腰:椎間関節炎など 【30代:男性】ひどい痛みではないものの、いつまでも治らなかった右臀部の痛み(仙腸関節障害) 2025.07.15 鴨井院長による動画解説 受診までの経過 2年前から右臀部が痛むようになりました。重い物を動かそうとして、かがんで体をひねった際に、右臀部にビリッとした痛みが走りました。痛みで腰が曲げられなくなるほどでしたが、その時の痛みは2-3日で治りました。しかし、その後も日常生活に大きく支障をきたすほどではないものの、右臀部の凝りや、若干のしびれが続いていました。仰向けで寝ると特に痛みが強くなりうつ伏せだと和らぎました。動いていると痛みは出にくいのですが、立ったまま動かずにいると痛みが強くなりました。重症というわけではありませんが、いつまでも治らないため当院を受診しました。 診察時の所見 レントゲンでは腰椎に大きな異常はありませんでしたが、年齢からするとかなり直線化していました。ストレートネックと同様に、腰椎もストレートになると良いことはなく、垂直方向に支える力が弱くなり、その分骨盤への負担が増すことになります。骨盤診察では、特に後上腸骨棘に圧痛を認めました。その他の診察所見と併せて骨盤由来の痛みの一つである仙腸関節障害が疑われました。 治療の所見 腰動脈、腸腰動脈、外側仙骨動脈などで特に再現痛が認められました。その他複数個所の治療を行い終了しました。 治療後の経過 治療後2週間、寝るときに脚を伸ばした時の痛みがとれてきました。治療後1ヶ月半、夜の痛みはほとんど感じなくなりました。そして、治療後2ヶ月半でついに全ての症状が消失しました。最終チェックでは、骨盤の圧痛ポイントも消失していました。仙腸関節障害はしつこい腰痛の原因の一つですが、快復されて何よりでした。 ところで、私は重症の方ですか?と時々聞かれることがあります。そもそも、他人と比べる必要はありませんし、比べることは症状の改善にとって良いことでもありません。一方、重症度の尺度は様々です。苦痛の程度、日常生活の支障の程度、思うようなパフォーマンスが発揮できないことによる心理的ストレスの程度とも言えますし、たとえ痛みの程度がそれほど強いものでなくても、何をやっても長期に亘りいつまでも治らないというのも重症と言えます。本症例は、苦痛や不快の程度はそこまで強くないものの、いつまでも治らないことで受診されました。生活ができないほどの痛みではないのに治療を受けても良いのかと悩む方もおられますが、他人と比べるのではなく、自身の身体と相談して決めていただければよいかと思います。 仙腸関節障害の詳しい病状説明はこちら 【40代:女性】6年間続いた肩の痛みが1ヶ月で消失~石灰沈着性腱板炎に対する運動器カテーテル治療~(石灰沈着性腱板炎) 前の記事 【60代:女性】関節注射で失神、リハビリで悪化、何をやっても治らなかった腱板断裂による耐え難い右肩の痛み(有痛性腱板損傷、肩関節周囲炎) 次の記事
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