その他:帯状疱疹後など 【70代:男性】半年以上続いた蜂窩織炎(皮膚の感染症)後のしつこい痛み(感染症後の慢性疼痛、蜂窩織炎) 2022.10.08 鴨井院長による動画解説 受診までの経過 半年前に脛の打撲をきっかけに右下腿蜂窩織炎を発症しました。直ちに病院を受診し、抗生剤治療にて改善しましたが、その後も一部の腫れが残っており時々痛みを感じるとのことでご相談いただきました。 診察時の所見 患部に一定の圧痛があるほか、エコー検査では脛骨粗面外側に異常血流増生を認めました。膝関節の変形は年齢相応であり、関節における明らかな炎症所見は認められませんでした。 治療の所見 前脛骨反回動脈造影において、患部に一致してモヤモヤ血管(病的新生血管)が造影剤の濃染像として描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。 治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管 治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態 治療費用:税込324,500円 主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。 治療後の経過 治療翌日から症状が改善し、2週間後の診察時には完全に痛みが消失していました。半年以上続いたしつこい痛みがあっけなく消えて大変驚かれました。感染時には激しい免疫反応が起きるため、モヤモヤ血管がたくさん増えます。微細動脈塞栓術(カテーテル治療)により、それらを選択的に直接大幅に間引く治療は、正に理にかなった治療と言えるでしょう。不良組織が残存してしまっている場合はすべての症状をとることは難しいですが、何らかの感染症後の症状でお悩みの方はご検討いただくとよいと思います。 【40代:女性】これもSIRVA?コロナウイルスワクチン接種後に生じた石灰沈着性腱板炎(SIRVA、石灰沈着性腱板炎) 前の記事 【70代:女性】事前診察で有効性について懸念されたものの、痛みを大幅に改善させることができた長期間に及ぶ帯状疱疹後神経痛の症例(帯状疱疹後神経痛(PHN)) 次の記事