膝:変形性膝関節症など

【10代:男性】スケートボード競技選手に生じた両膝両足の痛み(オスグッド病、外側側副靭帯損傷後遺症、膝蓋腱炎、膝蓋下脂肪体炎、反復性足関節捻挫、外反母趾)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

スケートボード競技選手です。4年5ヶ月前から右膝が、1年8ヶ月前から左膝のお皿の周りやお皿の下に痛みを生じるようになりました。これまで、右膝はオスグッド病、左膝はスケートボード中の転倒時の受傷による靭帯損傷が疑われていました。競技中のみならず、階段昇降や長時間立位などの日常生活でも膝が痛むほか、外反母趾や踵、足首も痛むことがあり併せて治療を希望し当院を受診されました。尚、足首の捻挫はこれまで繰り返し起こしてきたとのことでした。

診察時の所見

右膝はいわゆるオスグッド部位に一致して圧痛を認めました。左膝には明確な圧痛はありませんでした。エコー検査およびレントゲン検査では、右膝蓋腱脛骨付着部における骨化形成の異常を認め、疼痛部位・圧痛部位に一致していることから、オスグッド病と診断しました。左膝の同部位と比較すると一目瞭然です。一方、左膝関節では一部異常血流信号を認めましたが、大きな異常はなく外側側副靭帯損傷後遺症として矛盾しないものと判断しました。他に膝蓋腱の軽微の炎症や膝蓋下脂肪体炎が疑われました。足関節(足首)や足部は中等度以下の外反母趾を認めるのみでレントゲン上は大きな異常は認められませんでした。反復性足関節捻挫や外反母趾の痛みも微細動脈塞栓術の適応ですので、両膝の治療と併せて運動器カテーテル治療(微細動脈塞栓術)を受けていただきました。

治療の所見

まず右膝では、外側上膝動脈造影および前脛骨半回動脈造影にて、オスグッド部位(膝蓋腱脛骨付着部)に一致して病的新生血管(モヤモヤ血管)が造影剤の濃染像として描出されました。左膝では、特に内側部において下行膝動脈造影にて同様に濃染像を認めました。治療後は画像上速やかに消失しました。両足首、および両足の治療も行いましたが、特に右足甲の疼痛部位ではモヤモヤ血管が一部認められました。治療後に改めて確認すると、右足は何度も捻挫をしているが、その際に甲のあたりが痛かったとのことでした。漏れなく治療を行い終了しました。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

治療後2週間、まだはっきり改善した実感はないものの、少しずつ良い感じがしてきて、練習後の疲労感や、日常で歩いているときの感覚などが改善しているように思えてきました。治療後1ヶ月、以前だと痛みを生じていたような動きで痛みが出なくなりました。練習後の疲労感はやはり確かに改善していました。治療と並行して靴・インソールの作成も行っていただきましたが(フットマインドにて)、『最初はしっくりこなかったものの段々と慣れてきていい感じがする、楽な感じがするし地面を足でつかむ感覚も保てている、少し微調整してもらいたいところがあるのでまた相談してみようと思う』とのことでした。この『地面を足でつかむ感覚』を保ちながら、足・足首・膝の負担を減らすという競技者ならではのニーズに応えなければなりませんが、まさに職人の腕の見せ所でもあり、お店の方も『ぜひ活躍してもらいたいですね』と後日嬉しそうに話されていました。信頼できるお店が近くにあり、安心していつもお願いできるのは大変ありがたいことです。治療後3ヶ月、ほとんど痛みはなくなり、たまに右膝オスグッド部位の痛みが気になる程度になりました。以前は2時間ほどで痛みが出ていたのが、4時間練習を続けられるようになりました。ご家族からは、『表情も良くなった。以前は少しするとしかめっ面をしたり辛そうだったが、明るく楽しくできている。足首の調子も良い。』と言われました。その後半年の経過でも痛みなく練習できていることをご報告いただいています。第一線で活躍することがアスリートの目標であることは言うまでもありませんが、私としてはお父様が言われた『明るく楽しくスケートボードができている』ことが何より嬉しく思いました。これからのご活躍を心より応援しています。

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