肘:テニス肘・ゴルフ肘など

【40代:男性】ボルダリングが原因で生じたテニス肘、TFCC損傷に対するモヤモヤ血管治療(ボルダリング、テニス肘、TFCC損傷)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

ボルダリングが原因で、5ヶ月前から左肘を痛めるようになりました。曲げ伸ばしの動作が痛く、朝起きた時にも痛みました。日常生活にも支障をきたすほどでしたが、ボルダリングは痛みを堪えて続けていました。一方、以前に右手首を痛めてTFCC損傷と診断されたことがありましたが、一部の痛みが残っていたため併せて診療希望し受診されました。

診察時の所見

左肘の外側、左上腕骨外側上顆においてモヤモヤ血管(病的新生血管)を反映した異常血流信号が見られました。腱は腫れていましたが、変性所見は軽度でした。典型的な上腕骨外側上顆炎であり運動器カテーテル治療(微細動脈塞栓術)の適応でしたので、両手首と併せて治療を行いました。

治療の所見

血管造影を行うと、橈側反回動脈および反回骨間動脈にてモヤモヤ血管が濃染像として描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。手関節でも、骨間動脈にて同様にモヤモヤ血管が描出され治療を行いました。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

治療後10日、最も痛みの強かった左肘の痛みは改善しました。治療後1ヶ月半、左肘の痛みは完全に消失しました。手首の痛みはたまに感じる程度で同様に改善しました。炎症さえ鎮まれば、まだまだ腱は保たれています。ボルダリングを長く楽しんで続けていただけることを心より願っております。ボルダリングは肘・手首・手指に負担がかかるスポーツですので同様に悩んでおられる方は少なくありません。痛みを堪えて続けたり、かばいながら続けると、損傷が広がったりこじれたりする懸念がありますので、競技を長く続けるためにも適切なタイミングで診療を受けることをおすすめします。

テニス肘・TFCC損傷の詳しい病状説明はこちら

 

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