肩:肩こり・四十肩・五十肩 【モヤモヤ血管が原因だった】首肩こりの痛み(50代:男性) 2025.02.28 鴨井院長による動画解説 受診までの経過 半年前から右肩が痛くなり、整形外科を受診しMRI検査を受けたところ、腱板不全断裂、有痛性腱板損傷と診断されました。症状は徐々に悪化し、思うように腕を動かせないほか、右上腕が重だるくなったり痺れたりして、ついには夜間痛も生じるようになりました。腕を切り落としたいと思うくらいの痛みが続くため当院を受診されました。 診察時の所見 水平にはできるが、バンザイができない状態(外転145度)、前方から反対の肩に手を回すことはできないなどの可動域制限がありました。エコー検査では、肩関節前方にて異常血流信号を豊富に認めた(モヤモヤ血管を反映)ほか、肩甲下筋腱の不全断裂を認めました。他の腱板は保たれていました。詳細にお聞きすると、首肩こりも悪く、レントゲンでは後頸部に石灰も認められるほどでした。ご相談の結果、右肩関節と首肩こりの運動器カテーテル治療(微細動脈塞栓術)を併せて行うこととなりました。 治療の所見 まず頸部の治療を行いました。深頸動脈造影でモヤモヤ血管(病的新生血管)が造影剤の濃染像として描出されました。右肩関節では、肩甲上動脈、胸肩峰動脈、烏口枝などでそれぞれモヤモヤ血管を認めました。治療後は画像上速やかに消失しました。その他複数箇所の治療を行い終了しました。 治療後の経過 治療後2週間、ムズムズと居ても立っても居られないようなことは無くなりました。治療後1ヶ月、大幅に痛みが改善しました。可動域制限はまだ残っていました。治療後2ヶ月、可動域も改善してきて日常生活では支障なくなりました。動かしたときに、たまにズキッとするものの当初の痛みはほぼ解消されました。その後も再発することなく良好に経過されています。腱板損傷後の場合、当初の痛みが大方取れた後も、違和感を含めて完全に症状が消失するには長期間要することがあります。痛みを誘発するような腱板が物理的に擦れる動作、動作角度があるわけですが、そうした動作を避けて過ごしているうちに、残った違和感や多少の痛みもいつの間にか無くなったというような経過で解消されることが多いです。 【モヤモヤ血管が原因だった】顎関節症の痛み(40代:女性) 前の記事 【モヤモヤ血管が原因だった】グロインペイン症状群の痛み(60代:男性) 次の記事