その他:帯状疱疹後など 【80代:男性】モヤモヤ血管治療が著効した発症1年の臀部から大腿の帯状疱疹後神経痛 (帯状疱疹後神経痛) 2025.06.15 鴨井院長による動画解説 受診までの経過 1年前に帯状疱疹に罹患しました。発疹は左臀部~左大腿裏~膝裏にできて、水疱も伴っていました。その後発疹は治りましたが、チクチク、ヒリヒリとした皮膚の痛みが続いていました。じっとしていれば大丈夫ですが、さすったり、衣服で擦れたりすると痛みました。入浴して体が温まると楽になり、寝ている時には痛みが無く寝ることはできていました。鎮痛薬として、プレガバリン225m/日の内服を続けていました。 診察時の所見 前述の部位において、広範囲に皮膚の色素沈着は残っていました。触診での痛みはあるものの、(少し触れただけでもびくっとしてしまうような)アロディニアではありませんでした。80歳以上の高齢であること、罹病期間が1年に及ぶことより治療が無効である可能性があることをご理解いただいたうえで、病的新生血管(モヤモヤ血管)に対する微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)を受けていただきました。 治療の所見 左臀部~大腿遠位まで、広範囲の治療を行いました。 治療後の経過 治療当日からものすごく楽になりました。順調に経過し、治療後1ヶ月時点では、普段の痛みはほとんど消失しました。衣服が擦れただけで痛むことは無くなりました。やはり、もう少し強く擦れた時には痛むことがあるものの、元の8-9割の痛みは改善しました(治療前の痛みを10としたときに、1-2/10程度)。自転車に乗るとサドルに当たる臀部が痛むものの、車に乗るのはずいぶんと楽になりました。皮膚の色素沈着はまだ変わりないものの、触診時の痛みは激減していました。『1年前から苦しんできたが、妻や周囲の人にはなかなかこの苦しみはわかってもらえないのでとてもつらかった。ものすごく楽になり、心のモヤモヤもだいぶ晴れた』と言われました。プレガバリンはまだ継続していましたので、漸減のうえ中止していただく方針としました。非常に経過良好であったため、終診となりました。 帯状疱疹後神経痛は非常に難しい痛みの一つです。十分な睡眠がとれていたこと、体重減少や鬱などはなく、毎日喫茶店に出かけるなどある程度活動的に過ごされていたことなど、痛みに対する抵抗力が保たれていたことは良かった点ですが、高齢であり罹病期間が1年に及んでいることを鑑みますと、治療が著効しており、私も驚くほどでした。厳しい条件の方でも、時折、こうした劇的な改善が見られる場合があります。諦めずに治療を受けていただき、良い結果が得られて本当に良かったです。改めて、モヤモヤ血管治療の有効性に驚かされた症例でした。 帯状疱疹後神経痛の詳しい病状説明はこちら 【50代:男性】レントゲンでは問題ないと言われたが、一歩歩くたびに足の付け根が痛む。~早期変形性股関節症に対するモヤモヤ血管治療~(変形性股関節症) 前の記事 【50代:男性】4年間悩まされた肛門痛・会陰部痛~慢性前立腺炎に対するモヤモヤ血管治療~(慢性前立腺炎) 次の記事