肩:肩こり・四十肩・五十肩

【50代:女性】交通事故後遺症(むち打ち)により全身の深刻な不調をきたしていた症例(交通事故後遺症、むち打ち、食いしばり、首肩こり、頸肩腕症候群)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

7ヶ月前に交通事故に遭い、首肩を痛めました(むち打ち症)。寒くなると特に症状がひどくなりました。当初よりは緩和されているものの夜間痛もありました。頸椎ヘルニアや肩の腱板断裂も指摘されたことがあるほか、出産時に手首の腱鞘炎を起こしたこともあるためか、事故後は手全体にこわばりが出たり、力が入りにくくなったりすることがありました。手を着くだけで痛みが出たりもしました。頭痛や歯の食いしばり(ブラキシズム)もありました。

診察時の所見

首の可動域制限は比較的高度、肩関節の可動域制限は軽度でした。レントゲンでは、頸椎、両肩関節とも比較的保たれていました。エコー検査では一部腱板石灰を認めましたが、炎症所見はそこまで高度ではなく全体的には交通事故後遺症としての重症首肩こり(頸肩腕症候群)が主因と判断しました。

治療の所見

顔面および頸部~両手首と非常に広範囲に治療を行いました。特に、深頸動脈および顔面動脈の血管造影においてモヤモヤ血管(病的新生血管)が濃染像として描出されました。治療後は画像上速やかに消失しました。

治療前画像:損傷を受ける、あるいは繰り返しのストレスにより発生した異常な新生血管
治療後画像:カテーテルを用いて塞栓物質を血管内に投与し新生血管を塞いだ状態
治療費用:税込324,500円
主なリスク・副作用等:針を刺した場所が出血により腫れや痛みを生じたり、感染したりすることがあります(穿刺部合併症)。造影剤によるアレルギー(皮膚のかゆみ・赤み・息苦しくなるなどの症状)が出ることがあります。

治療後の経過

治療直後から痛みは改善し、立ち上がるのも楽になりました。治療後2週間、上半身の治療をしただけなのに、立位が楽になったほか、ちょっとした動作でも楽になりました。耳鳴りは変わらないものの頭痛はしなくなりました。顔の肌の調子が良くなりました。手のこわばり感はだいぶ消えてきて、手を着くこともできるようになりました。関節の動きも徐々に改善してきました。治療後1ヶ月半、変わらず頭痛なく過ごせました。車を降りるときなど、長時間座っていた姿勢から立ち上がる時の不安まで開放されたことに驚きました。足を踏み出しにくかった症状までとれました。スキーに行ってみましたが、問題なくできました。手首も治り、少しずつゆっくりとヨガなどで手をついたりしていました。治療後3ヶ月、首の一定のこりは残っているものの、悪化することはなく、階段を駆け上がれるようになったり、走れるようになったりなどできることが増えてきました。治療後4ヶ月、温かくなるにつれて首肩の辛さはさらに改善してきました。手指も、自分でもわかるくらい力が戻ってきているとのことでした。現在、残存症状についてメンテナンスを含めて不定期の通院加療を行っています。交通事故後遺症による多岐にわたる症状に悩まされていた症例です。頸部の不調が全身に影響を及ぼすことはよく経験しますが、治療後に下肢の症状まで改善させることができ本当によかったと思います。

関連記事