手:ばね指など 【60代:男性】ステロイド注射でもよくならなかった、ゴルフ愛好家に生じたばね指 2020.10.28 鴨井院長による動画解説 受診までの経過 当初痛みはなかったのですが、手の中指に引っかかり感を感じるようになり、次第に痛みも伴ってきたため整形外科を受診したところ、ばね指と診断されました。痛み止め内服の他、腱鞘内にステロイド注射(ケナコルト40mg)を受けましたが改善しないため当院を受診されました。 診察時の所見 特有の引っかかり感から典型的なばね指であることは明白でした。エコーでも同部位(MP関節近傍)の屈筋腱と腱鞘の肥厚がみられたほか、周囲のモヤモヤ血管の増生を反映する血流信号の増強がみられました。動脈塞栓術(モヤモヤ血管治療)の適応と判断し治療を受けていただきました。 治療の所見 手の疾患の場合は、特殊なカテーテルを使用せずとも手首の動脈から直接塞栓物質を投与することで簡易治療が可能です。数分の施術時間で投与した後、5分ほどで止血しました。投与した際に動脈血流に乗って全体に薬がいきわたるため、手全体に色調変化(白くなってその後一部紫調➡まだら➡赤色調➡元の状態)が起きるほか一過性の浮腫みが出ます。このとき、手が熱く感じられたり灼熱感や痛みを感じたりすることもあります。敏感な方は、投与時の刺激が少ない薬剤に変更していただくことも可能です。 治療後の経過 1週間経った頃、気が付くと知らぬ間に楽になっていました。痛みとは別にゴリゴリした感覚があったのですが、それもとれました。前医ではこれは治らないよと言われていたので、引っかかり感も含めて良くなりとても喜ばれました。 腱鞘炎の詳しい病状説明はこちら 【40代:女性】朝起きて1歩目からかかとに激痛が!教師に生じた難治性足底筋膜炎 前の記事 【60代:女性】座るとお尻が痛くて足までしびれる⁉MRIで異常がないのにこんなに苦しいなんて・・坐骨神経痛を合併した梨状筋症候群の症例 次の記事