その他:帯状疱疹後など

【60代:女性】何をやっても治らなかった剣山で刺されたような顔の痛み、モヤモヤ血管治療で劇的に改善した発症3ヶ月の帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹後神経痛、顔面の痛み)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

3ヶ月前に左目の周りに発疹ができました。その後、鼻から頬にかけての部位に強い発赤を伴う、火傷のように激しい発疹が広がりました。あまりの変化に、怖くて自分で見ることもできなかったほどでした。帯状疱疹と診断されました。入院治療となりましたが、ひどい頭痛があり精査したところ、髄膜炎まで合併していることがわかりました。入院治療により頭痛は解消されましたが、左頬と小鼻の痛みが続きました。チクチクした痛みでしたが、ひどいと剣山で刺されているように感じました。帯状疱疹後神経痛の診断で、タリージェなどの鎮痛剤を処方されたほか、ブロック注射を8回受けました。当初は効き目があったものの、徐々に効かなくなり、ついには全く効果が得られなくなったため中止しました。うつではありませんでしたが、疼痛緩和のために抗うつ薬を処方されました。その影響なのか、体と気が重くなり、以前よりもやる気が減ってしまいました。夜は痛みで起きることはなく寝られていましたが、体重は6kg減ってしまいました。マスクを付けるとヒリヒリ痛むなど、一定のアロディニアがありました。入浴して温まると楽になるため、辛い時は温めるようにしていました。家族が一生懸命治療方法を探してくれたところ、当院を見つけて受診されました。

診察時の所見

発症3ヶ月の改善傾向のない強い症状を伴う帯状疱疹後神経痛であり、治療適応と判断し、モヤモヤ血管(病的新生血管)に対する運動器カテーテル治療(微細動脈塞栓術)を受けていただきました。

治療の所見

帯状疱疹後神経痛はモヤモヤ血管が画像で描出されやすい疾患ではありませんが、血管造影を行うと、顔面動脈でモヤモヤ血管が濃染像として豊富に描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。前述のように帯状疱疹後神経痛では、通常モヤモヤ血管は画像上目立たないため、このモヤモヤ血管は必ずしも帯状疱疹後神経痛の病勢を示しているものではないものと思われますが、帯状疱疹罹患により、同部位のこりや血行障害が助長されていた可能性が考えられます。その他複数箇所の治療を行い終了しました。治療中の苦痛はありませんでした。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:治療する部位によって費用が異なりますのでこちらをご参照ください。
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

治療直後から症状が改善しました。顔の筋肉を動かしたときの痛みがすごく嫌でしたが、それが楽になりました。既に治療を受けてよかったと思えているとのことでした。自宅への帰路も楽に感じ、その後ぶり返すこともなく改善が進んでいきました。治療後2週間で、元の痛みの8割方が改善しました(2/10程度)。劇的に改善し、目と鼻の間の部位の痛みはほとんど消失、頬は時折ビリビリと痛む程度で、四六時中悩まされることは無くなりました。ホットタオルを顔に当てて痛みの軽減を図るようなこともしなくなりました。夜も良く眠れるようになりました。気持ちが前向きになり、家事も普通にできるようになりました。『正直、本当に良くなるのか不安が強かったが、思い切って決断して本当に良かった。家族がこの治療を探してきてくれて、強く背中を押してくれたので、本当に感謝している。3か月間何をやっても良くならず、諦めかけていた。周囲からも、声が変わったね、明るくなったねと言われた。』と話していただきました。一方、痛みが良くなった分、こわばりが気になっていました。治療後1ヶ月半、元の9割方の痛みが改善しました(1/10程度)。食欲が戻って美味しく食べられるようになり、体重が2kg戻りました。一方、顔面の痒みが気になっていました。治癒過程で掻痒感が出ることはあるため、ご説明し様子を見ていただきました。治療後3ヶ月、9割9分良くなりました(本人言)。皮膚の赤みも無くなりました。痛みが良くなると感覚麻痺が分かるようになったのですが、目の周囲の感覚は戻ってきました。鼻の周囲の感覚麻痺がまだ残っていましたが、時間をかけて治っていくように感じていました。内服薬は全て止めましたが、特に痛みがぶり返すことはありませんでした。周囲からも、表情が明るくなり、歩き方も違うと言われました。以前は外出時に何となくマスクをしたくなっていましたが、マスクをしない時が多くなりました。治療を受けて本当に良かったと言われました。

発症3ヶ月の顔面の帯状疱疹後神経痛の症例でした。治療早期から劇的に改善しました。この部位は、難治に陥りやすく、時間が経つとあらゆる治療が効きにくくなってしまいます。微細動脈塞栓術(モヤモヤ血管に対するカテーテル治療)を以てしても有効性が低下してくるため、3か月以内のとにかく早い時期に治療を受けていただくことを強くおすすめしています。特に当初の発疹が激しかった場合、抗ウイルス薬による治療が遅れた、あるいはなされなかった場合、高齢の場合、また1ヶ月の経過で明確な改善傾向がなく体重減少やメンタルの不調を伴う場合などは要注意です。カテーテル治療後の通院は必須ではなく、電話再診での対応も行っておりますので、ご遠方で躊躇される方も該当する方はぜひご検討ください。

帯状疱疹後神経痛の詳細はこちら

 
 

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