変形性膝関節症

変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が摩耗していくことによって引き起こされる疾患です。主な原因としては、加齢や遺伝的な要因、過剰な膝への負荷、外傷や炎症などが挙げられます。
症状としては、膝関節の痛みやこわばり、歩行時の痛みや不安定感、膝関節の腫れや熱感などがあります。また、膝関節の可動域が制限される場合もあります。これらの症状は徐々に進行し、重症化すると日常生活に支障をきたすことがあります。

鵞足炎

鵞足炎は、スポーツを行う人に多い膝の慢性的な炎症症状です。脛骨(すねの骨)の内側には縫工筋・薄筋・半腱様筋・半膜様筋の4つの筋が扇状についており、それが鵞鳥(がちょう)の足のように見える為「鵞足」と呼ばれています。膝を繰り返し曲げ伸ばしすることで鵞足に付着する筋・腱・滑液包などが炎症を起こし痛みが発生します。ジョギング・ジャンプ・着地の繰り返しやサッカーボールのキックなど、膝の曲げ伸ばしや膝の内側に負担がかかる動きを繰り返すことで発症します。また、膝が内側に入るニーインと呼ばれる姿勢になることでよりストレスが増強します。鵞足に付着する筋肉は骨盤から続く細長い筋肉群で、膝を曲げる機能だけでなく股関節を前に曲げる(縫工筋)後ろに伸ばす(半腱様筋・半膜様筋)内側に閉じる(薄筋)など、膝・股関節の両方の動きに関わる為非常に負担のかかり易い筋肉です。

膝蓋腱炎(ジャンパー膝)

膝蓋腱炎は、長期間の反復的な跳躍や走行、着地などの運動が原因で、膝蓋腱の繊維組織が炎症を起こす疾患です。ジャンパー膝とも呼ばれ、主にバスケットボール、バレーボール、陸上競技などで競技者に多く見られます。

この疾患の症状としては、膝の外側に痛みが生じたり、膝関節の可動域が制限されることが挙げられます。また、長時間立ち上がることや膝を曲げたり伸ばしたりする動作が困難になる場合もあります。痛みは軽度から激痛まで様々で、患部に触れると強い痛みを感じることもあります。

腸脛靭帯炎(ランナー膝)

腸脛靭帯炎、通称ランナー膝は、ランニングなどの運動によって引き起こされる膝の痛みの一種です。主な原因は、膝関節の周りにある腸脛靭帯の炎症によるものです。腸脛靭帯は、膝蓋骨と脛骨の間に位置し、膝の運動を制御する重要な役割を果たしています。ランナー膝の原因は、主に以下のようなものが挙げられます。一つ目は、腸脛靭帯に過度な負荷がかかることによって引き起こされるものです。これは、長時間のランニングやジャンプなどの高負荷の運動が原因となります。二つ目は、膝関節のバランスが崩れることによって起こるものです。この場合、膝の内側の筋肉が弱く、外側の筋肉が強いため、膝の負荷が偏り、腸脛靭帯に負荷がかかりやすくなります。

ランナー膝の主な症状は、膝の内側や前側、または後ろ側に痛みが生じることです。痛みは、運動中に感じることが多く、特に下り坂や階段の降りる時に強くなることがあります。また、膝関節の可動域が制限されることもあります。

膝蓋下脂肪体

膝蓋下脂肪体は、膝の裏側にある脂肪のかたまりのことです。主に女性に見られ、肥満や運動不足、遺伝的要因などが原因とされています。また、着座姿勢が続く仕事や足の付け根に負荷がかかるスポーツなども、膝蓋下脂肪体の発生に影響を与えると考えられています。

膝蓋下脂肪体の主な症状は、膝の裏側に痛みやしこりが生じることです。脂肪が圧迫されることで、膝の裏側に違和感や不快感がある場合もあります。また、痛みが強くなると、膝を伸ばしたり曲げたりする動作が制限されることもあります。

滑膜炎・タナ障害

滑膜炎とは、関節の内側にある軟骨を覆う滑膜と呼ばれる組織が炎症を起こす病気です。タナ障害は、滑膜炎の一種で、膝の内側にある内側半月板の縁にある滑膜が炎症を起こす病気です。

滑膜炎の原因は、関節の繰り返しの使用や外傷などが考えられます。タナ障害の原因は、内側半月板が移動したり、内側半月板の縁に負荷がかかりすぎたりすることが挙げられます。また、肥満や過剰な運動も原因になることがあります。

症状としては、痛みや腫れ、関節の可動域の制限などが挙げられます。タナ障害の場合は、内側半月板の縁に痛みが生じることが多く、膝を曲げたり伸ばしたりすると痛みが強くなることがあります。また、膝を支える靭帯にも影響を与えるため、歩行時に不安定感が生じることがあります。

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