その他:帯状疱疹後など

【60代:男性】4年以上悩まされた背中の焼けるような痛み・・モヤモヤ血管治療が奏功し劇的に改善した帯状疱疹後神経痛(帯状疱疹後神経痛)

鴨井院長による動画解説

受診までの経過

4年と少し前に帯状疱疹にかかりました。最初は皮膚に違和感がありましたが、そのうちに水膨れのようになりました。その後皮膚の発疹は治ったものの、焼けるような痛みが持続するようになりました。痛みは右側の胸、脇腹、背中に及び、最も痛いのは背中の右半分でした。痛みを忘れられる時間は少しあり、入浴で少し楽になる、うつ状態にはなく、一定の睡眠もとれていました。しかし、痛みのため食欲が低下し、体重も2ヶ月で2.5kgほど低下しました。当院の治療を知り受診しました。

診察時の所見

疼痛部位を確認すると、淡い色素沈着がありました。触診時の過剰な反応はみられませんでした。発症から1年以上経過している帯状疱疹後神経痛であり、治療無効の可能性があることを十分ご理解いただいたうえでモヤモヤ血管(病的新生血管)に対する微細動脈塞栓術(運動器カテーテル治療)を受けていただきました。

治療の所見

右胸部~背部に至るまで、広範囲に治療を行いました。

治療後の経過

治療後3日くらいから嫌らしい痛みがとれてきて、2週間後の受診時にはすこぶる調子が良いと言われました。以前のような深い痛みが楽になり、焼けるような痛みがなくなりました。まだ服が擦れると痛みを感じたりはするものの、背中の色素沈着も薄らいできました。この時点で、6―7割方の症状が改善したとのことでした(3-4/10程度)。非常に経過良好です。治療後1ヶ月半、前胸部の痛みは消失し、背中には若干の痛みを感じる程度でした。触診時の痛みもほとんどなく違和感程度でした。その後も非常に順調に経過されていますが、まだ服を着るときの擦れるような痛みが狭い範囲で1点だけ見られるとのことでした。治療後半年でも同様の状態です。完全に痛みが消失するには至っていませんが、広範囲にあった痛みが非常に局所的になっており、痛みの程度もほとんど気にならないレベルです。発症4年以上であり、治療が無効であることも懸念されましたが非常に早期から劇的に改善されてなによりでした。通常、改善する場合、少なくとも1ヶ月以上は要しますが、2週間後には劇的に改善していました。焼けるような痛みと表現される方は比較的早期からそうした症状は緩和されることが多いのですが、ここまで早くから改善することは稀です。4年以上苦しんでいた症状がこんなに早くから改善したことにご本人も大変驚かれていました。

帯状疱疹後神経痛の詳しい病状説明はこちら

 
 

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