治療後は結局1回あっただけということでした。赤み・火照りはまだ残っていましたが、それも徐々に薄くなり、元の7割程度が改善しました。以前は、手足が冷たくても、常に顔が火照っていて、顔が冷たいと感じることがなかったのですが、冷たいと感じることができるようになりました。治療後3ヶ月、それ以上の改善はないものの、ぶり返したりすることもありませんでした。赤くなる時はあるものの、程度は軽くなり、回復も早くなりました。治療効果をしっかりと実感できており、追加治療も希望されました。治療後3ヶ月半の時点で2回目の治療を行いました。2回目の治療後から3週間、痛みについては初回治療で既に消失していましたが、起床時の火照り・赤みがさらに改善しました。以前は起きた段階で既に顔が火照っていて赤かったのですが、冷たく、真っ白になっていました。初回治療後に大幅に改善していましたが、そこからさらに改善したということでした。まだ、車の中で日光に当たると火照る気がしました。日焼け止めは塗ったほうが良いと耳にしたりするものの、自分としてはそれほど変わらないと実感しており、塗るのを忘れることも多いということでした。追加治療後の効果も現われてきており、まだまだ改善していくことが予想されます。現在経過観察中です。


