尻:梨状筋症候群など

【70代:女性】スナックママに生じた座ると痛む梨状筋症候群の症例

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

若い時分から腰痛がありましたが、3-4ヶ月前から左腰痛がひどくなってきました。座っていても歩いていても痛く、病院では子宮筋腫のために痛いのだと説明を受けていましたが、子宮筋腫手術後もずっと痛いためそれとは関係ないのではないかと思っていました。モヤモヤ血管治療のことを知り、当院を受診されました。

診察時の所見

左側屈、左回旋動作で左腰部の疼痛を認めましたが、特に梨状筋部位(お尻の筋肉の一つ)において強い圧痛を認めました。レントゲンでは比較的高度の腰椎変形を認めましたが、腰椎病変よりも梨状筋症候群の要素が強いのではないかと考えられました。左の方が強かったですが、右にも圧痛がかなりあったため両側の治療を行うこととしました。

治療の所見

腰臀部痛の場合、1か所だけの炎症ということは少なく、多くの場合複数箇所の炎症を合併していますので、梨状筋に分布するモヤモヤ血管を重点的に治療したうえで広く治療を行いました。たとえ非常に広い範囲の痛みであったとしても、血管の分布に沿って一度に治療できるのが運動器カテーテル治療(運動器EVT)の強みですね。

治療後の経過

2週間ほどで症状の軽い右側はほぼ痛みが無くなりましたが、左側の症状(左腰から足にかけての痛み・しびれ)は2ヶ月半まで続きました。ところが、治療後3ヶ月になると突然症状が無くなりました。全く痛みがなくなり、表情も大変朗らかにされていました。その後再発なく経過中です。
腰椎が変形していたり、子宮筋腫があったりするとそれが原因だとされてしまいがちですが、実はそうではありませんでした。お仕事で長時間座る姿勢を続ける機会が多かったことが梨状筋に負担をかけていたのでしょう。梨状筋症候群はカテーテル治療のとてもよい適応です。治せる腰臀部痛です。

梨状筋症候群の詳しい病状説明はこちら

 
 

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